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前略、姉上様。











マルスです。

ディール要塞への奇襲も無事成功。 マリア王女を救出し、ミネルバ王女と引き合わせることが出来ました。 二人も我が解放軍へと加わり、日に日に大陸に散らばった力が一つにまとまってきています。


私は信じます、それもメディウスの圧制に対する怒りがまだ人々の心の奥底に残っているからこそだと… いよいよアカネイア攻略、聖都パレスは目の前です。 この戦いに勝利し、すぐにアリティアも解放してみせます。


姉上― 待っていてください―



マルス「ニーナ様、もう少し行けば、いよいよパレスが見えますね。でも、ニーナ様には辛い思い出もあるのでしょうね…」


ニーナ「ええ…パレスが落ちた時の事は今でもはっきりと覚えています。たくさんの…本当にたくさんの人が殺されました。そして、王家の者は殺された後、見せしめの為城門にさらされました。変わり果てた父母を見た時心に受けた衝撃は今でも鮮明に覚えています」


マルス「…」


ニーナ「泣きたくても声も出ずただ悲しくて悔しくて… …だけど、それは過去の事。今は、ふりかえっている時ではありません。さあマルス、行きましょう。私の生まれた街アカネイアの王都パレスへ」




ういーっす。



マルス「というわけで進軍だよオグマ」


オグマ「いよいよ聖都奪還前哨戦ですな。いや、腕が鳴ります」



君の場合折られて腕が鳴るんじゃないのかい。



シーダ「マルス様、城周りに見慣れぬ乗り物が」


マルス「乗り物?」


シーダ「はい…何やら巨大な武器を積んでるように見えるのですが…」


オグマ「む それは恐らくはシューターでしょう」


マルス「シューター?」


オグマ「移動式の遠当て武器…と言いますか…大型の射出機を積み替えることで様々な武器を飛ばしてくるのです。あのように」


マルス「え?」



ひゅるるるるるるる



バヌトゥ「ふはぁ!今度こそワシの勝ちじゃ若造!(将棋中)」


カイン「げ ちょっと待ってくれ!」


バヌトゥ「アホウ!勝負の世界に待ったなんぞないわぁ!」


カイン「何言ってんだ!いつも俺が勝ちそうになると…うぉおおおおお!?」



ずどーん。


山の向こうから飛んできた岩がカインとバヌトゥの将棋盤に落下した。


突然の敵の攻撃に、二人も鳩が豆鉄砲を食らったような顔でフリーズ。どうやら怪我は無い模様。 別段潰されていたとしても僕は一向に構わなかったが。



マルス「なるほど あんな感じなわけだね」


カシム「鹵獲して売り払えば結構な金額に…」


シーダ「(ビンタ)」


カシム「ぐわっ!?」


マルス「かなりの射程だ…迂闊には近づけないね…」


オグマ「はい。特にクインクレインという武器は飛行しているものに絶大な威力を持つとか。十分にご注意を」


マルス「わかった。シーダとミネルバは城側には近づかず、ノルダ市場を上空から偵察してくれ」


シーダ「わかりました」


ミネルバ「了解しました」



というわけで今回からジョルジュに代わりミネルバがスタメン入り。なんか伝家の宝斧オートクレールが強いのでトドメ要員に。


一瞬バーツに持たせてしまおうかと思ったが、彼は手斧が安定。 遠くでも近くでも、さらに特攻武器をついでに持たせておけば僕等のバーツに死角は無い。


シューターの攻撃を避ける為、東のノルダ側の岩山に沿って進軍。 すると、城の方からペガサスナイトが二騎攻めてきた。 となると喜ぶのはうちのイカレた尖がり帽子である。



マリク「ふひぃ!!!王子ぃいいい!!来ましたぁ!!羽の付いた草食動物ですよぉぉおお!!」



昔の君もどちらかと言えば草食動物系の優しそうな佇まいでしたが、もう見る影もありませんね。



マルス「エクスカリバー使わなければ攻撃していいよ」


マリク「な、何を!?おっしゃる意味が分かりません!」



僕は君の脳内の方がわからない。



マルス「そろそろ節約しないといざという時に無くなっちゃうよ。今の君ならファイヤーとかでも十分じゃない」


マリク「エクスカリバー無しで新世界の神を名乗れると思っているんですか!?ああぁ!?そんな事言ってる間にゴードンが狙いを定めてる!?止めろ!この軍で飛行ユニットは僕しか食べないんだ!」



もう何言ってるのこの人。



マルス「えーい!我慢しなよ!あんまり変な事ばかり言ってるとスタメンから…」


アベル「王子!危ない!」


マルス「え?」



アベルの声で後ろを振り向くと、もう一匹のペガサスナイトが僕へと向かって滑空中。いかん、アホをいさめるのに気を取られていた。



マリク「チャーンス!王子を救出せねば!!エクスゥゥゥウウウウウ!!」



お前今チャンスって言ったろ。



マリク「カリ…!!」



ぷすっ。




どうやらまたいつものパターンのようである。



カシム「ふっ」


マリク「か、カシム…!駄目だこいつ…早く何とかしないと…!」



早く何とかしないといけないのは君なわけだが。


とにかく無事ペガサスナイトは片付けたので、再び岩山に沿って進軍。 シーダが一足先に市場近くまで飛び、市場周りに居たならず者を引き寄せ、手槍攻撃。ミネルバが手斧で手伝うがあんまり当たらない。


この王女様もドラゴンナイトの割りに少々頼りない。


僕等本隊も当然遅れるわけにはいかないので、ずんずん進軍。敵を引き付けた際にシーダが大分ダメージを負ったようなので、ならず者を一人倒したところで後退させる。


市場へ向かう途中、村に向かっていた盗賊をアベルが突き殺し、市場の入り口にいたならず者をバーツが手斧シュート。


そのまま雪崩れ込む一軍メンバー。


飛び出す僕、やけっぱちで襲い掛かってくるならず者。その気は無かったのに反撃のてつの剣でみんな死んでしまった。


嗚呼また経験値が。



マルス「市場は制したね」


オグマ「城へ攻め入る前に情報収集を致しましょうか」


マルス「そうだね、僕は村へ行ってみる。なんでもならず者達に捕らえられている人達がいるそうだ」


オグマ「わかりました。周辺の情報収集はお任せを。王子、お気をつけて」


マルス「うん ありがとう」


オグマ「…」


マルス「?どうしたの?」


オグマ「いえ…今日はバーツを呼ばれなかったもので…(俺も信頼上がったか!?)」


マルス「だって敵居ないし


オグマ「ですよねー」



情報収集くらいなんの不安も無く任せたい。


とにかく捕らわれている人達を救出すべく、村へ急ぐ。



ならず者「なんだ、てめえは。俺達に何の用だ?」


マルス「ここにアカネイアの人々が捕らわれていると聞いた。今すぐ解放しろ!」


ならず者「なんだとてめぇ…って、げっ、あんたらアリティア軍!?ひえー、助けてくれー!」



外で戦争やってたの気づかなかったのかお前。



マルス「君達、辛かったろう。でも、もう大丈夫さ。安心して帰りなさい」



喜ぶアリティアの子供達。うーん 実にいい事をした。なんだか久しぶりに王子らしいことをした気がするぞ。


すると一人だけなんだかボロボロでぶかぶかの服に身を包んだ男の子がこっちを見ている。


マルス「? 君はどうして行かないの?」


男の子「私は…帰るところがありません」



家無き子宣言で物乞いでもするのかと思いきや、男の子は突然上着を脱ぎ始めた。するとなんということでしょう、ボロボロのみすぼらしい姿から一転、スリットがセクシーな少女が現れたのです。



マルス「あっ…え?君は女性だったのか。でも、どうして男の服を?」


リンダ「私はミロア司祭の娘リンダといいます。ガーネフから逃れる為、男の姿に身を変えていました。でも、あの連中に捕まって…」



女だとバレなくて良かったですね。マジで。



マルス「そうだったのか。君が、あのミロア大司祭の娘…でも、無事で良かった。君の事はニーナ様も心配されていたんだ。今日からはみんなと一緒だから…もう、辛い目には遭わせないからね」


行方の分からない貴女の事をちょうどこないだ話したばかりです。いきなりこんな所で逢えるとは思ってませんでしたが。運命って不思議。


リンダ「いえ!! 私も戦います!私に託されたオーラの魔道書ニーナ様のお許しがあれば使うことが出来るのです!父の仇、ガーネフを私の手で倒したいのです!」



うっかりニーナ様が死んじゃってたりしたら一生使えなかったんでしょうか。



マルス「…分かった。だけど今の君では戦力に足りない。成長するまで一人パートナーをつけよう。マリク!!マリーク!!」


マリク「なんでしょう?」



声を聞きつけ、駆け寄ってくるマリク。


うーん同じ魔道士って事で呼んだが、人選ミスではなかろうか。



マルス「紹介するよリンダだ。ミロア大司祭のご息女だ。これから君が面倒を見てあげてくれ」


マリク「ミロア大司祭の! 始めましてマリクです。同じ魔道を学んだ同士、仲良くなれたら嬉しい」



紳士的である。まぁ普段は良いんだけどね…普段は…



リンダ「…あなたも魔道を学んでいたの?」


マリク「ああ、カダインでね」


リンダ「カダイン、魔道を志す人々の学院ね。お父様も昔はそこで魔道を学んだって聞いたわ」


マリク「今のカダインはガーネフによって変わってしまったけれど、でも素晴らしい学院だったんだ。良い先生に恵まれたし同じ魔道を学ぶ仲間たちにも出会えた」



先生って出会い頭に君にサンダー放ったウェンデル司祭ですね、わかります。



リンダ「カダインか…私にはお父様がいてくれたから。それで十分だった。でも…」


マリク「リンダ…」


リンダ「私の事なら平気よ。心配しないで。私はミロア大司祭の娘だもの。マリク、それよりあなたの話を聞かせて。カダインの学院であなたがどんな風に学んでたのか知りたいの」




戦場で雑談に花を咲かされても困るが、なんだか良い雰囲気である。


うん、このままなら平気そうだけど…やはり一つの懸念が…


とりあえずまぁ心配は後にして、今は先を急ごう。



オグマ「王子」


マルス「やあ オグマ。そっちはどうだった?」


オグマ「住人の中に敵兵士の恋人だという女性が居ました。なんでも、その恋人はこの戦に疑問を持っているとか」


マルス「まぁ 疑問が何にも無いのも珍しいとは思うけど、もしかすれば説得可能って事だね?」


オグマ「と思われます。ただ、女性が話しかけないと見向きもしないとか…」



なんだそのナンパ野郎は。


そんなロジャーみたいないい加減な奴これ以上増やしてどうすんだ。



オグマ「どうやらシューターを扱う男らしいので、仲間に入れる価値はあるかもしれません」


マルス「ふーむ それは確かに。一度話しつけてみようか」



その言葉を聴いた瞬間、シーダの目がキラリと光った。 その美貌でまた一人男を誘い込もうというのか。


シーダ…恐ろしい娘…!!


とまぁ そんなわけで城へ向けてずんずん前進。


砦の前に居たシューターを、バーツが思い切りカチ割ったのを切欠に、僕が突撃。


なんかいきなりショーゼンとかいうマムクートが襲い掛かってきてビビる。 しかし持っていたドラゴンソードであっさり。超弱い。


敵周辺に居たソシアルナイトやホースメンがいきりたって襲い掛かってきたので、今度こそみんなの経験値にすべく、そのまま引き寄せて後退。


槍で突かれたり、シューターに撃たれたりしましたが、姉上、僕は元気です。


そして砦の後ろまで引っ張ってこられると、ソシアルナイト達は解放軍一同にとり囲まれた。悲惨。


ホースメンだけ注意しなきゃなぁ、と思っていたら、目を放した隙にさっき仲間にしたばかりの娘さんの元へ駆けていってしまった。


いかーん!?矢が放たれたが最後!一撃死は免れん!



マリク「リンダ!下がって!」


リンダ「え!?マリク!?」



すると、あの尖がり帽子のイカレ魔道士がリンダの盾となって飛び出した。とてもかっこいいシチュエーションだが、彼の表情はすっかりいつものアレに。



マリク「状況が状況ぉおおお!!王子ぃいい!!使わせてもらいますよぉ!!!」



ああぁ!?やはりかー!?


その姿を早速そのいたいけな少女にさらすつもりか貴様!!



マリク「ひゃはああ!!エクスゥゥゥウウウ!!!!



歓喜に叫ぶマリク。その姿を目を丸くして見るリンダ。


早速パートナーチェンジが検討される模様です。



マリク「カリバァアアアアアアアアアアアアア!!



ターゲットを捕らえ、弓を構えたホースメンは弓を構えた姿のまま真っ二つになってお亡くなりに。



マリク「はっはぁあああ〜… これこれぇぇぇえええええ…」



惨たらしい遺体、目の前にはイッちゃってる魔道士。少女の目にはこの光景がどのように映ってるのだろうか…



リンダ「…」


リンダ「素敵…(ぽ)」




えぇー!!?


惚れてるー!?




どういう趣味だこの子!?


マリク「怪我はないかい?リンダ」


リンダ「ええ…ありがとうマリク」



ソシアルナイトとホースメンの遺体に囲まれて微笑みあう二人。


変態同士一生やってればいい。


とりあえず残りは噂のシューターだ。 残ってるのは二体。


えーとどっちがナンパ野郎なんだろう。 するとシーダがバサバサと無警戒に城門前のシューターへと近づいていく。


あぶねえ!?クインクレイン当たったらどうすんだ!?


慌ててもう一台のシューターを叩き壊し、シーダに走り寄る。予想通り問答無用でクインクレイン発射。ジャンプ一番、放たれた巨大な矢を斬り払う僕。


北宋の壺を大事にしてる人が見たらびっくりなプレイに別段気にも留めず、そのままシューターへ近寄っていくシーダ。



僕ぁ この娘の何が良いんでしょうか。



シーダ「こんにちはグルニア戦車兵の方。あなた、ジェイクさんでしょう?」


ジェイク「! 誰だい、君は?女の子がこんな所に来ちゃあ危ないぜ。それに、なんで俺の事知ってるんだ?」



その女の子に向かってあなたはさっき射撃を放ってきたわけですが。



シーダ「私はタリスのシーダ。あなたの事はこの国の人に聞いたの。アンナっていう人よ。知っているでしょ?」


ジェイク「えっ?アンナが俺の事を?そいつぁ嬉しいなぁ」


シーダ「あなたの事心配していたわよ。本当は優しい人なのにって」



優しい、このワードでロジャーも引き込みました。


しかし、味方だから優しい、敵に居るから優しくないという基準はどうかと思うんですよ僕ぁ。



ジェイク「本当か?うーん、実は他の国の人に酷い事をするのはイヤだったんだよな」


シーダ「じゃあ、私達と一緒に戦ってくれませんか?グルニアやドルーアを倒し他の国の人とも仲良くできる世界に戻しましょう」



だからそんな理由で引き込まれるくらいなら初めから黙って兵士なんてやってねーよ!脱走して自主的にこっちに入ってんだろ!



ジェイク「…そうは言ってもよ…うーん…」



ほら見ろ!困ってる!!



シーダ「そうすればきっとアンナさんも喜んでくれるわ」


ジェイク「アンナが喜ぶ、か… そうだな。わかった。アンナの為にも俺も覚悟を決める。アンナ、俺の活躍を見てろよ!」





いいのかよ。


君何しに軍に入ったんだ。





…女の為に一緒に戦った仲間とか平気で裏切っちゃう人とかは、僕は仲間にするのを疑問に思えてならないんですが…



シーダ「というわけでマルス様、シューターのジェイクです☆」



シーダ、君の笑顔に何か裏がありそうで怖いよ。


プシューンプシューンと音を立てて移動しているジェイクのシューター。


酷く遅い…まぁ射程長い分しょうがないか… とりあえずやることみんな終わらせて、敵も一掃したので制圧。


次はいよいよパレス。 アカネイア解放の一戦だ。






ニーナ「あなただけが頼りですよ!マルス!」





あんたも言ってるだけで楽で良いよね…




 

 

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