俺の名は良司。
俺の名は良司。勇者ロトの末裔、ローレシア王国の王子だ。
呪いにより犬されてしまったムーンブルクのサマンサ王女を元に戻すべく、
必要なラーの鏡を見つけ出し、街に戻ってきたところだ。
日もすっかり落ち、体中泥だらけになってしまったので一度仕切りなおし。
昨日泊まった宿へとまた向かった。すると…
「ん?昨日の犬だな」
トンヌラ「随分僕達になついたねぇ」
昨日風呂に入れてやった犬が足元に寄って来た。
「もしかしてホントにこいつだったりしてな」
トンヌラ「とりあえず鏡に映してみないとわからないね」
「しかし鏡も泥だらけだな、一度洗わないと映せやしないぞ」
トンヌラ「そうだね、とりあえず宿のお風呂で洗わせて貰おうよ」
「そうだな。っと… よしお前もまた来るか?」
撫でていた犬がビクンと一瞬動きを止め、そしてその場から逃げ去ろうとする。
しかし回り込まれた。
トンヌラ「あはは〜 もしホントにサマンサ王女だったらどうすんのさ〜」
「(犬を抱き上げ)いやっはっは 責任とるしかないんじゃないのぉ」
宿に入り親父に挨拶。そしてそのまま風呂へ
昨日よりずっと強く暴れる犬。
その身がちぎれんばかりに懸命だ。
「コラコラ 人が折角洗ってやろうというのに」
トンヌラ「鏡も綺麗にしたら見せてやるからねぇ」
風呂場へつき脱衣完了。洗剤セット。
犬を桶に突っ込み、鏡に湯をかける。
聖なる鏡が今輝きを取り戻す。
犬は依然激しく抵抗中。
「よーし ためしに映してみようぜ」
トンヌラ「これでビンゴだったらホントどうすんですかぁ」
角度良好 犬の姿を鏡に映す!!
すると…鏡には犬が映ってはいない!!
映っているのは…
カシャアアアアアアアアン!
ラーの鏡が割れて砕け散る!
呆気に捕らわれる俺達が次に瞳に映したのは…
…
…
┌| . |┘ ・
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サマンサ「…」
男二人「…」
サマンサ「…(無言で風呂の戸を指差す)」
男二人「…(無言で退場)」
102号室に泊まってますんで入浴終わったら来て下さい。
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