マルスです。
我がアリティアを裏切り、父上を死に追いやった憎きグラも攻略―
と、戦いを決意したばかりの私ならばそう報告したかもしれません。
しかし、今の私は解放軍のリーダーとしての勤めを果たす為、グラ攻略を果たしたと考えております。
アリティア解放の為、そしてドルーアを倒し、世界を平和に導く為には私の私怨など取るに足りません。ただ、グラに奪われたはずのファルシオンが城内のどこにも無く、アリティアを前にして魔道の国カダインへ寄る必要が出てまいりました。
ファルシオン無くしてメディウス打倒は成しえません。
ガーネフと対決は避けられないでしょう。
いえ、討ち取れるならばここで倒しておかなければならない相手です。
姉上―
今少し辛抱を―
マルス「というわけでカダインだよオグマ」
オグマ「一気に砂漠地帯ですな」
アベル「砂に足をとられます、騎馬兵は役に立たないでしょう」
カシム「はは、それって自分の事じゃん」
シーダ「(ビンタ)」
カシム「ぐわっ!?」
いちいち一言多いが、確かにその通り。
しかし、どっちにしろどいつもこいつも役に立たないので、結局僕が出張る事になるだろう。
ただ問題は…
マリク「でもいくら王子でも今回は魔道士だらけですから、長く前線で壁は脹れないと思いますよ」
そこが問題だ。聖水やマジックシールドを使っても焼け石に水だろう。連続で魔法を撃たれたら如何に僕でもとてももたない。
それに…
マルス「ガーネフも黙っているわけが無い…」
オグマ「ですな…」
マルス「奴め…既に我々にも気付いているだろう。どう出てくる…?」
〜〜 一方… 〜〜
ガーネフ「何?アカネイアの残党どもがこの国に攻めてきたと?くくく…あやつら、何も分かっておらぬようじゃな。このマフーがあるかぎりわしは永遠に不滅なのじゃ。白き賢者よ。もはやお前にもジャマはさせぬ。古代神殿ラーマンの竜の女神が我が手の内にあるかぎり星の光が我が闇を照らすことはできぬのだ」
〜〜 再び 解放軍 〜〜
というわけで進軍だ。
川を挟んで、橋を渡れば中州が有り、その向こうには砂漠が広がっている。
そしてその中州には早速魔道士が二人待ち構えている。
僕が飛び込んで早速首を刎ねても良いんだが、経験値が勿体無い。
どうしたものか。
オグマ「王子!ここはお任せを!」
マルス「オグマ!?」
オグマ「ジェイク!」
ジェイク「おう!」
オグマの叫びと共にジェイクがストーンヘッジから岩を発射。
デカイ岩が中州でボケッとしていた魔道士一人の頭に命中。自分の頭と同じくらいの大きさの岩が激突したのにも関わらずなんとか生きてる模様。不思議。
オグマ「チェストォォオオ!!」
例によっておおはしゃぎ。
カダイン兵「ぐぎゃあああああ!」
頭部から血を流してフラフラの魔道士にトドメの袈裟斬り。
タダでさえHPの少ない相手を削ったところに、大喜びではがねの剣。
いじめみっともない。
オグマ「バーツ!」
バーツ「はい!隊長!」
そしてすかさずもう一人の魔道士の頭をバーツが斧でカチ割った。
オグマ「見ましたか!王子!このコンビネーション!これがタリスのオグマ隊の力です!」
ジェイクもいたじゃねーか。
ってーかタダのトドメ役のお前と違ってバーツは一撃だぞ。
オグマ「これぞ本領発揮。王子、貧弱な魔道士など我々にお任せを。王子はガーネフを…」
シーダ「北東よりドラゴンナイトが三騎!!」
シーダの指差す方向を見てみると、バサバサとドラゴンナイトが飛んできてる。
オグマ「ちぃいいいい!!!一時後退!王子!お頼み申します!!」
てめえ ふざけんな。
マルス「しょうがないな…マリーク!エクスカリバー解・禁!!」
マリク「ヒャーッはぁぁアアアアアアアアアア!!!」
マリク大喜び。
ゴードン、カシムの弓攻撃と合わせて難なくドラゴンナイトを撃破。
オグマ「適材適所ってやつですね!!お見事!」
姉上、僕は今憎しみの意味を始めて理解した気がします。
とりあえず目の前の敵を一掃したので、中州を占拠。
壁役の僕とバーツは聖水をかぶって魔法対策。
次々と敵魔道士がやってくるので、迎撃フォーメーションを組む。
すると…
ガーネフ「ふふ…アリティアの王子マルスよ…わしに歯向かうとは愚かな奴よ…」
マルス「ガーネフ!?」
なんと、迫り来る敵魔道士の中にガーネフが!
まさか魔王と呼ばれる男が直々にこの場に姿を現すとは…
マルス「貴様!ガーネフ!いつの間に!」
ガーネフ「馬鹿な男よ、宝物庫の方から自分の足でテクテク歩いて来ておったのに気付かぬとはな」
健康的なおじいちゃんですね。
何にせよちょうどいい、この場でこの男も討ち取っておくチャンス。この戦いを終わらす近道に他ならない!
マルス「しかしこちらとしては歓迎だよガーネフ。貴様を討ち取るのにわざわざ剣の届く範囲まで来てくれたんだからな」
オグマ「てめえこのクソ魔道士!俺達のヘッドに喧嘩売ってタダで済むと思ってんじゃねえだろうな!?あぁ!?」
オグマ超強気。
ってかどっかの不良グループの下っ端みたいだな、こいつ。
ガーネフ「わかっとらんな…が…すぐにわかるじゃろ…このマフーの恐ろしさを味わうがよい…」
マルス「ガーネフ!覚悟!!」
キルソードを抜き放ち、ガーネフに突撃する僕。
そういえばてつの剣以外を装備するのって久しぶりです。
老人を切り刻むというのは気が引けるが、容赦の出来る相手では…
マルス「!!? …な…なんだ!?身体が動かない…!!?」
おかしい。ガーネフに斬りかかった瞬間、身体の自由が利かなくなった。一体これはどうした事だ…!?
オグマ「ヘッド!?」
誰がヘッドだ。
いいからお前等も参加しろ。
バーツ「ちっ…(手斧を構えるが)…!?なんだ!?か、身体が!!?」
バーツまでもか。遠くではジェイクも射撃を試みているようだが、やはり身体が動かなくなっている模様。
これは一体どうした事だ!?
ガーネフ「これがマフーよ。どれだけ耐えられるかな?アリティアの王子よ」
ま、まずい…!!そう思った次の瞬間ガーネフの身体から邪悪な闇の波動が僕に向かって撃ち放たれた!!
そして!!
外れた。
マルス「…あぶねー」
ガーネフ「ぬう、照準が狂ったか。久しぶりじゃったからのぉ」
おっかしいなあとばかりに腰を叩くガーネフ。とりあえず今のうちに砦に避難。回避率がちょっぴり上昇。
ガーネフ「だがしかし、貴様等がわしに手を出せない事には変わらぬ。どれだけ耐えられるかのぉ」
遠慮なくマフーを連発するガーネフ。
砦の中にうずくまってなんとか回避する僕。気がつけば聖水を被ったシーダだけしか僕の周りにいなくなってる。
オグマ「王子ー!!王子ならこの危機を回避してくれると信じてますよー!!」
あいつ本気でぶん殴ろうかな。
バーツ「くっ!他にもまだまだ攻めてきやがる!このままでは王子が!」
聖水を被り、魔道士の一団に飛び込むバーツ。
ジェイクとの連携で、僕にトドメを刺さんと向かってくる魔道士を次々と撃破していく。
バーツ「王子には近づけやしねえ!!」
ば…バーツ…!!かっこよすぎる!かっこよすぎるよ!!
マリク「ドラゴンナイト倒しちゃったし、ガーネフ攻撃できないし、やることないなー」
このくそったれ野郎…
ガーネフ「流石にしぶといわ…しかし…残念だが、いつまでもお前の相手をしておれぬ。ファルシオンが欲しくばテーベまで取りに来るががよい」
攻撃が止んだ。
そしてそう言い残し姿を消すガーネフ。
何故だ…?一方的だったのに。
何にせよ生き延びたには変わらない。この機に攻めてカダインだけでも落とさなくては。
マルス「く…ガーネフめ…!!」
シーダ「マルス様!お怪我は…!?」
マルス「大丈夫だよシーダ、ありがとう庇ってくれて…君こそ怪我は?」
マリク「王子大丈夫ですかー!?傷薬持って来ましたよー!!」
マルス「(エクスカリバーの書を取り上げて、そのまま書でビンタ)」
マリク「はふぅ!?」
とりあえず体制を整える。バーツのおかげで被害も無かった。
マルス「ありがとうバーツ。おかげで味方に被害は無いようだよ」
バーツ「いえ…王子がガーネフの相手を一人でしてくれましたから…しかし攻撃が出来ないとは…」
マルス「うん…再びまみえるとして一体どうやって戦ったら…」
オグマ「降参した振りして毒を盛るとかどうでしょう?」
剣士の考える事か貴様。
とりあえず残りはカダイン城を守っている少数名。
援軍とかもなんだか結構出てきたが、自分達のボスがとっとと帰ってしまったせいか、どこか覇気が無い。可哀相な奴等だ。
城に近寄ったらウォームとか飛んできたが、すぐにシーダが飛んで行って刺し殺した。そしてちょっとして僕が辿り着き制圧。
こうしてガーネフがどっか行った後は、なんとなく作業的に戦は進行。
中州での戦いが一番の山場となった戦いだった。
マルス「ファルシオンを取り戻すことが出来なかったね…」
オグマ「初めての負け戦となってしまいましたな…」
君とか役に立たないからね。
シーダ「しかし神剣を取り戻せなければメディウスは…」
マルス「このままアリティアを解放出来たとしてもそれが果たせなければ元の木阿弥…一体どうすれば…」
ガトー「…マルス…マルス王子よ…」
マルス「! 誰だ!」
マリク「え!?何王子!?貴方の知らない世界体験!?」
ガトー「私はガトー…今、マケドニアから魔道によって話しかけておる」
マルス「ガトー…ということは白き賢者ガトー様?」
ガトー「…そう呼ぶ者もおるようじゃな。今からわしの話を聞くがよい」
まぁ直接話しかけられちゃってるから聞くしかないわけですが。
ガトー「そなたの察する通りファルシオンはガーネフが持っておる。マフーとファルシオンさえあればドルーアといえど簡単に逆らうことはできぬ。そして、いずれはドルーアをも従え世界を我が物にしようと考えておるのじゃ」
マルス「…マフーとはそれほどの魔法なのですか?」
ガトー「うむ。マフーを持つ者相手には普通に戦っても傷1つつけられぬ。かつては、禁断の魔法として我が手元で厳重に管理していたのだが、当時、ミロアと共にわしの弟子であったガーネフが盗みだし、姿を消したのじゃ」
…じゃあメディウスより性質悪いんじゃないか…
マリクのエクスカリバーの比じゃないぞ…
ガトー「その結果今、そなた達に苦労をさせておる。マフーを失ったのはわしの不手際。申しわけなく思ってな。そなたにマフーをやぶる方法を教えようとこうして話しかけておる」
そんな待ち合わせ時間を間違えて伝えちゃった、みたいなノリで言ってないで、あんたがガーネフを何とかしろよと叫びたい。
マルス「その方法とは?」
ガトー「スターライト・エクスプロージョンじゃ。この呪文を持ってすればマフーの闇の加護を打ち破ることが出来よう」
マリク「スターライト・エクスプロージョン!?なんかかっこいい名前ですね!ド派手な攻撃を期待しちゃいますよ僕ぁ!」
目を煌かせて話に飛びついてきたイカレ魔道士。またこいつが喜んじゃうような魔法じゃなかろうな…
ガトー「だが、この光の魔法を作り出す為には光と星のオーブが必要となる。よいか、マルス。光と星のオーブをわしの元に持ってくるのじゃ。さすれば、授けようマフーをやぶる唯一の呪文…スターライト・エクスプロージョンをな」
探せって言われても目星も無いのにどうやって…
マルス「二つのオーブですか…どこか心当たりとかは?」
ガトー「無い!」
それでも大賢者か爺…