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前略、姉上様。











マルスです。

マムクートの王国と言われたペラティも無事突破。
王のマヌーが竜の力を発揮する事無く、
四方八方から弓で射られ、変身能力がなくなったところでオグマに斬られたのが気の毒でしたが、これも戦争。戦いを挑んできた以上、致し方の無い結果です。


このまま真っ直ぐアカネイアへ進路を取る予定でしたが、マケドニアの白騎士団員、カチュアの願いを受け、囚われているというマリア王女を救出すべく、ディール要塞への攻撃を決意致しました。


罠と言う者もいましたが、私にはどうしてもミネルバ王女がそんな真似をする人間とは思えないのです。


そして例え罠であっても、乗り越える力が無ければ、この先の戦いを勝ち抜く事など敵わないでしょう。


間もなくディール要塞。


姉上―― どうか勝利を――





マルス「意外と小さい要塞だね」


オグマ「割かし辺境ですからな」


マルス「中も狭そうだ、少数での戦闘になりそうだね。突入には腕の立つ者を選ばないと」


カシム「となると王子が適任なんじゃ…」


シーダ「(ビンタ)」


カシム「ぐわっ!?」


マルス「あの中にマリア王女が囚われているんだな…」


カチュアは途中で分かれてしまったので、詳細は分からんちん。


マルス「よし、ではまずは砦周りと入り口の敵を殲滅。予想される援軍に対して陣を組め!」


一同「はっ!」




〜〜 グルニア軍本陣 〜〜



ジューコフ「ミネルバ殿、勝手に持ち場を離れ何をしに来られた?もし、貴女が少しでもおかしな動きをすればマリア王女の身の安全は保証できぬぞ。そのこと、分かっているのか?」


ミネルバ「…いや、あなたに逆らうつもりはない。ただ、少しの間だけでいい。マリアに会わせてはくれぬか。あの娘は、まだほんの子供。きっと悲しい思いをしているだろう。将軍…頼む。マリアに一目会わせてほしい」


ジューコフ「それは、できぬ相談だな。マリア王女は大事な人質。妹姫が心配なら下手な考えを起こさず大人しく命令に従うことだ」


兵士「将軍! 大変です!ディール要塞の東に反乱軍が現れました!」


ジューコフ「なに!?なぜ、こんなところに反乱軍が来るのだ!?くそっ!とにかく竜騎士団に出撃を命じよ。それと、本隊に援軍を要請することも忘れるな。奴らが要塞に入る前になんとしても撃破するのだ!」


ミネルバ「反乱軍… マルス王子、か…」




〜〜 再び解放軍 〜〜



マルス「まずはソシアルナイト4騎が邪魔か…」


オグマ「引き付けて叩くのがよろしいかと」


マルス「定石だね。例によって僕が壁で削るから…」


オグマ「トドメはお任せ下さい」



それくらいしか出来ないだろうしね。


ちなみに最近のスタメンは、
シーダ、バーツ、オグマ、シーザ、マリク、カシム、ゴードン、
リフ、レナ、アベル、ジュリアン、ウェンデル司祭、ジョルジュ、
ナバール


一部頭数揃えてるだけ。


今回は僕を入れて14人までなので、ナバールをサジとマジに連行させる。
彼は僕にキルソード届けて役目は終了したのである。


というわけで戦闘が始まるやいなや、例によって僕が最前線へ赴くわけですが、よく見ると敵ソシアルナイトの手にはなんだか物騒な武器が。


ぎんの槍…


雑魚のくせに大層な武器持ちやがって…

というか他の敵もみんなぎんの槍装備してるじゃないか。


どういう事だ。
なんでこんな豪勢な装備に変わってるんだ。


これじゃあただでさえ貧弱な彼等は二撃と持たない。オグマとか。

…僕でさえこの装備で4騎連続はキツイ…


なんにせよ僕以外に壁のしようがないのは確か


味方を若干下がらせて、前線へ。あ〜…痛いんだろうなぁ…


勢い良く向かってくるソシアルナイト。

振るう ぎんの槍。諦め顔の僕。遠くで応援する味方。
そんな味方の経験値の為に、僕の装備はてつの剣。


王子ってこんな体張る職業でしたっけ。


遠慮なく攻撃してくるソシアルナイトの攻撃を耐え、
反撃で瀕死にさせる。一騎は手槍だったので手が出せなかったが、走りこんできたバーツに頭をかち割られた。ざまあ。


他三騎のトドメはオグマ、シーザ、アベルに任せ、僕は三人の僧侶による集中治療を受け、すぐ砦内へ。


僕は3×3EYESの八雲じゃないんだが。


中に入るとアーマーナイト二体と宝箱を漁ってる盗賊一名を発見。


なんか後ろで「王子!敵ドラゴンナイトが!」とかうるさいので、さくさくアーマーナイトを殺して味方を砦内へ入れる。しんどい。


オグマが喜び勇んで盗賊を斬り捨てる。

最近この人はあからさまな弱者の相手をしてるとこしか見たこと無い。


砦の入りに僕が立ち塞がり、味方は安全圏内へ。
ドラゴンナイトとペガサスナイトが向かって来たので迎え撃つ。

勿論奴等もぎんの槍。嗚呼。


マリク「王子ぃ!!ああああああいつら、えええエクスカリバー使っていいいいいいんですすすよねぇぇぇぇ!?」



僕の後ろで血走った目のマリクが魔法書を手に全身痙攣している。



マルス「…敵ドラゴンナイトは僕の反撃で瀕死になるだろうから、カシムかゴードンに任せる。その後ろの手槍持った奴を仕留めてくれ、残りはバーツに任せる」


マリク「いやっはー!!!」



よだれをたらしながら、喜び勇むマリク。彼の様相はもうどちらかと言えば敵側だ。

とまぁそんなわけで、狭い入り口から入ってくる敵部隊。削って止めを任したり、エクスカリバーが通り抜けたりして殲滅。



シーダ「マルス様!敵の増援です!」



砦の外、北東からソシアルナイト、ホースメン、アーマーナイト合計八体登場。マジだるい。


このまま僕がどうせ壁やるんでしょ…

姉さん、もうすぐ僕はレベルが30になります。



バーツ「王子」


マルス「?なんだいバーツ」


バーツ「奥のアーチャー、スナイパーは倒しておきました。王子は早くマリア王女の下へ」


マルス「え!?ホント!?バーツ一人で!?」


バーツ「いえ、隊長とシーザ殿も一応手伝ってくれましたので…こちらもお任せ下さい、私が引き受けます」


マルス「しかし、いくらバーツでもここは…」


バーツ「大丈夫です、自分も大分腕を上げました。それに…(ふっ)手斧があるので王子の出来ない間接攻撃もお手の物ですよ…」



ば…バーツ!!なんてかっこいいんだバーツ!
その心意気に応えなければ男じゃねえ!
良いだろうここは任せた!


マルス「頼んだよバーツ!」


バーツ「ははっ!」


ジュリアン「王子!宝箱からリブローを見つけたぜ!?」


マルス「レナに渡したら君は僕に付いてきてくれ!!回復班はバーツを全力で援護だ!」


レナ「はい!」



去り際、手斧を肩にポンポンと叩くバーツの姿が目に入った。
なんという雄姿…頼んだよバーツ…




オグマ「マリア王女はこの先の牢獄に囚われてるそうです!王子!お供いたします!」




ひっぱたくよ君。



とりあえず牢獄前に着くと、奥に一人の女性の姿が。
ジュリアンに鍵を開けて貰い中へ。


マルス「マリア王女だね?ミネルバ王女の頼みで君を助けに来た」


マリア「あっ、あなたがマルス様ね」


マルス「ああ 怪我とかは無い?」


マリア「(へー素敵な人なんだ)助けてくれてありがとう。私が助かった事を姉に伝えてください。きっと喜んでくれるから」


マルス「勿論。すぐに報告に行くつもりだ。戦いが落ち着いたら君もすぐに顔を見せてあげるといい」


マリア「はい!それと…これからは、私もマルス様のお力になります」


マルス「へ?」


マリア「お側に置いてください。ね、いいでしょ!」



あんまり良くない。


しかし、彼女も杖を使えるシスターの模様。
回復役が増えるのは良いが、スタメンにこれ以上入れても…




リフよさらば。




職場では成長の見込みの無い老人より、やはり若い力を優先する物である。

ぶっちゃけ爺より女の子の方が映えるし。


というわけでマリア王女を連れて、ミネルバ王女捜索へ。
シーダの報告では砦の裏で事態を静観してるそうだが。


ジュリアンに裏口の門を開けて貰い、近くにいた勇者を斬り殺すとマスタープルフが手に入った。



マルス「これは?」


オグマ「クラスチェンジアイテムですね、ある程度の経験を積んだ者が手にすれば今より上の職に就く事が許されます」


ジュリアン「一定の経験を積んで壁にぶつかった人間が適任だろうな」


マルス「となるとうちではもうちょっとみんなに頑張ってもらう必要があるね」


オグマ「ですな(ふふ…いよいよ俺も勇者に…)」


マルス「(早くバーツレベル20にならないかなぁ)」




とりあえずひたすら回復してたレナがあと1レベルで20になるので、レナに渡す事になりそうです。


手にしたマスタープルフをしまうと、頭上に羽音が。
一騎のドラゴンナイトが近くに着地。ミネルバ王女だ。



マリア「姉様!」


ミネルバ「マリア…無事で良かった… … マルス王子ですね。始めまして。マケドニアのミネルバです。マリアを助けていただきありがとうございました」


マルス「これはミネルバ王女、アリティアのマルスです」


ミネルバ「色々と事情があったにせよ、今まで敵対して申し訳ありませんでした」


マルス「これは戦争、仕方ない事…と納得出来ぬところもありますが、事情は分かるつもりです」


ミネルバ「…兄のミシェイルをはじめマケドニア軍の多くは、未だドルーア帝国に加担しています。しかし、彼らは私にとって父の仇…
かなうなら、私自身の手で倒したいと思っています」


マルス「…」


ミネルバ「ただ、私の部下達…特に白騎士団のパオラ、カチュア、エストの三姉妹はお助け下さい。
彼女達は反乱を恐れたドルーアにより私から引き離されてしまいました。ですが、私が生きている事を知れば喜んで仲間に加わるでしょう。マケドニアを踏みにじった憎いドルーア…そのドルーアを倒す為に私達も王子と共に戦わせてください」




というわけで麗しのミネルバ王女が仲間に加わった。

うーん深紅の鎧を着込んだ姿が凛として美しい。


妹マリアとの会話の様子に少し見惚れていると、シーダが鬼の形相でこちらを睨んでいた。怖ぇ。



ジュリアン「姉妹の感動の再会のとこ悪いけどよ、大将、しんがりの援護に向かわないとまずくねえか?」


マルス「! そうだ!?バーツ!!バァァァァァァツ!!!」




ダッシュで要塞入り口に戻る僕。

バーツにもしもの事があってはまずい。
なにせ我等の攻撃の要なのだ。失うわけにはいかない。

もし何かあるならオグマにして欲しい。


要塞入り口に戻ると…



レナ「王子!お戻りに!」


マルス「ああ!マリアとミネルバは無事合流した!バーツは!」


レナ「それが…」


マルス「!?」




入り口を見る、そこにはおびただしい敵の増援の死骸、そして立ちはだかったままのバーツの姿が…!



マルス「ま…まさか…!バーツ!?」



動かないバーツ、そんな…!?
僕等の軍神バーツが…!?



バーツ「王子…」


マルス「!? バーツ無事だったのか!?」


バーツ「手斧…」


マルス「…!?」


バーツ「一本駄目にしてしまいやした…申し訳ありません…」



バァァァァァァァァァツ!!!

お前って!お前って奴ぁ!!



レナ「ほとんどたった一人で敵を食い止めて…」


アベル「まさに獅子奮迅の活躍でした…」



ホント見習って欲しいよ。オグマとか。


とりあえずバーツの回復でレベル20になってたレナにマスタープルフを渡してクラスチェンジしてもらう。


バーツはまだ18。


うーん早くまた一つ強くなったバーツを見たいなぁ。



マリク「僕もなにげに経験高いですよぉ」



黙れ。いかれ尖がり帽子。



というわけで合流も果たしたので、さっさか敵本陣を攻めることに。


敵司令のジューコフの周りに居たアーマーナイトと僧侶にさくっと三途を渡っていただき、ジューコフの装備を確認。



マリク「ちぃいいいいいい 手槍持ってやがる…」


マルス「回すのは無理だね。しょうがないとっとと片付けよう」


ジューコフ「くそ! 頼りない奴らめ。この上はわし自らが相手になってやる!!」



相手になるも何もそうしないとあんた黙って死ぬだけだから。


とりあえずバーツの経験値稼ぎに、僕が削って、ハンマーの直撃を受けていただいた。


ジューコフの頭はスイカみたいに弾けて飛んだ。悲惨。



マルス「無事攻略か…」


オグマ「見事な采配でした」



采配っつーか特攻っつーか。

一息ついたところでニーナ様がやって来た。
これからいよいよアカネイアへ進軍だ。



ニーナ「マルス、あなたは、アカネイアのミロア大司祭を知っていますか?」


マルス「はい。かつてアカネイアを守っていた偉大な司祭様で確か、オーラという強力な魔法を使われたとか…しかし、ドルーアに味方した魔王ガーネフと戦い亡くなられたと聞きます」


ニーナ「ええ。でも、司祭様にはリンダという娘がいて彼女が、オーラを受け継いだらしいのです。ですが、リンダはその後行方が知れません。」


マルス「一人娘…リンダ…ですか」


ニーナ「きっと悲しい目にあっている事でしょう。マルス、お願いです。リンダを探して下さい。ミロア司祭様に代わって私達で、あの娘を
守ってあげたいのです」



…アカネイア攻略前に今更そんな事言われてもなぁ…




 

 

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