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マルスより、ラーマン神殿進軍中


ついに悪逆非道の卑劣漢、ラングを打ち倒した我がアリティア一行。

囚われていたウェンデル司祭の願いの為、ラーマン神殿へ向かうこととなった。

ラーマン神殿といえば、先の戦争で二つのオーブを入手し、神龍の娘チキと出会った場所。

今回もなにか収穫があればいいのだが…



オグマ「マルス王子、ラーマン神殿に再び赴くことになるとは、これも因縁ですかな」

マルス「うん…ハーディンの事といい、オーブの事といい… 元より国家間の問題じゃなかったのかもしれない」

オグマ「…何かしらの大きな力が働いてると…?」

マルス「ウェンデル司祭のおっしゃったことが本当なら…恐らくは…」

リョウジ「マルス様!!」


久しぶりにオグマと真面目に話してたら、斥候のリョウジが急いで戻ってきた。

何か厄介な事態を見つけてしまったのかしら。僕の人生は常に難易度最高です。


リョウジ「敵が待ち伏せております。件の暗殺団と思われます。急ぎ戦闘態勢を」

マルス「…何度となく退けたというのに…何者なんだ奴等は…」

オグマ「今は連中の正体を考えてもしょうがありません。打ち倒し突破せねば。よく知らせてくれたなリョウジ」

リョウジ「なんでおっさんがドヤ顔して俺に口聞いてんだよ!!ジェイガン殿みたいに引退してアドバイス役にでもなったか、あー!?」

オグマ「やかましいわ小僧!!昔から王子と私で事態を進行してきたのだ!これが正しい形なのだ!!」



そんな正しさを望んだ覚えはない。



とりあえず敵を迎え撃たねば。全軍戦闘用意ー。



マルス「敵の規模はどれくらいだい?」

リョウジ「数は多くはありませんが、川を挟んでの橋を渡した地形が多く、戦いづらくなるかと…」

マルス「となると待ち伏せて叩くのがよさそうだね…」

リョウジ「いつも通りですね」



そうですね。



マルス「そういえばカチュアも一緒に行ったんだよね?まだ戻ってないのかい?」

リョウジ「はっ、なにやら気になることがあると、上空から偵察を続けております。間もなく戻ってくるかと…」

マルス「気になること…?」


はて、暗殺団に知り合いでもいたのか。

シーダといい、カチュアといい、ペガサス乗りの女の子にはやたら感が働くのがいるからな。

スーパースカウトタイムか。

と、そんな事を考えてたら、上空から羽音が。カチュアの帰還である。


カチュア「マルス様」

マルス「おかえりカチュア、無事でなによりだよ」

カチュア「ありがとうございます。まずはご報告が」

マルス「リョウジから聞いているよ、なにやら気になることがあったんだって?」

カチュア「はい、実は暗殺団の中に…」


やっぱり知り合いか。

歪みない進行具合である。


マルス「以前の仲間がいたのかい?全く、なんで暗殺団なんかに…(ぶつぶつ)」

カチュア「それが…シーザとラディの二人です。傭兵として雇われたのではないかと…」



なにー!?

あの二人まだつるんで傭兵やってたのか…

彼等には前の戦いで、逃走を助けてもらった恩がある…

特にシーザは最終戦まで頑張ってもらったし…

う〜ん…これは戦いたくないぞ…



マルス「いつものように説得出来ればいいんだけど…」

リョウジ「それは難しいかと思います。マルス様が相手と知って仕事を受けたのではないかと…」

オグマ「シーザは実直な男。プロとして誇り高いですからな。簡単にあちこち転がったりはしないでしょう」

マルス「参ったな…」


しかし、二人と戦いたくないからといって、歩みを止めるわけにも行かない。

どうにか彼等の命を奪わずに済む方法はないものだろうか…


リョウジ「マルス様。意見を申し上げてもよろしいでしょうか」

マルス「え?うん、何か策でもあるのかい?」

リョウジ「はっ、彼等を傷つけずに済ませるならば、雇い主である暗殺団をまず倒してしまえばよろしかろうかと」

オグマ「ふむ、雇い主がいなくなってしまえば、彼等もそれ以上の戦闘を行う理由もなくなりますな」

マルス「しかし、連中も手ごわい。シーザー達の攻撃をかわしながら奴等だけを倒すなんて、味方に被害が出るのを避けられない」

リョウジ「地形を利用し、橋の上で敵の進行を食い止めます。北側の敵から倒して突破口を開き、敵陣へ飛び込みましょう」

カチュア「上手く敵を崩したなら、シーザとラディだけ囲んで動きを封じる事も出来るかも…」


ふむ…難しいが、彼等を傷つけずにここを突破するにはそれしかないか…

しかし…


マルス「でも、北側の敵を叩くのに、南と東と西の橋に壁が三人は必要だよ。僕とリョウジとパオラで壁やったら敵を引きつけて次々倒せる人材がいないよ」

オグマ「この勇者オグマでもかなり厳しいですな…」


お前は初めから数にも入ってない。


リョウジ「それでしたら、前回クラスチェンジによって永久機関を身につけた女子に任せればいいかと…」

マルス「え?」

マリーシア「はーい♪マリーシアがんばっちゃいますよ☆」



…こいつがいたか…

連続リザイアで屈強なアーマーナイト達から次々と生気を奪っていったっけか…

しかし、いくら強いからと言ったって、元シスターを前線に立たせるのってどうなのよ…



カシム「女性専用の反則武器持ってるし、情けなんかかけずに放りこんどきゃいいんですよ」



ろくでもない物言いだが、ちょっと納得してしまったので、そんな感じで進軍開始します。



とりあえず、僕とリョウジ、パオラで武器を外して橋の前で待機。

向かってきた敵を足止め、しつつ固定。

その間、北の橋の前に待機したマリーシアに次々と敵が襲いかかるが、その度に生気を吸われて倒れていった。

その度にマリーシアの肌はイキイキと潤いを得てみずみずしくなっていく。実に効果的な美容健康法ですな、全く。


大分数が少なくなったところで、シーザとラディの顔が見えた。

次々と仲間を倒されながらも、臆すること無く、こちらへ向かってくる。


マルス「シーザ!!」

シーザ「マルス王子…!」

マルス「剣を引くんだシーザ、もう勝ち目はない」

シーザ「私はプロです。まだ請け負った仕事は続いている」

マルス「彼等が何者か知っているのか?」

シーザ「傭兵に雇い主の素性を知る必要はありません。ただ、金の為に戦う。支払いさえあればそれが戦う理由です」

マルス「そうか…わかった…なら!!」

シーザ「…!!」


守りに徹していた僕だが、ここで剣を抜き放ち構える。

その動きにシーザもまた、身構える。

しかし、


マルス「リョウジ!敵本陣へ突撃だ!!あの趣味の悪い仮面男を思い切り叩くんだ!!」

リョウジ「了解!!待ってましたぁ!!」

シーザ「え!?あ…ちょ!?」


(シーザの肩を何者かがポンポンと)


シーザ「…!?」

バーツ「おっと旦那、大人しくしてもらいましょう。なに、悪いようにはしませんぜ」


バーツとカチュアでシーザを橋の中央に挟んで固定。

一方ラディもオグマとパオラに挟まれてどうにもならなくなっている。

二人がかりならオグマでもなんとかなるんですね。


困惑する二人の傭兵を尻目に、僕とリョウジは敵首魁の首を狩る為突撃。


マリーシア「お二人とも素敵ー☆頑張ってー!!」


すっかり肌がツヤツヤになったお嬢さんの応援を横に、仮面の男「ローロー」の懐へと入った。


リョウジ「どっせい!!」

ローロー「キョ…!?」


ローローは喋る間もなく、コルクをビンから抜いた時に出る音みたいな声を出して絶命した。


そのまま僕が砦を制圧。攻略である。



シーザ「…」

マルス「これで雇い主はいなくなったね、シーザ、ラディ」

ラディ「やっぱ流石ですね王子…でもこれで…シーザの…」

シーザ「やめろ、ラディ」

マルス「どうしたんだい?なにか事情でも?」

ラディ「…」

リョウジ「マルス様がお尋ねになっている、答えろ」

マルス「いや、いいんだリョウジ。シーザほどの男だ、余程の事情があっても誰かの情をかうような真似はしないだろう。話せないならそういうことだ」

シーザ「王子…」

リョウジ「どっかのアホに爪の垢でも煎じて飲ませたいですぜ…」

カシム「(びくっ)」

マルス「では改めて、僕らと再び戦うつもりはないかい?シーザ」

シーザ「…お気持ちは嬉しいが、我等はプロ。失礼ながら王子は今や逃亡の身。我等を雇う程の余裕は無いとみえるが?」

オグマ「無駄飯食らいも大勢抱えてますからな!!」


お前とかな。


マルス「…確かに今はそうだけれど…必ず城は取り戻す。そしてその時に君達への報酬を約束しよう。必ず」

シーザ「…わかりました。微力ながら力添えを致しましょう。しかし、望みなしと見た時にはすぐに軍を去るつもりです。お忘れなきよう」

カシム「馬鹿だな〜そんな真面目ぶっちゃって。いつでもどこでもお金だけ受け取ったらタイミング見計らってとんずらすれば…」

シーダ「(ビンタ)」

カシム「ぐわっ!?」 


 


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