俺の名は良司。
俺の名は良司。勇者ロトの末裔で末代予定。
いやもう勇者とか血統とか馬鹿じゃねーの。
ご先祖は立派だったかもしれないが、子孫も同じなんてそんなわきゃねーだろって。
俺の馬鹿力も憎しみの産物であって、ぜってー血筋関係ねえよ。
何もかもぶっ壊してやりてえ、この衝動が俺を支えてる唯一の力。
憎む事によって今を生きる力が湧く、これ重要。
それがあるからこそ今、この地ロンダルキアという最終決戦の大地に俺は立っているのだ。
待ってろハーゴン、もうすぐ貴様の頭蓋に鋼鉄をぶち込んでやる。終わったらうちのアホ親父にも同様に。
しかしあーもう 寒ぃなここ。
サマンサが人肌で暖めてくれたりしないかしら。
サマンサ「死んでも断る」
例のパターンによって心が読まれた。
もう俺は驚きませんよ。そこにいるだけでセクハラってくらい妄想でも繰り広げてやろうか。
サマンサ「早く山下りたいなら出会い頭すぐにハーゴンに鋼鉄をぶち込んで頂戴な。そうすりゃもう最終目的クリアーよ」
俺が考えた事とは言え、なんとも物騒なお姫さんである。
ロトの血を引く聖なる少女というイメージは微塵も感じられない。
トンヌラ「いや…敵の本拠地のど真ん中くらいいつものペースやめようよ…手を取り合って気合を入れたばかりなんだし…」
そういうトンヌラ自身もいつもと同じペースで苦言。
そういや敵の城のど真ん中だったではないか。
親父の幻とか気持ちよくぶった斬ったばかりだったので、いまいち危機感がなかった。
あー 本物じゃなくてヨカッタァ。
良司「ふん かといってどいつもこいつも俺にかかればイチコロだがな。ふ 強くなりすぎちまった自分が怖いぜ」
サマンサ「脳みそはバブーン並なのにねえ…」
サイクロプスとかに引き渡したら、慰み者とかにされちまわねえかなこのクソ女。
トンヌラ「だけどさっぱり上に続く階段が見つからないね。あらかた散策したはずなんだけど」
良司「いちいちバリアーが設置されてて歩きにくくてしょうがねえよな ここ」
サマンサ「無敵の力馬鹿王子も魔法に頼らざるを得なかったわねえ」
いちいち一言多い小娘よりも、一個10G以下の薬草と旅をする方が良かったかもしれん。
サマンサ「とにかく知恵を絞らないとね。なんらかのしかけがあるって事でしょうし。魔法なりからくりなりね」
トンヌラ「竜王城では玉座の後に隠し階段があったけど…」
良司「いちいち怪しげなもの引っぺがして探して回るのか?効率悪いな」
サマンサ「知恵を絞らないと、って言ったばかりでしょ?トンヌラが言ったのは方法の一つでしょうが」
良司「ふん、知恵ね…」
周りを見渡すと、ちょっと後通りますよ、という感じでコソコソ歩いていたアークデーモンを発見。
とりあえずひっとらえました。
アークデーモン「ひぃいいいいい!!お助けー!」
良司「ハーゴンのとこにはどうやって行けば良いんだ?」
アークデーモン「そ…それは…」
良司「しゃべらないなら別にいい。これから次々と仲間がお前と同じ場所に
行く事になるだろうが、せいぜい向こうで仲良くやりな」
アークデーモン「ノォオオオオオ!?言います言います!あの床に描かれた十字の中央で邪神の像を使うんです!邪神の像はお持ち…あべ!?」
情報が手に入ったのでさっくりと二連撃。
魔物ごときを生かすつもりは最初から無い。
トンヌラ「…(勇者どころか人間でもない…)」
サマンサ「馬鹿ね、ちゃんと確かめてからにしなさいよ」
トンヌラ「…(妹よ、お兄ちゃんは今魔物より魔物っぽい人達と最終決戦に挑もうとしているよ…)」
良司「さて とりあえず早速試してみようぜ。邪神の像は?」
トンヌラ「僕が持ってるよ。まさかまた使うとは思わなかったけど…」
アークデーモンの亡骸に軽く合掌してから、トンヌラは十字の中央に邪神の像を置いた。
すると、上の階への階段出現。
いよいよ本丸へ攻め込む道が開かれた。
良司「よーし 確かな情報なようじゃねえか。トンヌラ、先に行って罠じゃないか確かめて来い」
トンヌラ「なんで僕が!?」
良司「とりあえず死んでも戦力的に問題がなさそうだし」
サマンサ「止めなさいよホントの事言うのは」
トンヌラ「君も酷いよ!?」
ダブルの役立たず通告に泣きそうなトンヌラ。
一生懸命半端な呪文を使えることをアピールして、自分を肯定しようとしている。ウケる。
良司「そうだな、お前にしか出来ないメガンテがあるな。強い敵とか待ち構えてたら華々しく、な(肩ポム」
トンヌラ「死ねってか!?」
サマンサ「それもいい案ねえ。でも…良司と二人きりのパーティなんてゴメンだし…(杖構え
普通にあんた行って来なさい(イオナズン」
良司「ぬおおおおおおおおおおおおお!?」
上まで吹っ飛ばされました。
とりあえず罠はなかったとです。
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