マルスです。ついに聖都パレスを奪還いたしました!
これでこの解放戦争の大きな節目を、一つ無事に乗り越える事が出来ました。
大陸の中心であるアカネイアを取り戻した事は、虐げられてきた民にとって大きな希望の光となったでしょう。
これまで厳しい敵の追撃を潜り抜け、疲れも限界に来ていた兵士達に心配なく休養を取らせてあげられました。
そして次はいよいよ我が祖国アリティア―
軍備も士気も十分―
姉上― いよいよ―
マルス「よし!全軍現在のペースを落とすな!日が落ちる前にはグラ領へ入る!」
オグマ「気合が入っておられますな。アリティア解放を目前にして無理もありませんが、あまり逸ってはなりませんぞ」
マルス「ん…?そんなに速かったかい?僕としてはそんなには急いでるつもりはなかったんだけど…」
マリク「速いですよー 疲れて戦えなくなりますよー」
軟弱な魔道士は黙ってろ。
バーツ「自分としては問題ありやせんが…」
ほれ見ろ。バーツ以外が軟弱すぎるんだ!
カシム「馬も無いのに二人ともよく走るよ…」
シーダ「(ビンタ)」
カシム「ぐわっ!?」
アベル「ペースはともかく焦りは禁物ですよ、王子。油断と同じく心に隙を生みます」
マルス「そうだね、アリティア攻略を前にして知らずに焦っていたのかもしれない。気をつけるよ」
ミネルバ「マルス王子!」
偵察に出ていたミネルバが戻ってきた。なんだか慌ててる。
慌ててるのは僕だけじゃなかったね!とかそんな事とか思ってみるがどうでもよろし。
マルス「戻られましたかミネルバ王女。その様子だと近くに敵兵を見たようですね」
ミネルバ「ええ、それも今までとはかなり編成が異なります。敵部隊の大半がシューターとなっており、騎馬兵や歩兵がほとんど見当たりません」
ニーナ「グルニアの戦車隊でしょう…強敵ですね」
マルス「ですがアリティアを取り戻す上で避けては通れません」
ニーナ「でも、マルス無理はいけませんよ。人々の希望はあなたの双肩にかかっているのです」
マルス「ご安心ください、ニーナ様。敵は広い範囲を攻撃出来ますが、その分懐に飛び込まれれば弱い。勝機は十分にあります。私の戦いぶりをご覧下さい!」
オグマ「我々も後に続き根性見せますぞ!」
君には何も期待してない。
アベル「シューターの周りに護衛はいないのですね?ミネルバ王女」
ミネルバ「ええ、ほとんど。盗賊が二人ほどと、一人だけ腕の立ちそうな剣士がいたけれど…」
マルス「一人だけなら僕かバーツでどうにでもなりそうだね」
オグマ「はっはっは 王子は頼もしいですなぁ」
ミネルバ「でも…どことなく不自然さを感じたのです…以前の私と同じような…」
ミディア「…! ミネルバ様、その剣士の風貌はどのような?」
ミネルバ「シューターの攻撃を警戒してたから、よくは見てないわ。金髪だったのは覚えてるけど…」
ミディア「…!! マルス王子この戦い、私を是非起用してください!」
え。
いきなり何を言うんだこの人は。そんな願いが聞き入れられるなら、カインなんか何度もスタメン入りじゃないか。正直戦力外なんですけど。
ミディア「お願いです!その剣士、もしかすれば私の知っている人かもしれないのです!」
マルス「う〜ん…」
正直もう別に剣士いらないんだよね、とも言えない。
まぁ戦わずして済むならそれが一番。とりあえず知り合いか確かめてもらって説得して貰おうか…
マルス「分かったよミディア。僕が上手く引きつけてみるからその時に確認してくれ」
ミディア「はい!ありがとうございます!」
というわけで進軍開始。
さてどうしたものか。正直僕とバーツが突っ込んでシューターを軒並み壊せばそれで済みそうなんだけど。
ジェイガン「大きな通りが三つ、中央の一番守りの厚い通りに本隊をぶつけましょう。王子は村への訪問もありますし」
マルス「では北の通りはバーツに任せる。これを(マスタープルフを渡す)」
バーツ「はっ! …! 王子、これは?」
マルス「20に上がったらいつでもクラスチェンジしていいからね!」
バーツ「ハハァ!!ありがとうございます!」
オグマ「王子!私には!?」
グーで殴るよ君。
というわけで部隊を三分割して進軍。
とは言ってもどいつもこいつも迂闊に近づけないので、ほとんど僕が中央突破。
北の通りに突っ込んで行ったバーツのみが頼り。
とりあえず経験値がもったいないけど、村を潰されては困るので、盗賊を斬り捨てる。崖の上の丘にある村へ訪問すると、戦いに敗れて村に隠れて再起のタイミングを計っていたシュータのベックに会った。
ベック「敵シューターなどこのサンダーボルトで一掃してやりますよ!」
マルス「シューターへの特効武器なのかい!?それは助かるよ!じゃあ援護するから、早速通りに降りてよ!」
ベック「…」
マルス「どうしたの?」
ベック「すいません王子…シューターは崖から降りれないんです…」
どうやってここに避難してたの君。
しょうがないので、サンダーボルトは外して持っていって、ジェイクへ。サンダーボルトを装備したジェイクは素晴らしい活躍を見せ、南の通りのシューターをバシバシ沈めていった。
なんかこいつひょっとすればバーツより反則じゃね?
さて、村から出て民家に寄ったりしつつ情報を集めた後、降りて先へ目を凝らすと、確かに金髪の剣士が一人。
周りのシューターにピタッと張り付いて動いてこない。シューターがさっきから好き放題撃ってきてウザいので、このまま飛び込んで一緒に斬り捨てたいんですが駄目でしょうか。
彼を良く見ると、確かに腕はそこそこ立ちそうだが、正直僕の敵じゃない。てつの剣の反撃で、下手すればあなたの知らない世界へご案内してしまう。しかし自分の間合いに入ってこない限り動くつもりは無さそう。…どうしたもんか…
マルス「…」
マルス「(武器をしまい、素手で前進開始)」
シーダ「!!? マルス様!何を!?」
遠くで見てたシーダが叫ぶ。
決まっているだろう、ノーガード戦法だ。相手が打ち疲れたところを痛烈に反撃…ではなく、相手を無傷でこちらの間合いに入れる為の苦肉の策だ。
いや、ホント何やってんだろうね僕。
装備無しで歩いていくと、これ見よがしにいきりたって突っ込んでくる剣士。無防備な相手に容赦なく斬り付けるって騎士としてどうなんでしょ。
裂帛の気合で打ち込んでくるが、硬気孔を極めた僕にはそんな軟弱な攻撃は通用しない。
アストリア「ちぇぇええええええええい!!」
ドシュ
マルス |||||||||||||||||||||||||||||||||||<<<<(ちょび)
お疲れ様でーす。
ふう、と溜息吐きながら蔑みの目で彼を見てあげると、大分ショックを受けていた模様。そのまま引いて彼を味方の方へ引き寄せると、ミディアが慌てて走ってきた。
ミディア「アストリア!あなたこんなところに…」
アストリア「ミディア? ミディアじゃないか。無事だったのか。良かった…会いたかったよ」
ミディア「ああ…アストリア何も知らされていなかったのね。アリティア軍が来てくれてパレスは解放されたわ。私達人質も全員解放されて今はアリティアと共に戦っているの。だから、もう敵に協力する必要はないのよ」
まぁ普通無理やり戦わせてる元敵兵士に自分達の不利な情報は流さないわな。
アストリア「じゃあ、もう一度ドルーア相手に戦えるんだな」
ミディア「ええ。これからはまた一緒にいられるわ。もう…もうあなたの側を絶対に離れない!」
アストリア「ミディア…しばらく会わないうちに…」
ミディア「え!? なに…アストリア?」
アストリア「ふふ…なんか、とてもさ…女らしくなったね、ミディア」
話が済んだところで使えないカップル同士後ろに下がってて貰えませんか。
とまぁそんなバカップルの会話の間、ジェイクのサンダーボルトとアベルの機動力の協力プレイで南の通りは鎮圧。中央にも砲撃が開始。めんどくさいので僕もさくさくと敵シュータを破壊。残りは城周りとなった。
しかし、良く見ると城周りでは既に戦闘が始まっており、敵が軒並み倒されている。
こ、これは一体…もしや!
慌てて走り寄る、すると、一人の屈強な戦士、あれはウォーリアーだ、周りのシューターを全て片付け、今まさに城へ攻め込まんとしている。
バーツ「王子、作戦は成功ですぜ。懐に飛び込んでしまえば…へっ、なんてこと無いですよこいつら」
ば、バァァァアアアツ!!
く、クラスチェンジしてるぅぅうううう!!
更にパワーアップしてるじゃねえかあああ!!
そこに痺れる!憧れるぅうう!!
マルス「さらに強くなったみたいだね!バーツ!」
バーツ「そんな王子には及びませんや、自分は力と体力にしか能がありやせんから…」
オグマなんて何にも無いよ。
マルス「もう敵のほとんどを一掃してくれたんだね」
バーツ「出過ぎた真似かとも思ったんですが…」
マルス「何を言うんだい、頼もしい限りだよ」
敵の城のまん前で話し合う僕等。
敵司令のギガッシュもシュータなので、近い間合いの僕等には何にも出来ない。震えながら最後の時を待ってるご様子。
マルス「さて…じゃ…」
バーツ「殺りますか」
くるりと二人同時にギガッシュを見つめる。
ギガッシュは失禁しながら、当たらないエレファントを射出している。気の毒。
そこへ…
ギガッシュ「(サンダーボルト直撃)ぐええええ!?」
ギガッシュは突然の電撃に感電して死亡した。
ジェイク「(プシューンプシューン)お〜 いいのが当たったな。隙だらけだったから撃ちこんじまったが…まずかったか?」
マルス「いや 見事だよジェイク」
オグマ「(ひょこ)ふ…機械相手には機械が有効ということか…」
君は弱者の相手が得意ですよね。
マルス「意外とすんなり攻略できたね、このままの調子を落とさずアリティアまで進もう!」
アストリア「失礼、マルス王子」
マルス「どうしました、アストリア殿」
ミディア助けたお礼とかかな?猪武者っぽいけど、そこは騎士、礼儀は備えてしかるべしである。
アストリア「無礼は承知で一つ申し上げたい事がある。私はこの同盟軍で貴公の命令に従って戦う。だがそれはあくまでアカネイア王女ニーナ様の為だ」
礼じゃねえぇ〜…
しかもどっちかというと因縁つけられてねえかこれ…
マルス「…はい」
アストリア「万が一、貴公がニーナ様のお心を利用しているのであれば…容赦はしない」
え?君が僕に?
…とか言いそうになったが、押さえて勤めるのが上に立つ者の務め。すなわちこの戦いを通しての僕の努め。あ〜だるい。
マルス「わかりました。ではアストリア殿、僕と共に来て下さい。僕がどんな人物なのかあなたが力を貸すにふさわしい器かその目で見極めて欲しい」
アストリア「…承知した。ではマルス殿、以後よろしくお願い申し上げる」
君もナバールも前線に出ることはないけどね。
とまぁそんなこんなで落ち着いたところにニーナ様がやって来た。
ニーナ「ご苦労さまでした、マルス。見事、グルニアの戦車隊を打ちやぶりましたね」
マルス「はい…」
ニーナ「どうしたのです?元気がないようですが…」
それはきっと猪金髪剣士のデリカシーの無さのせいです。
マルス「…戦いの最中この国の民から聞いたのです。『グルニアにも 本当はアリティアと共に戦いたかった者達がいた』と。私は、父や国を失った事でグルニアやグラ全てに強い憎しみを抱いていました。そこにどんな事情があったのか深く考えることもなく…」
ニーナ「…憎しみが薄れたのですか?」
マルス「いえ、そうではない…と思います。あの時の辛さ、悔しさは忘れたくても忘れる事などできません。ただ単なる憎しみだけではなくなったことは確かです」
ニーナ「人や国、それぞれにはそれぞれの事情があるもの。こんな時代に甘い、と言われるかもしれませんが敵対したとはいえ一方的な見方をすべきではないのかもしれません…」
マルス「…」
マリク「王子もエクスカリバー使えれば良かったんですけどね!いやもう、そんな事気にしないくらいハイになれますよ!」
君はこの戦いが終わったら危険因子として投獄が決定してます。