マルスより、オルベルン城突入前
祖国解放の為、手始めにグルニアへ進軍した我らアリティア軍一行。
場外の戦いを制し、グルニアの拠点、オルベルン城を落とすのみとなった。
ここを守るは、卑劣極まるあの男、ラング。
数々の奴の非道、許すわけにはいかない。
僕自らの手で、必ずや奴に引導を渡してみせよう――
リョウジ「おらー!!出て来いハゲー!!今出てくれば百発ぶん殴るだけで済ませてやんぞ!あぁー?!コラー!!」
城内に入るなり、ハッスルな我がアリティアの超戦士。
騎士としての品格を問われる、というか間違い無く騎士失格な恥ずかしい脅しが城内に響く。
とりあえず、君に百発もぶん殴られたら、剣で斬られずとも、間違い無しに死ぬと思う。
リョウジ「出てこねえな…くそ…」
マルス「降伏の様子はないようだね」
カシム「だから焼き討ちしたほうが絶対早いって…」
シーダ「(ビンタ)」
カシム「ぐわっっ!?」
定番のシリーズです。
リョウジ「あのハゲの事ですから、援軍とかに期待してるんじゃないでしょうか」
オグマ「ふっ 自分自身では何もしないくせに偉そうなあの男らしい」
お前が言うな。
マルス「まぁ卑劣漢には卑劣漢らしい最後を迎える事になることを教えてやるまでさ。全軍オルベルン城内へ突撃!!」
オグマ「いつになくお怒りですな王子!貧弱な魔道士とかは私にお任せあれ!」
リョウジ「すっこんでろおっさん!!」
なんかもう思考が停止の方向へ走ってます。
さあー今日も元気に進軍だー
入って左のフロアから敵アーマーナイトと魔道士に司祭がやってくる。
狭い通路におびき寄せ、例によって僕が壁。
魔道士に焦がされた後、アーマーナイトにつつかれては反撃。あ、ちなみに僕、総大将ですからね?
オグマ「王子!危なぁぁぁああい!!」
適当に削ったところを、アーマーキラーをぶら下げたオグマが喜び勇んで飛び出した。
僕に殴られて怪我したアーマーナイトが、アホの追撃で絶命。
オグマ「見たか!正義の剣!!」
うん、凄いねアーマーキラー。オグマでも倒せるんだもんね。リョウジだったら鉄の剣で十分だったのにね。
リョウジ「ずりゃあああ!!」
続いて飛び出す超戦士。
魔道士の首が黒ひげ危機一発みたいにポーンと飛んでった。
マルス「よし!総員リョウジに続け!!」
オグマ「最初に切り込んだ私をお忘れなく!!」
うるせえ。
パオラ姉様達が続いて飛び込んで、左フロアの敵を殲滅。とりあえずの足がかりが出来た。
シーダ「マルス様、城門より何者か来ます!」
マルス「なに!?増援か!?」
リョウジ「いや…!わずかに二名です!増援にしては少なすぎるような…」
見るとソシアルナイト一騎と、弓兵が一人こちらへやって来る。あれは…
フレイ「マルス様!」
ノルン「マルス様!ご無事で!!」
…
誰!?
リョウジ「フレイ殿!ご無事でしたか!!」
あ そっかフレイだ。
もう一人の女性はノルンだったか…配下の兵士のはずなのに、なぜだかいまいち記憶にないよ。なぜだろう。
ゴードン「無事にアリティアを脱出出来たんですね!」
フレイ「ああ、我等はなんとか…城を捨てての体たらく…申し訳ありませんマルス様…」
マルス「何を言うんだい、無事で何よりだよ。それに全ては僕の責任だ。辛い思いをさせたね」
フレイ「マルス様…」
ノルン「マルス様、背後より敵の増援が迫っております。このままでは挟み撃ちになります!」
リョウジ「やっぱり援軍呼んだかあのハゲ」
マルス「まぁ 織り込み済みだよ。こっちのフロアは制したし、ここを中心に上手く立ちまわって増援から叩こう」
バーツ「エントランスに続く三つの狭い通路を利用したいところですね」
マルス「よし。僕とパオラで広間へ出て奥へと引き込むよ。敵が奥へと入ってきたら、リョウジは入口側の通路へ後続をおびき寄せてくれ。三つの通路それぞれに敵を引きこんで叩こう」
リョウジ「ハッ!」
とは言ったもののうまくいくかどうか。
敵増援はソルジャーとアーマーナイトがほとんど。ちょびっといる弓兵がうざそう。
一応まずは僕が出て、引き寄せて奥の通路へ。
後退しつつバシバシ叩いて通路へ引きこむと、なんかゾロゾロ付いてきた。アホだこいつら。
パオラがもう一つの通路から顔を出すと、そっちへもゾロゾロ流れる。
弓だけは気をつけてください姉様って言おうとしたところで、リョウジが飛び出して弓兵を殺害して手前の通路へ逃げてった。
恐ろしいヒットマンぶりである。
そのまま数を調整しつつ、回復と交代しながら、敵を通路内で足止めし確実に減らす。
オグマ?ほとんど見学です。
増援が来なくなったところで、総攻撃。
増援部隊を殲滅完了。
リョウジ「ふー…一段落だな…ハゲめ、めんどくせえ真似させやがって」
カチュア「右のフロアが大人しいですね。多少敵がいるようですが」
パオラ「宝物庫のようですから、それを守っている兵士が少数のようです」
マルス「ではその回収と殲滅をすませてから玉座の間だね」
リョウジ「いよいよハゲの最後ですね。くくく…待ってろよハゲ…」
ヒーローがクククとか笑わないで下さい。
マリーシア「マルス様ー」
さあ行こうと思ったところで、なんか頭の弱い子が話しかけてきた。
マルス「どうしたんだい?マリーシア」
マリーシア「マリーシアついにレベル20になったんですよー☆がんばりました!ほめてほめて♪」
おや、そういえば引っ切り無しの回復だったもんな。
レベルもあっという間に上がるか…
マスタープルフもまだあるし、クラスチェンジしてもらおう…
マルス「頑張ったね、マリーシア。これをあげるから、クラスチェンジして、さらに活躍を期待するよ」
マリーシア「やん!マルス様ったら☆マリーシア困っちゃあう♪」
シーダ「…」
マリーシアが困っちゃうようなことは微塵も含まれてないが、嫁の目が怖ぇ。
というわけで、部隊は多少左のフロアに残して、右へ進軍。
宝物庫に居た魔道士はバーツにすぐに頭をかち割られた。可哀想。
玉座へと続く、扉の前には壁の向こうに司祭が二人。
聖水をかぶったパオラの手槍と司祭になったマリーシアがリザイアで倒す。
マリーシア「この魔道書便利〜」
リョウジ「ダメージ受けてもすぐ回復するな…」
マルス「女の子を前線に立たせるってどうかと思うけど、突っ込み要員に最適だね…」
倫理的にどうかはともかく、魔導書が続く限りほぼ鉄壁である。
さて、これで玉座の間以外のフロアは制圧。
いよいよ扉の向こうへ突入だ。
マルス「右と左で班を分けよう。僕とリョウジはこのまま右から入る。パオラは悪いけど左の班の指揮を取ってくれ、突入のタイミングは任せる」
パオラ「かしこまりました。では突入し、制圧が済み次第、カチュアを伝達に飛ばします」
そう言って姉様は即座に左フロアへお戻りに。本当によく出来た姉様です。
ジュリアン「んじゃまずはこっちから開けるぞー」
マルス「うん、頼むよジュリアン。リョウジ!先駆けは頼むぞ!!」
リョウジ「はっ!!」
扉を開け放ち、突入すると勇者と魔道士が。
なかなか手強そうに見えたが、リョウジにあっさり首を飛ばされた。恐るべしリョウジ。
魔道士は僕でサックリ始末。この部屋の制圧は完了。
ジュリアン「流石だなお二人さん。向こうはどうかねえ」
マルス「パオラとバーツがいるから大丈夫だと思うけど…」
リョウジ「ですね。パオラさんいますしね」
ジュリアン「(オグマさんガン無視だな…)」
カチュア「マルス様!」
マルス「おや、君が来たってことは向こうも無事制圧完了?」
カチュア「ええ、オグマさんのおかげで…」
マルス「え」
なにぃいいいいい!!?奴が活躍したとでも言うのか!?
彼はキラー装備がなければ何も出来ない男だと思っていたのに!!
カチュア「あ…いえ…中に昔の知り合いがいまして、その方とはオグマさんの説得のおかげで戦わずして済んだという話で…」
マルス「なーんだ」
リョウジ「そりゃそうっすね、あのおっさんにそんな真似出来るわけないですし」
カチュア「他にいたスナイパーと魔道士は姉様とバーツさんが叩きました…」
あっはっはっは、と笑う一同。
我がアリティア軍は基本的にオグマ全否定です。
マルス「それでその知り合いというのは?」
カチュア「サムトーさんという方で、剣闘士時代の仲間らしいです。…ナバールさんの名前を語っていましたが…」
マルス「…」
ジュリアン「(ついに言葉も無くなったか王子…)」
そんな奴入れて大丈夫なのかとか、あんな奴の名前を語ってどうすんだ、とか色々言いたいことはあるが、なんかもうめんどくさい。
さあ〜後はハゲだけだー。
リョウジ「流石に玉座周りは固めてますね。ふんハゲめビビってやがる」
マルス「かなり強固だね、油断はできないよリョウジ。攻め手を少しでも間違えたら…ん?マリーシア?」
マリーシア「あの頭の薄い人が、うちの村から色々奪ってった人ね!ちょっと懲らしめてきます!」
ちょちょちょ こんな場所で何言っちゃってんのこの娘。
いくらリザイアあるからって…
しかし構わずズカズカ入っていく、花も恥じらう若き乙女。
当然護衛のアーマーナイトが剥いて犯さんばかりの勢いで襲ってくるが、次々とリザイアに生気を吸われて倒れていった。
マリーシア「さあ!残りはあの頭の薄い人だけね!」
すっかりお肌がツヤツヤになったマリーシアが、予告ホームランばりにラングを指さす。
マリーシア…恐ろしい子…!!
リョウジ「待ってくれマリーシア、このハゲはそう簡単に殺らせるわけにはいかねえ」
ラング「た、助けてくれ!!わ、わしは皇帝に言われて仕方なく…!!」
リョウジ「おーおー、お決まりのセリフだなぁ。マルス様、こいつどう…」
ラング「…と見せかけて…死ねええ!!」
リョウジが後ろを向いた瞬間にすかさず槍で突きにいくラング。
この辺もお決まりすぎるどこへ出しても恥ずかしくない卑劣漢。しかし、そんな手段はうちの超戦士には通じない。
リョウジはサッと避けて、槍をつかんだ。かっこいい。
オグマ「救いようがない男だな…ラング」
お前が言うな。
ラング「あわわわわわ…」
リョウジ「さて、マルス様。どのように?」
マルス「…」
この男だけは僕が自らの手で、決着を付けるつもりだったが…今はそれではぬるいように思える。ここはやはり…
マルス「バーツ」
バーツ「へい」
マルス「かつての感を取り戻すといいよ」
バーツ「あいさー」
スチャっと斧を構えるバーツ。
「こうかな?ん?間違ったかなぁ〜?」と確認しながらラングを叩き始めた。
今までの悪行に相応しい最後である。
そんなこんなで、ラングがミンチになり、オルベルン城攻略は終了。勝利である。
マルス「さて、ここでしばらく休息をとろう。ラングは倒された事を民にも知らせてやるんだ」
ジュリアン「マルス王子ー」
マルス「ん?どうしたのジュリアン」
ジュリアン「いや、奥に見た顔が閉じ込められてたから連れてきたんだけだけど…」
ウェンデル「マルス王子、お久しゅう」
マルス「ウェンデル司祭!良かった、ご無事でしたか。マケドニアの村から連れ去られたと聞いて心配していたのです」
ウェンデル「ラングは私がグルニアの反乱に協力したと言って捕らえに来たのです」
マルス「でも カダインの最高司祭である、あなたの力をもってすればラング将軍など恐れる事はないはずでしょう」
ウェンデル「私は魔道を戦いに使うことは好まない」
前の戦いでは弟子に向かって思い切りサンダーかましてたじゃねーか。
ウェンデル「それに魔法都市カダインはマリクやエルレーンなど若い者達に預けました。それより私には大賢者ガトー様から与えられた大事な使命があるのです」
マルス「ガトー様の使命?そのお仕事の為に司祭は大陸をめぐっておられたのですか?」
ウェンデル「そうです…かつて12星座が描かれた星のオーブという聖玉があったのはご存知ですね」
そりゃまぁ自分で集めて持って行きましたから。
ウェンデル「ガトー様はガーネフの暗黒魔法を破る為にそのオーブからスターライトという神聖魔法を作られた」
リョウジ「ガーネフを倒したという星と光の魔法か…」
ウェンデル「だが、その時のショックでオーブは12個のカケラに分かれ、何処かへ飛び散ってしまったのです」
オグマ「よく12個ってわかったな」
ジュリアン「目が良かったんだろ」
ウェンデル「ガトー様はこの世界は不思議な力を秘めた五つのオーブによって守られていて、もし一つでも失われると世界は破滅すると言われる。そして星のオーブが砕けてしまった今、世界は滅びつつあると言われるのです」
…以前作った時にそんな事聞いてねーぞ…
あのオッサン、やばいと思ってその場は黙ってたのか…?
ウェンデル「だからなんとしても星のカケラを12個集めてオーブを再生せねばならぬのだと。だが、残念な事に私は囚われて、折角集めた星のカケラも帝国軍に奪われてしまった」
魔道を争いに使うのは嫌いとか言ってる場合じゃなかったんじゃねーか。
ウェンデル「マルス王子、もはや私一人では無理だ。出来れば力をお貸し願えないだろうか」
初めからあなたでは無理だったんではなかろうか。
ここで嫌です、と言える奴がいたら見てみたい。
マルス「…世界が滅びるなんて突然言われても僕には信じられませんが…だけど星のカケラとおぼしき物は既にいくつかは僕が持っています(所持してるカケラを見せる」
ウェンデル「おお 流石は王子。それこそ星のカケラに違いありません」
マルス「アリティアをとり戻した後で良ければ残りのカケラやオーブを探すお手伝いもいたしましょう。出来ればそれまではお待ち願えませんか」
ウェンデル「そうでしたね…王子の国はアカネイアに攻撃を受けたのですね…申し訳ない…それなのに勝手な事ばかり言ってしまった。王子、わかりました…アリティアをとり戻す為にこの私も戦いましょう」
マルス「えっ 司祭が僕達の為に戦って下さるのですか。でもガトー様の使命は…」
ウェンデル「こうして王子に会えたのもガトー様のお導きのように思える。ならば運命に身をゆだねるべきでしょう」
リョウジ「(ぼそり)ってかそれなら初めからラングを退けていただけなかったのかと…」
全くだ。
ウェンデル「ただ、この先にあるラーマン神殿には寄ってくだされ。あの古代の神殿なら失われたオーブや星のカケラを見つけられるやも知れぬ」
マルス「わかりました、ラーマン神殿ならアリティアへの帰り道。すぐにでも行きましょう!!」
カシム「あ でも休憩はさせてくださいよ?折角城入ったんだから、しっかり休ませてくれないとやってらんないっすからね〜」
シーダ「(ビンタ)」
カシム「ぐわっ!?」
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