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長く辛い戦いはついに幕を閉じた。


そしてまた僕の旅も。


あれだけ激しく戦いを繰り広げた城内には竜の雄叫びも断末魔も聞こえなくなり…終戦を喜び、称え合う兵士達の姿と声が城内に溢れていた。


その光景の中、僕は、傍に寄ったシーダと静かに向き合った。



シーダ「マルス様、ようやく、終わりましたね…」

マルス「うん。やっと、この日が来たね。…長かった…」

シーダ「その…マルス様はこれからどうなさるのです?」


マルス「僕はアリティアに帰るつもりだ。戦乱に荒れ果てた大地を一日でも早く立て直さないと」



僕は王子なので、帰って政治に尽力を尽くさなくては。どっかの伝説の勇者と違って終わったからといって旅とかに出られないのである。


シーダ「そうですか……タリスには戻られないのですね…」

マルス「いや、そんなことはないよ。まず、君の父上へご報告に行くつもりだからタリスには戻るよ」

シーダ「私が言っているのはそういうことでは…いえ…なんでもありません。失礼します…」



なんだかしょんぼりしてどっか行ってしまうシーダ。

うぬぬぬぬ…ちょっと空気読まなかったですかね自分。



ニーナ「どうしたのです、マルス。シーダが、悲しそうな顔をして出ていきましたけど」

マルス「いえ、その、実は…かくかくしかじか…」


ニーナ「…なるほど事情はわかりました。マルス、あなたは一番大切な事をごまかしていますね」

マルス「私が、ですか?私はなにも…」

ニーナ「シーダをタリスに戻してあなたはアリティアに帰る。本当にそれでいいのですか?」

マルス「いいも悪いもそれが自然な形ですから…」

ニーナ「…本当は良くないのならシーダにはっきりと伝えるべきです。思いは口にすることではじめて翼を持つもの。逃げては駄目ですよ。あなたは勇者なのですから」


マルス「…」



いや まぁ 戦争もおわりましたし、わかりますよ、タイミング的には。ええ。

でもですね、終わったばかりなんだし、もうちょっと心の準備をですね。


えーい あー もー



バーツ「王子?どちらへ?」


マルス「ちょっとシーダと話しがね…」


バーツ「! わかりやした! 邪魔が行かないようにしておきますよ!」


マルス「ありがとうバーツ。帰ったらみんなで祝おうね」


オグマ「やっほう!ヘッドの奢りだってよ野郎ども!今日は朝まで呑みま…」


マルス「(跳び膝)」


オグマ「ぐわっ!?」



最後の最後で炸裂。今までの気持ち全てがつまった真空跳び膝蹴りだった。



オグマをKOした後、僕はシーダを追って出た。

彼女が去った通路を抜けると、メディウスの城には似つかわしくないような庭園が広がり、そこに彼女はいた。



マルス「…シーダ、ちょっといいかい?」

シーダ「…?」

マルス「僕の思いを伝えておきたいんだ。君さえよければ…その…一緒にアリティアへ来てくれないか?」

シーダ「え…!!」

マルス「タリスで海賊と戦ってから今日までずっと君は僕の側にいてくれた。君の存在がどれだけ僕の心を支えてくれたことか」



どんなピンチでも唯一身を案じて傍にいてくれたし。
オグマとか速攻逃げたのに。



マルス「だから、その…うまく言えないけどこれからもずっと側にいてほしい…」

シーダ「マルス様…もちろん、よろこんで…」



僕の言葉にシーダは涙を流して喜んだ。

なんだか…この旅で一番勇気のいる行いになっちゃったな…


そこへ…



マリア チキ「ちょっと待ったー!!」


マルス「マリア!?チキ!?」


チキ「はい!はい!あたしもお兄ちゃんとこ一緒に行く!」


マリア「私だって王女です!身分なら十分!はいそうですかと黙ってませんよー!!」


シーダ「いやでも…もうほら…私選ばれちゃったから…今まで盛り上げてくれてありがとね


マリア チキ「キー!!」



…なんだか大変な事になってしまった…


とりあえず言いたい事は言ったので退散しよう…




〜〜 その光景の後ろの方で 〜〜



マリク「ふ…流石に英雄となると寄ってくる女の問題にも悩まされるようだ…」


エリス「あの子ったら…すっかり男の顔ねえ…」


マリク「あのお人は一国の王で終わるような人じゃねえ…知らない者のいない伝説として語り継がれる男となるはずさ…」


エリス「あなたもですよ、マリク」


マリク「え…?」


エリス「その英雄を支え続け、戦い抜いた男もまた英雄です。マリク、あなたの名も歴史に刻まれることでしょう」


マリク「エリス様… ふ… よして下さい… 俺は牙を持つ龍… 戦場をただ駆け抜けた…一匹のはぐれた龍さ…」


エリス「ふふ…」


リンダ「(さらに草葉の陰から)ギリギリギリ… 今ならオーラで殺れる…今後の為にいっそ…!」



退散の最中にそんなリンダが目に入る。


もうみんなで一生やってればいい。




なんにせよこうして、神剣ファルシオンとそれにまつわる一つの戦いが幕を閉じた。

ぶっちゃけファルシオンいらなかったみたいだけど。


さて、戦いの後、僕は当然祖国の復興に力を尽くし、シーダはアリティアへやって来てまた僕を支えていてくれている。



他のみんなはというと…ここで順番に紹介していこうか…




ジェイガン:現役を退き僕の良き相談相手となっている。



まぁ前半から歳でしんどそうだったし。



カイン:アリティア騎士団に残り後輩の指導に努める。自らも訓練をおこたらず常に騎士団の先頭に。



戦争での悔しさを訓練にぶつけてるようです。実戦で活躍できる日が来るといいね。



アベル:軍を退いて小さな店を始めた。近々結婚の噂もある。騎士団の仲間達とは今も交流があるらしい。



君がカインの代わりに残ってくれれば良かったのに。



ドーガ:軍に残って辺境の守備につく。その巨体はいかなる時でも揺らぐことなく民達から固い信頼を得た。



実戦ではしょっぱなから揺らぎまくってましたが。辺境に飛ばされたわけですね。わかります。



ゴードン:弓の腕を磨く為アカネイアの弓騎士に弟子入りした。後に、弟を連れアリティア軍に復帰する。



うちの軍では弓兵としてはぶっちぎり最強だったんですが。
お前が弟子取ったの間違いじゃないのか。



リフ:アリティアに修道院を建て子供達の世話に余生をささげているようだ。



前半頑張ってくれたのにごめんね。



オグマ:タリス島に戻って人々の為に働いている。想う人がいるのか結婚の噂はない。




えーと はい、次々。



オグマ「ちょっとー!?何故ですか王子!!私にもちゃんとコメント下さいよ!」


マルス「うわ!?オグマ!?こんなところまでしゃしゃり出てくるかな君は…」


オグマ「なんだかんだでずっとお傍でお仕えいたしましたからな。最後までお付き合いさせていただきますよ」


マルス「(うぜえ…)」



というわけで次の人。



サジ:タリス王国で木こりとして平和に暮らす。その技の冴えで人々に知られている。



マルス「やっぱり木こりだったのか」


オグマ「文武両道って奴です」


マルス「…全然違うと思う…」



マジ:タリス王国で木こりとして平和に暮らす。その仕事の速さで人々に知られている。



マルス「作業の早さに定評か」


オグマ「ずっと裏方でしたしね」



カシム:タリスに戻る。年老いた母親とささやかな生活を営んでいる。



マルス「ささやか…?」


オグマ「大分貯め込んでそうですよね」



ダロス:また気ままな船乗りに戻ったようである。その後、彼を見たという話は聞かない。



マルス「…船乗りに戻ってその後見たことないって…」


オグマ「…遭難死の確立が…」



ジュリアン:盗賊から足を洗い、マケドニアで働いている。かつて犯した罪のつぐないをするかのように。



マルス「惚れた弱みは大変だね」


オグマ「レナさんに出会わなければ一生盗賊だったような」



レナ:マケドニアの修道院で孤児達の世話をしている。その愛は全ての人々に等しく注がれた。



マルス「ひとしく…か…」


オグマ「一人の男では無いようですな」



ナバール:戦火が収まった後、彼は風のように去って行ったその名声だけが大陸に広まり彼の名をかたる者も現れたという。



マルス「名声…?ああ じゃがいもの皮むきの早さですね。わかります」


オグマ「懲りずにキルソード買ったんでしょうかね」



マリク:戦火が収まった後、カダインへ戻っていった。再び、魔道修行の日々を送っているらしい。



マルス「…魔道…」


オグマ「後半なんの職業かわかりませんでしたね」



マチス:軍を退き、マケドニアで普通通りの退屈だが平凡な日々をすごしている。



マルス「いたっけそう言えば」


オグマ「その後も普通そうですし、いいんでしょう普通で」



ハーディン:ニーナ王女に迎えられてアカネイア王国第24代国王となる。



マルス「ま〜じ〜で〜」


オグマ「ヒゲがポイントだったんですかね」



ウルフ:オレルアン騎士団に残り国の復興に力を尽くしている。後にオレルアンの精鋭部隊「狼騎士団」の長となった。

ザガロ:オレルアン騎士団に残り国の復興に力を尽くしている。「狼騎士団」の副長として陰で隊を支えた。

ロシェ:一度は軍を退くが後に復帰オレルアンの聖騎士となった。一時アリティアに滞在していたこともあるらしい。

ビラク:オレルアン騎士団に残り国の復興に力を尽くしている。共に生まれ育った友達とは血より強い絆で結ばれている。



マルス「めんどくさいのでまとめた」


オグマ「狼好きですなここの人達」



ウェンデル:カダイン魔道士達の最高位につく。その後、世界の真理を求めて諸国放浪の旅に出た。



マルス「歳を考えた方が…」


オグマ「それより責任者がどっかいっちゃまずいのでは」



リカード:故郷に帰って静かに暮らすと言っていたがどうやら再び盗賊稼業に戻ったらしい。



マルス「うちに入ったら問答無用で捕らえよう」


オグマ「処刑ですね、わかります」



バヌトゥ:竜石を封印して何処かへと去っていった。ドルーアの田舎で静かに余生を過ごしたいようだ。



マルス「将棋の相手も一緒に連れてって良かったのに」


オグマ「カイン殿ですな わかります」



シーザ:戦いの後、姿を消した。傭兵としてどこかの町を守っているとも、その才を買われて一国の将になったとも言われている。



マルス「彼は確かに頑張った。剣士としては一番ね」


オグマ「はっはっは 何か言いたそうですな王子」



ラディ:戦火の中で恋をして剣を捨てたという。その想いがかなったかどうかは定かではない。



マルス「色恋沙汰多いな…」


オグマ「まぁ 男女比率同じくらいですし…」



ロジャー:結局、故国グルニアへと戻る。戦火に耐えた人達と焼け落ちた町を復興する為力を尽くしている。



マルス「ロジャー可哀想 可哀想ロジャー」


オグマ「終わってみれば誘惑に負けただけの男でしたな…」



ジョルジュ:アカネイア弓騎士団の隊長となる。アカネイア復興の為に力を尽くしているようだ。



マルス「ゴードンの師匠になったのはジョルジュか」


オグマ「ゴードンの方が強くなってましたけどね」



マリア:カダイン留学後マケドニアへ戻りシスターとして人々の為に働いている。



マルス「留学の必要がいまいちわからない」


オグマ「主戦力でしたしねえ…王子争奪戦とか…」



ミネルバ:マケドニアの復興に全力を上げる。王位継承の噂もあるが本人は否定している。



マルス「じゃあ他の誰が王位につくんだよと」


オグマ「オームの杖でマリア王女がミシェイル王子を復活とか」



リンダ:ニーナ王女に保護されパレスの宮廷女官になったという。



マルス「マリクを追ってカダインには行かなかったか」


オグマ「絶好のチャンスだと思うんですけどね」



ジェイク:戦火の為、焼け野原になった町を復興する為働いている。いつか恋人アンナと共に遠くの大陸へ旅をするのが夢らしい。



マルス「…終わってみればジェイクがうちの軍のパワーバランスを担っていたね…」


オグマ「遠くの大陸へ旅って、シューターで、ですかね?」



ミディア:ニーナ王女に請われて軍にとどまりアカネイア騎士団の隊長となる。

トムス:一度は将軍になるがその後、軍を退く。新王の方針に反対した為と噂されている。

ミシェラン:戦いの後、何があったのか仲間と共に軍を退いた。その後、アカネイアの辺境で小さな自警団を結成したという。

トーマス:戦いの後、彼は姿を消した。一説では、故郷に帰って静かに暮らしているという。

ボア:アカネイア王国の宮廷司祭として国の復興に力を尽くす。



マルス「まるで役に立たなかったアカネイア王宮騎士団の皆さんです」


オグマ「正直どうでもいいですな」



ベック:辺境に残る残存勢力を鎮圧するため働いている。彼が駆るシューターは行く先々で珍しがられたという。



マルス「ありがとうサンダーボルト」


オグマ「ジェイクと参入の順序が逆だったらベックが無双してましたかね」



アストリア:アカネイア傭兵隊の隊長として、祖国の為に力を尽くす。後に宝剣メリクルをたまわりその勇名を大陸中にとどろかせた。



マルス「メリクルの切れ味だけが轟いたんじゃなかろうか」


オグマ「あの剣あれば誰でもそこそこ活躍出来そうですしね」



パオラ:複雑な思いを胸に秘めて祖国復興の為に働いている。

カチュア:祖国マケドニアの復興に力を尽くす。報われぬ相手にほのかな恋心を抱いているらしい。



マルス「ペガサス三姉妹のうち二人。成長率は良いんだけど…」


オグマ「別段無理して育てる意味も無かったですからな…カチュアが主力になってればまた別の意味で面白かったのですが」


マルス「?」



サムソン:戦いの後再び傭兵稼業に戻ったという。自らの主にふさわしい器量を持つ者にのみ仕えた。



マルス「戦場が無いのに傭兵家業とはこれ如何に」


オグマ「用心棒ならわかるんですけどね」



チェイニー:戦いの後何も告げずに去って行った。彼の正体をマルスが知るのは後の事である。



マルス「つまり次も僕に頑張れと」


オグマ「どこまでもついていきますよヘッド!」



エスト:戦いの中でアリティアの騎士に恋をした。今は一人の女性として幸せに暮らしている。



マルス「そろそろ戦いの中でラブロマンスか、と誰かの声が聞こえてきそうです」


オグマ「しかし三人姉妹の中で寄りによってこの子とは…アベル殿の趣味や如何に…」



チキ:バヌトゥの下で穏やかに暮らしている。時折、マルスとの旅をなつかしんでいるという。



マルス「宮殿に呼んであげた方が良かったかな」


オグマ「…知りませんぞ」



ロレンス:グルニアの王子をたてて自治を任される。だが、アカネイアと方針の対立があるらしい。



マルス「なんかトムス達といい、アカネイアの新体制とぶつかってる様子なんだけど」


オグマ「重い鎧戦士繋がりですよ多分」



エリス:マルスと共に故国アリティアに戻る。その後、国を率いるマルスの姿を穏やかに見守る日々を過ごしている。



マルス「思えば姉上あっての戦いだった気がするよ」


オグマ「まぁ 出だしが出だしでしたからね」



ガトー:ニーナの願いを聞き届けアカネイアの魔道を司る。人々は列をなして彼に教えを乞うたと言う。



マルス「そしてまた人を嫌いにならないといいんだが」


オグマ「なんかあっちこっちに伏線ありそうですな」


マルス「次もまたやる羽目になるのかな…」


オグマ「まぁ人気があるのはいい事ですよ。…これで全員ですかな?」


マルス「いや…僕が一番気になってる漢がなんか後回しになってるみたいなんだけど…」


オグマ「ああ うちの軍団の斧勇者ですな。えーと…?」






バーツ:アカネイア軍に参加するが後、軍を脱走する。海賊になったとの噂もある。







マルス オグマ「なにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」






ファイヤーエムブレム 新暗黒竜とマルス無双 


〜完〜




 

 

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