マルスです。レフカンディを抜け、ワーレンでの休息も束の間、グルニアに包囲されすぐに出立と相成りました。
ワーレンの傭兵、シーザにより早い段階で知らせを受けられた事が功を奏し、包囲網が完全に敷かれる前に敵を打ち崩し、無事突破することが出来ました。
しかし、これより先はペラティ領を通り抜けなければならず、他国との交流の無いこの国は余所者の侵入を許さないと聞きます。
領主マヌーは竜人族の末裔で、強大な力を持つとの事。我々を許さなければその力を振るい襲い掛かってくることでしょう。
しかし進軍には避けて通れない道―
姉上、例えどんな敵でも打ち破り、必ずやアリティアへ辿りついてみせます。
どうか信じて―
マルス「他国と交流ない割にはワーレンと陸続きなんだね」
オグマ「まぁ 領土は領土ですから。この状勢で自国の交易を保ってられるという事は力もあるのでしょう」
シーダ「マヌー王はマムクートという話ですから、メディウスと繋がってる可能性もあるのでは…」
カシム「てことは通り抜けてきたところで待ち伏せされて終わりじゃ…」
シーダ「(ビンタ)」
カシム「ぐあっ!?」
アベル「なんにせよ行く手を阻まれるなら戦う他はないでしょうね」
追っ手も増援も軒並み殺したから引き返して買い物してても平気そうだけど。
マルス「とにかく引き続きの連戦になるだろう、みんな頑張ってくれ!」
一同「はっ!」
〜〜 ペラティ城 〜〜
マヌー「ペラティの神聖なる大地を侵す者達よ。お前達を1人たりとも生かしては返さぬぞ。すべて焼きつくされるものと知れ!!」
〜〜 再び解放軍 〜〜
マルス「門を開けて懐に飛び込むルートと、大回りして村と神殿を経由するルートの二つになるね」
オグマ「村人の話では神殿には対ドラゴン用の剣があると言いますぞ」
なんでそんな奪われたら危ない物を目立つところに置いてるんでしょうか。
マルス「じゃあ僕とシーダで村と神殿行ってくるよ。済んだらそのまま敵の城へ向かう」
オグマ「では門の突破は我々に」
マルス「うん お願いするよ では頼んだよバーツ」
バーツ「はっ!」
オグマ「またバーツ!?」
バーツ「(にやり)」
とまぁそんなわけで門の前にぞろぞろと並ぶ、我が軍勢を横目にさっさか村へ向かう僕。ちなみに今回からダロスに代わり、ワーレンでの伝達の功労者としてシーザがスタメン入りです。弱いけど。
例によってカインがうな垂れていたが、私は謝らない。
門を開ける前に海賊が海から攻めてきたが、バーツに軒並み殺された。悲惨。
僕の進行上にも海賊が現れたので、僕が囮になりシーダに先行させて村を押さえてもらう。
僕に喧嘩を売った海賊は鉄の剣二撃で首が飛んだ。
盗賊がシーダに喧嘩を売ってきたが、成長したシーダの敵ではなく、馬にちょっと怪我を負わせた後亡くなられた。
その後やってきた海賊には苦戦してるようだったので、すぐに駆けつけて海賊の首を飛ばす。
シーダ「ありがとうございますマルス様。力が及ばず申し訳ありません…」
マルス「何を言うんだいシーダ、よく村を守ってくれた。それに君が居てくれるだけで何よりも励みになるよ」
スカウト能力とかね。
シーダ「マルス様…ありがとうございます…」
???「失礼、アリティアのマルス王子とお見受けいたします」
ふいに村の中から声。見ると弓持った金髪のイケメン兵士が一人。中々凛とした佇まい、腕の立ちそうな男だ。
ジョルジュ「私はアカネイアのスナイパージョルジュといいます。パレスの戦いに敗れ
ドルーア軍に捕まっていたのですが敵のスキを見て逃げ出してきました。ニーナ様があなたと共にあると聞きここでお待ちしていたのです」
マルス「君は元アカネイアの軍人なのか。通りで雰囲気あると思ったよ」
ジョルジュ「光栄です。これからは私もこの銀の弓を持って祖国解放の戦いに力を尽くします。どうかよろしくお願い申します」
マルス「こちらこそよろしく頼むよジョルジュ。それはそうと…」
ジョルジュ「なにか?」
マルス「このペラティに立ち入って怒り買ったりしなかったの?」
ジョルジュ「私はスナイパーですから隠れるのは得意です」
あーそう。
村を出て南下。
ハンターと海賊が数人いたので、ジョルジュを下がらせ、僕に狙いが集中したところでシーダを宝のある神殿へ向かわせる。
傷薬を片手に突進し、弓を構えたところのハンターを斬り捨てる。余った奴らが矢を放ってきたり、斧を振り回したりしてきたが、今の僕にはなんともない。
皆殺しにしたところで、島の砦から援軍の海賊が現れた。一旦砦に引き、傷薬で回復。
シーダが宝箱を盗賊に開けさせてから、突き殺してドラゴンソードを奪って戻ってきたので、ジョルジュの護衛に回ってもらう。
僕が寄せ役になり、シーダとジョルジュも善戦するも、わらわらと集まる海賊達に、手がつけられず二人は後退。
その間も僕に振り下ろされる斧、斧。
反撃に徹し、砦に篭り傷薬を塗りたくる僕。塗っては四方からダメージを受け、反撃で海賊の首を飛ばしてはまた傷薬を塗る。
一国の王子の戦いとはとても思えない。
援軍はまだ現れる。これはちょっと…まずいかも…
その時!
ヒュッ!!
目の前で海賊の頭に手斧が突き刺さった。海賊は当然絶命。南無。そしてこの手斧の投げ主は…
バーツ「王子!ご無事で!」
バァァァァァツ!!!僕等のヒーローバーツ!!そしてそのまま残りの海賊の頭もかち割るバーツ。そこに痺れる!憧れるぅ!!
マルス「ありがとう、助かったよ」
バーツ「いえ、突破に手間取り申し訳ありませんでした。現在オグマ隊長達が城を取り囲み、攻撃を開始しております」
マルス「え?マムクート相手に?危険だろう」
バーツ「それが…バヌトゥ殿の話で、変身には竜石の力が必要らしいのですが、これには使用回数に限度があるようで…」
マルス「ふむ?」
バーツ「攻撃する度に変身するのですが、マヌーは間接攻撃が出来ないらしく、弓で攻撃する度自分の身を守るために一度変身をするのです」
マルス「一回一回変身?…もしや…」
バーツ「はい。変身する度使用回数が減りますから、城から出ず攻撃をしてこないマヌーにひたすら弓で攻撃し、変身だけさせ、竜石の力を失わせる作戦です」
せこ〜…
まぁ、今までの司令官回しと変わらないけど…
バーツ「マリク殿の魔法と合わせて石の力が失われるのは時間の問題でしょう」
マルス「とりあえず行って見るか…」
引っ込んでいたシーダとジョルジュが、後からやっとこどっこい付いて来たレナに回復を受け合流。
ペラティ城に着くと、既に変身能力を無くし、あちこちに矢が突き刺さった可愛そうなマヌーの姿があった。
そこへ
オグマ「チェストォオオオオオ!!」
オグマおおはしゃぎ。
マヌー「馬鹿な…こんな連中に…ワシが…」
城から出てくりゃいいのに。
オグマ「王子!見ましたか!マヌーを倒しましたぞ!」
見たよ、力の無い老人をいたぶって殺したのをね。
マルス「とりあえずは無事突破だね…出来れば争わずに済ましたかったが…」
アベル「我等にその気は無くとも、彼等がやる気ではいたしかないでしょう」
マルス「うん… よし、選んだ道に後悔もしてられない。全軍一度食事を取れ、すぐにまた出発するぞ」
シーダ「…! マルス様、向こうからペガサス騎士が一騎!」
マルス「え!?」
見上げると、西の空よりこちらに向かってくるどこかで見たようなペガサス騎士が。白旗を振っている。もしやレフカンディで出会った…
カチュア「マルス王子、私は、マケドニア白騎士団のカチュアと申します。実は王子にお願いがあり密かに参りました」
マルス「君はやはりレフカンディで見かけた…」
カチュア「はい、敵として一度見えたにも拘らず、こうしてやってきましたのも我が主ミネルバ王女の事です」
マルス「ミネルバ王女…」
カチュア「ミネルバ王女率いる部隊はドルーアに対して反乱を計画しています。しかし、妹君マリア王女が敵の手中にある為、身動きが取れないのです。どうかマリア王女を助ける為、お力をお貸ししてほしいのです」
マルス「ふむ…」
オグマ「王子、罠かもしれません。迂闊には…」
マルス「カチュアといったね、顔を上げて。マリア王女はどこに囚われているんだい?」
オグマ「王子!?」
カチュア「! はい!ディール要塞に囚われております」
マルス「では案内を頼む。全軍、休憩の後ディール要塞へと進軍する!」
兵士達に動揺が起きるが、すぐにそれぞれ準備を始めた。
罠かもしれない、しかし僕にはカチュアが嘘を言っているとはとても思えない。なら力になってやらなければ。
オグマ「王子!よろしいのですか!?」
マルス「ああ、彼女の目は人を落とし入れるような嘘を言う目じゃない」
オグマ「しかし…!」
マルス「それに…僕も身内を囚われている気持ちがわかるんだ…なんとしても助けてやりたい」
オグマ「王子…」
マルス「大丈夫さ、もしも罠であっても君達ならばそれを打ち破ってくれるはず。僕はそう信じているよ」
オグマ「王子…!わかりました!我等解放軍一同、この身に変えてもマリア王女をお助けいたします!」
マルス「ああ 頼りにしているよ。バーツ」
バーツ「ははっ!!」
オグマ「またそっち!?」