俺の名は良司。


俺の名は良司。ローレシアの王子で勇者ロトの末裔。


ムーンブルクの王女を風呂場で元の姿に戻したところだ。


…まさかホントにあの犬だったとは…


風呂から上がってきたらなんと言われるか。今から恐ろしい。


俺とトンヌラは部屋で正座してお互い一言も喋らなかった。


「カチャ…」


部屋の戸が開く。

俺とトンヌラの顔から血の気が引いた。


サマンサ「…また元の姿に戻れるなんて…お風呂もいい湯加減でした


髪をタオルで拭きながらサマンサは呟いた。

お風呂の、あたりからかなり刺がある。



「…さ…さいですか…」

トンヌラ「…何日も犬にされてたし一息つけたかな…?」



俺達は正座を崩さない。

視線も合わせられない。



サマンサ「二人にはなんと御礼を言っていいかわかりませんわ。
     元に戻す前にも色々してくれましたし



風呂に入れる前のことを思い出す。


抱き上げて雄か雌か判断した。風呂で全裸を見せた。

やったこと全てを目の前に居る王女に脳内変換してみる。

セクハラ通り越して強姦に近い。




「…いや…あのさ・・・俺達まさかさ… あのさ…」

トンヌラ「だから僕は王女だったらどうすんのって言ったのに…」


トンヌラがぼそっとぼやいた。


「お前だって喜んで洗ってたじゃねーか!」

トンヌラ「リーダーの行動力に流されただけだよう!!」



お互いに責任を擦り付け合う。

王子の威厳はおろか、勇者の子孫の自覚もどこかへ消えた。



サマンサ「…おほん」



二人「…!」


王女の咳払いで再び正座になる。



サマンサ「…王女として生を受け、今まであんな恥を受けたことはありませんでしたわ…どう責任を取っていただけるのかしら?」


「トンヌラが結婚してくれるそうですよ」

トンヌラ「!?ひどいや!面倒そうな事は僕に押し付けて!」

「いいじゃねえか美人なんだし!俺 とても責任取れる人間じゃないしさ!」

トンヌラ「ひどいやひどいや!僕だって結婚なんか考えられないよう!」


またも擦り付け合いが始まる。

美人は歓迎だが、結婚は遠慮したい。


サマンサ「…おほん」


二人「!?」


また正座を直す俺達。



サマンサ「…あいにくと私もあなた達のようなボンクラを夫にするつもりなんてありません。まぁ いいでしょうあなた達のおかげで元の姿に戻れたことも確か。これで貸し借り無しとしましょう。」


トンヌラ「え!?ホント!?良かったァ〜」


「…(ちょっと高い気もするが…) いやはや助かるよ〜」



サマンサ「ではかなり不安ですがこれからは私も共に戦います。以後よろしく御願いします。」



トンヌラ「こちらこそ!」

「よろしく」


三人でがっちりと握手する。



なんだかご先祖様に申し訳が立たないプレイの連続だったが、
これでロトの子孫が全て揃った。


次の目的地を三人で話し合う。


先祖が竜王と戦い平和を取り戻したアレフガルドの大陸、
その中心の王国ラダトームを目指すこととなった。



「ところでサマンサは同じ部屋でいいの?」

サマンサ「当然別室を借りるわよ」





はい。


 
 
 

 

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