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前略、姉上様。











マルスです。


グルニアの戦車隊も破り、ついにグラの城を目前に致しました。

突然の裏切りで父上を死に追いやり、アリティアを滅ぼしたグラ…

決して許すことは出来ません。しかし、これは私闘ではありません。憎しみを晴らす為ではなく、祖国解放の為の戦いです。


それにグラの中にもドルーアと戦う意志を持つ者が多く居たこと…それを思えばグラの民全てに憎しみを持つわけにもいきません。私の役目を今一度よく心に命じ、戦いに挑む所存です。


 


間もなく突入―


 


姉上― 私に力と心を―



マルス「というわけでいよいよグラ攻略だね」


ジェイガン「―我等の憎き裏切り者…が槍の届く範囲まで来ましたな…」


マルス「うん… だけど今は少し複雑だ… 民を守る為に仕方なかったのかもしれない、そう考えられなくもなくなってきているよ」


カシム「でも挑んでくればいつものように容赦なく真っ二つに…」


シーダ「(ビンタ)」


カシム「ぐぁっ!?」


オグマ「何にせよアリティア解放には避けて通れぬ道。王子、命令を」


マルス「そうだね、全軍突入!これよりグラ攻略戦へ入る!」


一同「ハッ!」



〜〜 グラ城内 〜〜


兵士「ジオル陛下!同盟軍がわが国に入ったとの報が!」


ジオル「同盟軍だと!馬鹿者!!なぜ反乱軍と言わぬ!」


兵士「はっ、申し訳ありません。最近、皆が同盟軍と呼ぶもので…」


ジオル「馬鹿者!奴らは、寄せ集めの反乱軍なのだ。同盟軍と呼ぶほどの軍ではない!しかし、あの小僧が生きて帰ってくるとはな。しかも、炎の紋章を得てアカネイア側の全軍を率いるとは…いずれにせよこのままではまずい。おい、ドルーア帝国に援軍は要請したのか?」


兵士「はっ、間もなく天馬騎士の部隊が到着する予定です」


ジオル「天馬騎士だと!そんなもので奴らを倒せるか!カミュの黒騎士団かミシェイルの竜騎士団をよこせと言え!くそっ!わしにだけこんな目にあわせおって。アリティア王国を裏切るよう仕向けたのはあのガーネフなのだぞ。わしはまだ死にたくないのだ。わかってるのか、おい!」


兵士「は、はい…」



〜〜 再び 解放軍 〜〜



マルス「ねえ オグマ」


オグマ「何か?」


マルス「さっきはあんな事言ったけど、国王のジオルだけは言い訳も聞かずに首刎ねちゃってもいいかな、とか思ってきたんだけどどうしてだろう」


オグマ「はっはっは なんだかんだで恨みがあるんですな。まぁ国の代表という事で、全部の罪を背負う責任もありますでしょうし、いいんじゃないですか?スパーっと殺っちゃって」


ジェイク「ははは、今頃反乱軍めーとか馬鹿にしつつ、怯えて震えてんじゃねえか?」


マリク「間接攻撃出来ない人だったら、みんなに遠くからいじくり回されて悲惨な最期を遂げるんでしょうね!」



その際君には参加させないが。



とりあえずグラ攻略戦だ ゴー。



川を挟んで対岸にグラ城。跳ね橋の向こうの二つの入り口にアーマーナイト。城壁の上にはアーチャーと僧侶も見える。中に陣取るまでが勝負かな…


とりあえず跳ね橋をジュリアンに下ろしてもらって、全軍対岸へ突撃。早速バーツのハンマーの一撃でアーマーナイト殉職。

もう一体もマリクに削られ、シーザーのアーマーキラーでトドメ。


シーザもそこそこ強くなってきてるので、なんかいよいよオグマの立場が無くなって来た。


しかし、奥にはソシアルナイトが二騎見える。

このままでは打たれ弱いシーザの命が危ういので、僕が装備を外して壁に。


戦場の真ん中で何をトチ狂ったのか、敵の槍をただ黙って受ける僕。


だってその気になったら味方に経験値がいかないんですもの。僕はこの戦争が終わったらスプリガンにでもなろうかと思ってます。


そんなわけで寄ってきたソシアルナイトは、矢で刺され、魔法で焼かれた後、オグマとジュリアンの餌となった。



オグマ「絶妙なコンビネーションですね!」



出来れば君喋らないでくれ。



そんなわけで中央を速やかに陣取り。

城壁からこちらを狙っていたアーチャー達は、いつの間にかバーツに喧嘩を売っては手斧で順次撃破されていた。流石。


ロングボウを持っていた奴も居たらしいが、一回反撃を受けないだけで、すぐに踏み込まれて亡くなったそうだ。



オグマ「残った僧侶殺ってもいいですかね?王子」



だからお前喋るな。



ジュリアン「大将、宝物庫には忘れずに行った方が良さそうだぜ」


マルス「え?何か貴重な物でも?」


ジュリアン「シルバーカードって言う、店の物が半額で買えるようになる特別なカードがあるらしい。武器調達には必須だろ?」



そりゃありがたいカードだけど、店側の儲けとかどうなってんでしょ。


とりあえず宝物庫目指して、バーツを先方に全軍派遣。僕は村へと訪問しに行く事に。


するとその途中、西からペガサスナイトが二騎飛んできた。

どっかで見たような…あれはカチュアじゃないか。



カチュア「マルス様お久しぶりです!カチュアです!」


マルス「やあカチュア、君も無事だったんだね。あの後どうなったのか心配してたんだよ」



むしろなんであの時帰っていったのかいまいち謎なんだが。



カチュア「ありがとうございます!おかげでミネルバ様が、ようやくマルス様の味方になれたと聞いて姉と共にマケドニア軍を脱走しここでお待ちしていたのです。頑張りますからよろしくお願いしますね」


マルス「こちらこそよろしく!…でそちらがお姉さん?ミネルバの話だと確か…」


パオラ「はい、マルス王子、はじめまして。白騎士団のパオラと申します」


マルス「やっぱり君がパオラだね、よろしく」


パオラ「これまでは、心ならずもドルーアとそれに加担するマケドニアに従ってきましたが、もう、その必要もなくなりました。私もミネルバ様と一緒に戦います」


マルス「うん ミネルバも君達の事をとても心配していた。後で顔を見せてあげてくれ」


パオラ「はい!ただ…」


マルス「ただ?」


パオラ「心残りは、下の妹エストがグルニアに行ったまま戻らないことです。あの子とカチュアそして私。3人一緒ならよりお役に立てるのですが…」


カチュア「ちょっとした必殺技があるんですよ♪」


マルス「へえ それは楽しみだなあ」



多分見ること無いけど。



とりあえず危ないので本隊の方へ合流してもらうとすると、また西からペガサスナイトが。



マルス「あれは?」


パオラ「私達とは関係ありません。敵の援軍かと…」



このタイミングでかぁ〜…本隊みんな向こう行っちゃったよ…

とりあえずパオラとカチュアを本隊へ逃がし、僕は予定通り村へ。

増援のペガサスナイトも都合よく本隊の方へ向かってくれた。


…本隊に被害が出ないかだけ心配だけど。オグマとか。


村に入るとなんか場に似合わない佇まいの男が一人寄ってきて僕に話しかけてきた。



???「君がアリティアのマルス王子か…」


マルス「そうですが…あなたは?」


???「わけあって名は明かせないのだが、1つ、頼みたいことがある」


マルス「頼みたいこと?」


???「この魔道書はアカネイアの司祭ボア様の物。ドルーアのボーゼンが隠し持っていたが
わけあって私が手に入れた。君からボア様に返してくれぬか」



ボーゼンってジェイクのクインクレインで何もせずに死んでいった彼ですか。ボア様は…えーとこないだミディアと一緒に入ったおじいさんでしたね。



マルス「わけあってって…なぜドルーアの指揮官と面識が?あなたは…一体…」


???「… それと…ニーナ姫をよろしく。君の手で守ってあげてほしい。では失礼する。きっとまた会うこともあるだろう」


マルス「ニーナ様を…!? ちょっと…!待ってください!」



呼び止めに応じる気配も無く、彼は去っていった。


ボア様に渡せと言われても彼はカインやバヌトゥと将棋をやっているだけなので、こんな魔道書なんて必要ないのだが。


とりあえず貰った魔道書片手に本隊へと向かうと、なんか城壁越しにペガサスナイトが手槍でバーツに喧嘩を売っては殺された。


手槍を持っていないペガサスナイトも大回りして本隊へ向かっていくが、飛距離を計算されてカシムとゴードンに待ち構えられて撃ち落とされた。可哀想。


その傍で血走った目でエクスカリバーの書を持った魔道士がアベルに取り押さえられていたような気がしたが、私は何も見ていない。


そして後から後からペガサスナイトの増援が来るのだが、みんな同じパターンで撃破されていく。目の前の光景に学習していないのだろうか。面白いので参加せずにその場でしゃがんで見る事に。


お茶持ってくれば良かったな〜


気持ちの良い日差しを浴びながらボケッと見ていると、ついに増援も来なくなり、流れ作業のような戦闘は終了。


その間「離せぇ〜!!エクスカリバー!!エクスカリバーを使わせろぉぉおおお!!!ちくしょぉおおおお!!!」と雄たけびがこだましていたが、僕は鳥の鳴き声か何かだと思う事にした。


しばらく様子見で備えていた本隊も、もう来ないと見て陣形を緩めて何か話し合ってるので、僕も行くことに。



ジュリアン「あ 大将。そっちも無事済んだみたいですね」


マルス「うん、みんなに任せ切りにしちゃったけどね。こっちも被害は無いようだね」


ジュリアン「ああ 流石はバーツさ。レナの回復と合わせて何の問題もなかったよ。シルバーカードもご覧の通り。盗賊も倒して金塊もゲットさ」


マルス「あ 無事そっちも手に入れたんだね」


オグマ「私がキルソードの一撃で宝物庫前の敵スナイパーを仕留めましたよ!」



運が良かったね。


とりあえず残りは玉座周りだけか。

近衛のアーマーナイトを寄せる為、例によって僕が装備無しで壁と囮。近寄って来た後は特効武器をお持ちの方々の餌に。


玉座近くに居た僧侶はオグマが自慢の剣で斬り伏せた。


よく斬れるねー弱い相手だけは。


そんなわけでいよいよにっくきグラ国王ジオルだけとなった。


なんかキラーボウとか持ってる。
回すのは無理かな。しょうがない。



マルス「グラ国王、ジオル陛下。是非は問いません、お覚悟を」


ジオル「くっ、アリティアの敗残兵どもが…あの時、皆殺しにしておくべきだったわい」


マルス「…」


マルス「みんな聞いた?」


オグマ「聞きました」


マリク「聞きましたよー」


ジュリアン「聞いたな」


シーダ「…聞きました」


マルス「…素直に降参すれば命まではと…思っていたのに…」


ジオル「え!?いや!マルス殿!わしは実は!あのね!!」


マルス「バァァァァアアアアアアアアアアアツ!!!


バーツ「おぉぉおおおおおう!!!」



ジャンプ一番、バーツのハンマーが吼える、唸る、響く。


ジオルの脳天に金属の塊が落ちてきた。
哀れ、ジオルは頭部と胴体の境目が分からなくなる程一体化した。



マルス「父上…敵は取りました…」



憎き敵も終わってみれば弱いもの虐めだった気がする。



マルス「ニーナ様、グラ城の制圧がようやく終わりました」


ニーナ「ご苦労様でした。次は、いよいよマルスの母国、アリティアですね」


マルス「はい。そのつもりなのですが…」


ニーナ「何か問題があるのですか?」


マルス「…ファルシオンが見当たらないのです」


ニーナ「ファルシオン?では、あの神剣ファルシオンがここに?」


マルス「はい。先の戦いを生きのびてアリティアに戻った者から父コーネリアスが倒れファルシオンもグラの手に落ちた、と報告がありました。ドルーアの暗黒地竜メディウスと戦うことを考えれば、ファルシオンは絶対に必要なのですが…」


モロドフ「マルス王子!」


マルス「じい、どうだ、見つかったか?」


モロドフ「いえ。城内くまなく探したのですが…」


マルス「そうか…」


モロドフ「ですが、捕虜を尋問した結果大体の見当はつきましたぞ。どうやらガーネフが持ち去ったようなのです」


ニーナ「ガーネフが?それでは、ファルシオンは…」


マルス「おそらく、ガーネフがいる魔道の国カダイン…でしょうね。アリティアを目前にして残念ですがどうやら、一度カダインへ行く必要がありそうです」



故郷アリティア解放を目前にして歯痒い展開だが…ファルシオンは取り戻しておく必要がある。



マルス「全軍!進路変更!カダインへ進路を取る!」


オグマ「魔道士相手ならば軟らかくて斬りやすいですな!」




うるせえ。




 

 

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