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俺の名は良司。










俺の名は良司。


勇者ロトの子孫でローレシアの王子。



長い旅の末についにハーゴンと呼び出された邪神を倒した。世界には平和が戻り、俺達の旅もついに終わりを迎えた。



…と とりあえず綺麗に始めてみる。



ぶっちゃけ最初から最後まで理不尽極まりなく、かつ、くだらない戦いの連続であった。


せめて最後の敵くらいまともであってほしかった。


なによあのコウモリの被り物。


「大神官ハーゴン様と知っての行いか!?」とかキレてたし。


いやぁまさかそんな奇妙な格好の変態がにっくき大神官様だったなんて夢にもおもわなんだ。


呼び出された邪神はなんか体育系で強かったが、ラリホーで寝るし。



まぁ なんだかんだでくだらないと思えるのも、神をも超えた俺の強さあっての事かもしれん。



つーかそう思わなければやってられん。


この旅で良い事と言えばサマンサのおっぱいとパンツだけである。


事も終わった事だし、サービスで見せてもらえないだろか縞パン。




サマンサ「見せるか(イオナズン)」


良司「うおー!?」


トンヌラ「…よくよく懲りないね…君…」



心で思っただけだぞちくしょう。

俺には妄想も許されんのか。



トンヌラ「とりあえずローレシアに戻る前にさ、あちこちに知らせてあげようよ」


サマンサ「そうね、まだ怯えてる民も多いでしょうし」



冒険の最中切羽詰った連中をあまり見なかった気がするが。基本的にどいつもこいつも余裕だった気がする。


海底洞窟の兵士とか特に。



良司「まぁ 親父にももう少しこの世への滞在時間を与えてやってもいいしな」


トンヌラ「…そこはやっぱり後で僕の話を聞いてもらってもいいかな…」


サマンサ「城に戻る前にカウンセリングかしらね」



とりあえずまずはロンダルキアの拠点となった祠の神父の所へ。
敵の本拠地に問題なく滞在してたり、回復してもらったりと是非仲間に欲しいおっさんだった。


中に入ると既になんだか嬉しそうな顔で待っている。



神父「よくぞハーゴンを打ち倒した!」



あ 知ってるのね もう。教えてないのに。


まぁ この親父ならなんとなくわかっちゃっても不思議はない。とりあえず話を流し聞きして祠を出る。


さて次はどこへ行こう。



良司「船でも返しに行くか」


サマンサ「ルーラでどこでも行けるしね」


トンヌラ「ルビスの祠とか海底洞窟とかは?」


サマンサ「ルビス様は全てご存知でしょう?」


良司「海底洞窟の連中は一生あそこにいればいい」


トンヌラ「放置かい…まぁ問題ないと思うけど…」



やばくなったら自力で出てくるべよ。

入れないところにどういうわけか入ってたし。

というわけでまずは船を返しに行くことに。


かなり痛んだが、まあしょうがあるまい。


というわけでルプガナへ。


ロンダルキアから程遠い筈の町。

ルーラでやって来た俺達より早く情報を知る術など無い。
しかし着いたらなんかみんな「ロトの子孫万歳!」とか言ってる。

なにゆえ。



サマンサ「あの神父が全国教会連絡網とか持ってるんじゃない?」



なるほど、それなら合点が行く。
というかそう思わないとおかしすぎる。

まぁ こういう事なら何度となくあったのでいちいち気にしてられん。さくさく船を返しに行くものである。爺のところへ行くと、娘さん共々大喜びで出迎え。


爺「あんたがたに使われて船も喜んどるじゃろう。もう船は使わんのかな?」


良司「ああ、もう旅は終わりだしな。それに三人でこの大きさの帆船の運用はきつい」


爺「じゃろうね」



なら貸すな。


とりあえず次。

すぐ近くのラダトームに飛ぶ。


早速武器屋を訪ねる。



良司「アレ(ラダトーム王)いる?」


武器矢の親父「(震えながら頷き上を指す)」



前にラダトームの王をぶん殴った時、必死に止めに入ったこいつも殴り倒したのでびびってる模様。
あはは 可愛そうに。とりあえず鍵のかかった二階のドアを開け放つと、飛び跳ねるように驚いてラダトーム王は壁に張り付いた。



ラダトーム王「そ…そなた達は…」


良司「ハーゴンは血祭りにあげてきたぜ」


ラダトーム王「ま…真か!?」


良司「真だとも。というわけで…」


ラダトーム王「というわけで…?」


良司「次はてめえの番だ(正拳)」


ラダトーム王「ぎょわー!?」


サマンサ「はい ストップ それくらいでいいでしょ」


トンヌラ「…(それくらいも良くない…)」



次。

竜王の城。



竜王のひ孫「おお!よくぞハーゴンを倒した!」


良司「あ やっぱ知ってんの」


竜王のひ孫「そりゃそうじゃ、ワシほどの者ならな。いや めでたい!歴史を振り返れば色々あったが、水に流そうぞ!
        これからはおぬしの事は良ちゃんと呼ぼう。ワシの事も気軽にリュウちゃんと呼んでくれてかまわんぞ わっはっはっは!」


良司「死んでも呼ぶか」



次。

あちこち街を回ってみる。

行方不明で記憶喪失のルークがザハンに帰っていた。

記憶を問い続ける毎日はまるで何十年も冒険していたようだったと語るルーク。その経験からこれからはスカイウォーカーと名乗る事にしたとか。

とりあえず殴っておく。


他にもあちこちへと寄ってみる。

みんな大喜びだ。

ちょっとだけ良い事をしてきた気になってきた。

そして一通り回った後…


ムーンブルクへと行くことにした。



サマンサ「…」


トンヌラ「ハーゴンは倒したけど…やっぱりここはこのままだね…」



そりゃ勝手には直らないだろう。

他人事のような気分の俺を引っ叩く事もなく、サマンサは城へと入っていった。もう、魔物の気配はない。



サマンサ「…ハーゴンを倒してまいりましたよ…」



なんか姫っぽい。
騙されるな、こいつは隙あらばイオナズンをぶっ放すアバズレ犬女だぞ。



トンヌラ「浮かばれなかった亡霊達もこれで安心して逝けるね…見てよ…」



ほら、とトンヌラが指を指した方向には兵士達の姿が。
軽く透けているのでみんな亡霊だろう。皆、笑顔で「ありがとう」と言っては消えていった。



トンヌラ「ムーンブルク王の魂は…?」


良司「あの自己紹介してくれた亡霊か」


トンヌラ「まだ残っているなら一目サマンサに…!」


サマンサ「…!? あ…!?」



サマンサの前にボケーっとまたなんか人型が現れた。
少し経つとしっかり人と視認出来るようになった。
ムーンブルク王である。



サマンサ「お父様…!!」


ムーンブルク王「見える…見えるぞ…!お前は王女サマンサ…!我が娘!!」


サマンサ「お父様!やりました!私ハーゴンを打ち倒しました!平和を守ったのです!」



一方的に俺が殺ったんだがな。



ムーンブルク王「よくやったのうお前達…これで心置きなくこの世を去れるわい」


良司「いや やったのはほぼ俺で、あんたんとこの娘は犬になったり、仲間にイオナズン唱えたり…」


サマンサ「(裏拳)お父様!私かならずムーンブルクの城を建て直して見せます!だから…!」


ムーンブルク王「うむ…わしはいつまでもそなたを見守っておるぞ。良司王子、トンヌラ王子とこれからも手を取り合い頑張るのじゃぞ…」


サマンサ「え。 …はい!」


良司「今の間は何だ!?」


トンヌラ「君等少しは場面考えたら!?」



俺達のやりとりが目に入ってないのか、気にしないようにしてるのか、満面の笑みで天へと上り始めたムーンブルク王。

あまりムーンブルク再建を期待しない方がいいと思うよ個人的に。


というわけで次。

順序的に勿論サマルトリア。


城へ着いた途端ダッシュのトンヌラ。
大喜びで父王の許へ急ぐ。

その横、更に早いスピードで俺が走る。



トンヌラ「良司!?まさかぁ!?」



サマルトリア城内、玉座の間。



サマルトリア王「おお!良司王子!よくぞハーゴンを打ち倒し…!」


良司「死ねぇええええええええええええええええええ!!(ハヤブサの剣抜き放ち)」


サマンサ「やめんかぁー!!(イオナズン)」


良司「ぐほっ!?」


トンヌラ「ありがとうサマンサ!(良司から剣を取り上げる)」


サマルトリア王「な、何事じゃ!?」


良司「(むくり)てめえこそロトの盾隠しとくとは何事だぁ!」


サマルトリア王「あ、あれか…あれはそのう…」


良司「その?」


サマルトリア王「鍵をなくしてのぉ…」


良司「中の爺は何だ(正拳)」


サマルトリア王「ぎょばー!?」


トンヌラ「うわぁぁん!やめてよぉ!良司やめてよぉ!」


良司「うるせええ!!役にたたねえ息子作りやがって!親子共々使えねえ!!(バキドゴ)」


サマルトリア王「ひふう!?はふう!?(ボコボコ)」


トンヌラ「ひどいやー!ひどいやー!!」


兵士と大臣「お…お止めくだされー!!」


サマンサ「…まぁベホマでなんとかなるから…」



とりあえず一通り殴ってすっきりしたところで、サマンサがベホマ。
体は治ったが、精神に重大なダメージを負ったサマルトリア王が消え入りそうな声で「良司王子をお送りしなさい…」と言った。

命があって良かったね。

ついでにトンヌラ妹の顔も見ていこう。



トンヌラ妹「あれー?さっきの音は何の騒ぎ?」



どこまで天然なのかこの家族。

あの阿鼻叫喚がこのとぼけた頭と耳には入ってこなかったらしい。



トンヌラ妹「あ!お兄ちゃんお帰りなさい!聞いたよー!!凄いねー!!私見直したよー!」


トンヌラ「こら 生意気だぞお前〜…」



トンヌラがなんだか元気ない声で、はしゃぐ妹をたしなめる。
目の前で父親が血祭りに上げられたのは流石にショックだったらしい。



トンヌラ妹「じゃあ早く良司王子を送ってきなよ!」


トンヌラ「うん…次はいよいよある意味最終決戦だしね…」



はっはっは 上手い事言うなこいつ。


そして…

いよいよ最後。

旅の始まりは終着地。


我が故郷ローレシアだ。



良司「ふ… 帰ってきたか…ふふふ…」


トンヌラ「りょ…良司…?」


良司「ふふふふ…あははははは…はは…はーっはっはっはっは!!ひゃーっはっはっはっはっはっは!!
   
…ぬふ… ぬふふふふふふふふふふ…うふふふぅ… … …さあ殺るか…」


トンヌラ「…サマンサ…いつでもイオナズン…今の良司なら剣無しでローレシアの王の頭を胴体から切り離すなんてわけないよ…」


サマンサ「ええ… 瞬きしたその瞬間潰れたトマトのようになるでしょうね…」



ゆっくりと城内へ足を踏み入れる。

するとなんか民も兵士も並んで出迎えている。これから国王の血の涙で国中が染められるというのにおめでたい奴等だ。



良司「はっはっは〜…この並びに親父の頭を放り込んだら大歓声だろうなぁ」


トンヌラ「良司…それは歓声じゃなくて悲鳴だよ…」



ゆっくりと階段を上がる。

一歩一歩。

右手に全ての殺意を込める。

邪魔するなら全て殺してしまおう。


皆殺しだ。

女も子供も神父も妊婦も

俺一人で墓を掘る。

掘っても掘っても足りないくらい。


掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても
掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても
掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても
掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても
掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても
掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても掘っても


殺意テンションMAX。

今ならちょっと苦戦したシドーを一撃で殺れそうな気がする。


玉座の間に踏み込む。

さあ フィナーレだ。



ローレシア王「よくぞ戻った!良司よ!我が息子よ!」



何が我が息子だ。貴様の息子であった事を恨み通した旅だったぜ。その根源となった貴様は当然もっと憎い。こんなに人を憎んだことはねえ。
どれくらい有り得ないかつったらスライムを水枕として売りに出したら大繁盛くらい有り得ねえ。
よく今まで生かしておいたもんだぜ我ながら。だがここで貴様の王様ライフはジ・エンドのようだぜ!


親父の声が耳に入った刹那、そんな事が一瞬で駆け巡った。
と同時に踏み込んで殴りかかる俺一陣。

兵士は勿論、トンヌラとサマンサも間に合わない。



良司「死…!!


ローレシア王「褒美に海に沈んだ財宝の事を教えてやろう



ぴたり。

財宝…だと?


ローレシア王「なんでも大量の金銀財宝が沈んでるとかいう話じゃ。お前なら場所が分かればすぐ見つけ出せよう」


そういや旅の途中でそんなのを探してる奴がいた。

どうせ与太話だと思って、別段気にしないで先に進んでここまで来てしまった。




良司「…どこでそんな話を?」


ローレシア王「元は唯の噂だったが、気になっての。国をあげて捜査に当たった」


トンヌラ「僕達が命がけの旅をしている最中に…」


サマンサ「この親にしてこの息子ありね…」


ローレシア王「どうじゃ?全てお前の物にしてもかまわんのじゃがのー もし殴られちゃったりしたらワシみんな忘れちゃうかも〜」



良司「…」


トンヌラ「…息子を買う気だ…」


サマンサ「金と恨みの一騎打ちね…」



ぬう 困った。

俺は今まで憎しみであらゆる困難を潜り抜けてきた。
しかし、憎しみに勝るとも劣らない力の源、強大な魅力が現れた。



良司「ぬぬ…ぬぬぬぬ…」


トンヌラ「…悩んでる…」


サマンサ「欲と本能でしか動いてないわけ…この男は…」



悩む。

正直悩む。

今すぐ親父に鋼鉄をぶち込みたい。

しかし確実な情報源が失われてしまう。
船も返しちまったし、自力で1から探すのも…

うー…大事な物はどちらか。

金か憎しみか。憎しみか金か。

金。憎しみ。憎しみ。金。金金。憎しみ。金。憎しみ。金金金金金金金憎憎憎憎金金憎憎憎憎憎憎金金金金憎憎憎憎憎憎憎憎憎




良司「うおー!!!


一同「びくり」



良司「(手を差出し)財宝無かったら殺すぜ?親父」


ローレシア王「ふっ やらいでか(同じく手を差し出す)」



商談成立。
俺と親父は固く握手をした。

憎しみが何だというのだ。金で買えないものは無い。



トンヌラ「…買われた…」


サマンサ「最低な勇者様ね…」


トンヌラ「ってか王子なんだから国税という莫大な収入が…」


サマンサ「シッ。今は凄惨なリンチを防いだと思えばいいの」



なんか二人でコソコソ話してるが、俺は気にしない。

あー 早くお宝見たいなぁ。



ローレシア王「さあ!今宵は宴じゃ!トンヌラ王子もサマンサ王女もこちらへ!」


トンヌラ「…行きたくない…」


サマンサ「…同じ空間で息をしていたくないわ…」



ぱーぱらっぱっぱっぱ ぱっぱっぱっぱっぱっぱ
ぱっぱっぱーぱっぱっぱー ぱっぱっぱー


浮かない二人を他所に、兵士達がラッパを吹き始める。
なんかみんな「あー 良かった良かった」という顔をしているような。




良司「さて サマンサ」


サマンサ「あによ」


良司「財宝の一部をムーンブルク再建の費用にあててやるから…」


サマンサ「から?」





良司「脱げ




サマンサ「死ね








ドラゴンクエストU 悪霊の神々 〜完〜

 

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