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前略、姉上様。











マルスです。ファルシオンを取り戻すべく、カダインへと侵攻しましたが、ガーネフの暗黒魔法「マフー」の前に敢え無く敗戦…


倒しておくべき相手と活き込んで迎え撃ったにも、何一つ手が出せず、我が軍初の負け戦となってしまいました。


メディウスを倒し、世界に光を取り戻す為にはガーネフの打倒は必須。しかし一体どうやって戦ったらいいのか…


そんな中、白き賢者ガトー様の声を聞き、星と光のオーブさえ手に入れれば、マフーに対抗出来る魔法を授けて貰える事に。


まだ、希望の光は消えていません。オーブを探しながら、解放戦線を広げていく事と致しました。



次はいよいよ我が故郷アリティア…



姉上― いよいよ―




マルス「ついに戻ってきた…」


ニーナ「マルスここがあなたの国アリティアなのですね」


マルス「ええ。ドルーアに占領されてから少なからぬ月日が流れました。あの日姉エリスをはじめ、色々な人に助けられて私と僅かな者だけがタリスへと逃れることができました」


ニーナ「…その後、お姉様は?他のご家族の方はどうされたのです?」


カシム「無事なわけ無いじゃん、何言ってんのこの人」


シーダ「(往復ビンタ)」


カシム「ぐわわっ!?」


マルス「…父はグラで命を落としました。母と姉はアリティア落城の後生死も定かではありません。ですが、なんとか生きていてほしい…そして万一敵の手に落ちておられるなら必ず取り戻してみせます」


マリク「エリス様…囚われておいでなら必ずこの僕が!」


リンダ「(ぴくっ)…誰?」


オグマ「マルス王子の姉上だ」


リンダ「王族!? …身分違いだし大丈夫よね…」



そうでなくとも、こんなイカレ魔道士に姉上を任せるつもりは無いので、変態魔道士同士で仲良くしてて下さい。



モロドフ「マルス王子進軍の準備が終わりましたぞ」


マルス「そうか、分かった。さあみんな、行こう!わが祖国アリティアの自由と平和の為に!!」


一同「ははっ!!」



というわけで進軍。


いよいよ故郷アリティアの解放戦線。
城周りに大部隊が固まっている。城へは村への大回りの経由ルートと、東南の牢獄を越える距離的には短いルートがある。



オグマ「どう部隊を分けます?王子」


マルス「僕は村へ寄るついでもあるから、大回りのルートを行くよ。敵部隊にはドラゴンナイトも見えるそうだから、君達はまずはそいつらを片付けてくれ」


ジェイク「あの距離なら俺のシューターで攻撃も可能だな、誰かこちら側へ引き寄せてくれれば完璧なんだが」


マルス「ならドラゴンナイトを倒した後、バーツは対岸に位置し、ホースメンの相手を。シーダは対岸へ飛んでソシアルナイト達を。シーダ、危険な役割だけど頼めるかな?」


シーダ「はい!お任せ下さい!」


バーツ「王子、引き寄せると言っても、向かってくるホースメンは…」


マルス「勿論殺っちゃっていいよ」


オグマ「その間私達は?牢獄へ?」


マルス「どうにかできると思えないからジュリアンと大人しく僕の後着いて来て」



というわけでジュリアンとオグマだけ連れてのしのしと進軍。

以前ブーツも使ったので、移動力も騎馬兵並になってる為、あっという間に本隊と後続は後方へ。最近司令官として間違ってる気がしてきてるが、他に安定した作戦も無いのでしょうがない。


途中民家に寄って話を聞くと、ちょっと重要な話を聞けた。



村人「大事な話だからよく聞きなされ。この国の北西に2つの村がある。西の村にはアランというパラディン。東の村にはサムソンという勇者がいる。2人ともよい男じゃが残念な事に村同士の仲が悪い。どちらか1人しか仲間に加わらぬと思っておいた方がいいじゃろう。よく考えてから訪ねるようにしなされよ」



やっと帰ってきた自分の国の王子に対して、平伏もしない我がアリティアの民。


おまけにどこか上から目線。

僕の事忘れてんじゃないかと少し落ち込んでしまった。

そして、この戦争中に村同士のん気に争ってるとか言ってるし。大丈夫なのか、我が国は。


とりあえずまぁその辺は置いといて、また新たに仲間が入る模様。正直もういらないんですが、シカトもなんなんでどっちか声をかける事に。


勇者とパラディン…こんな時期に上級職とか来られても成長期待できないしなぁ…うーん…どちらにしようかな…



ここ(民家)から近い村に入ればいいか。



というわけで手前側の村へお邪魔したところ、サムソンが声をかけてきた。



サムソン「私はサムソン。かつては、剣闘士として名声を得たこともある。わけあって、今はこんなところで暮らしているが私で良ければ力になろう」



人の国の村をこんなところ呼ばわり。
お前目の前の人間が誰だか分かってますか?



サムソン「ただ、隣り村とこの村は昔から仲が悪い。王子がここを訪れた事を知り彼らは門を閉ざしただろう。聖騎士アランを仲間にする事は諦めた方が良い」



僕が一声浴びせれば、仲も悪いもクソも関係ないと思うんだが、まぁめんどくさいので放置。

とりあえず予想通り、かつては名声を得た剣士の腕前も見る限り大した事は無い模様。大人しく村の北の砦にいてもらうことにした。


さて、このまま進軍するつもりだったが、そういえば僕はレベルが30である。向かってくる敵を全部斬り捨ててももったいない。


後からついて来たオグマ達に砦を陣取らせ、のんびり城へ向かうことにした。
その際、村へと向かって来ていた盗賊が行き場をなくし困っていたが、弱い者虐めが大得意なオグマに斬り殺された。いつも通り。


歩きながら本隊の戦いを遠めで見ていると、シーダが敵本隊へ近寄ったり、離れたりしているせいで、騎馬兵があっちいったりこっち行ったりしている。そこへジェイクに岩を落とされて次々と潰れた。頭悪い。


ホースメンは対岸からバーツに喧嘩を売っては、次々と頭をカチ割られて死んだ。

ドラゴンナイトはというと、気付いた頃には姿が見えなくなっている。イカレ魔道士の奇声は聞こえなかったので、多分カシムとゴードンを中心に片付けたのだろう。


とりあえず大丈夫そうなので、僕は民家を回り、情報を集めることにした。アリティアの王子を前にして「あんた達アリティア軍の人達だね!」とか寝ぼけた事を言う奴も居たが、他には色々貴重な話を聞くことが出来た。



「東の牢獄にはチェイニーという若者が捕らえられてるらしい。噂じゃ凄い力を持ってるらしい」



凄い力持ってるならなんで捕まってるんだ。



「メンバーカードがあれば秘密の店に入れるって話よ。でも、そのお店がどこにあるかは誰も知らないらしいわ」



それはデマって言うんじゃないのか。



「ラーマンの神殿には偉大なる力を秘めた3種のオーブがある。その不思議な力は手にする者だけが知る事となろう…」



ここでなんとオーブ情報を入手。ガトー様も教えてくれなかった大事な話をそこらの爺様が知っていた。しかもなんか大物臭い口調。なんなんだこの爺。


そんな最中、東の空からシーダがやって来た。



シーダ「マルス様、こちらにおられましたか」


マルス「うん、村も訪れたし、本隊の方も心配無さそうだからね。そっちは片付いた?」


シーダ「はい、敵将ホルサード以外は全て。牢獄も既にバーツが入り口の勇者を倒してます」



扉越しに手斧シュートか。やはり流石すぎる。



マルス「なら僕も牢獄へ向かおう。情報によると何者か捕らえられてるらしい。バーツとレナ以外はオグマ達と合流してくれ。砦に増援が控えてるらしいし」


シーダ「わかりました。…それと私もついにレベル20になりました」


マルス「ホント!?ならこれを(マスタープルフを渡す)」


シーダ「ありがとうございます!」



これでシーダもドラゴンナイトへ。総合的にかなり強くなってるのだが、いかんせんHPが少なすぎ。クラスチェンジで多少伸びたが、正直前線は張れそうにはない。


クラスチェンジ後、颯爽と本隊へ戻っていくシーダ。今まで乗っていたペガサスはどこへ行ったのだろう。そんな事を考えつつ彼女を見送り、牢獄へ急ぐ。鍵は持ってるので、開錠は問題ない。


牢獄前に辿り着き、鍵を取り出そうと懐を探っていると…扉が突然バァアアン!と開いた。



マルス「うわぁ!?びっくりしたー!」


バーツ「あ 王子!ご無事で!」


マルス「バーツかい!?君一人で既に突入していたのか」


バーツ「へい、とりあえず中を確認しようと思いまして…そしたら敵は勇者一人しか残ってなかったもんでさっくりと。倒した勇者からこれも手にいれました(マスタープルフ取り出し」



頼もしすぎる。砦から増援が出てこないように塞いでるだけのオグマとは違いすぎる。


そういえば彼もなんだかんだでそろそろレベルが20になるので、クラスチェンジ候補である。しかし正直どうでもいい。


ちなみに現在我が軍の二次職はバーツ、レナ、シーダである。今度のマスタープルフはどうしよう。



バーツ「あ それと牢獄に一人捕らわれていた者が」


マルス「ああ 聞いてるよ。えーと…?」



奥に目をやると、バーツの後ろからヒョッコリ人影が現れた。なんかひょうひょうとした若者である。



チェイニー「やあ、アリティアの王子。おかげで助かったよ。俺の名はチェイニー。遠い国からやってきたんだ」



どこだよ。



マルス「チェイニーだね。すまなかったね、我が国でこんな目に遭わせてしまうとは」


チェイニー「俺達には誰にでも変身できるって力があってね。それを知ったドルーアの連中が仲間になれっておどしてきやがった」


マルス「誰にでも変身…?」


チェイニー「だけど悪党どもに手を貸すのは真っ平ゴメンだからね。助けてもらったのも何かの縁だ。奴らを倒す為に力を貸してやるよ。まぁ、よろしく頼むぜ」


マルス「僕やバーツに変身する事も出来るの?」


チェイニー「勿論さ、ほれ」



チェイニーの体が光ったと思ったら、次の瞬間、なんともう一人僕が現れた。



バーツ「ホントに王子になった!?」


チェイニー「能力もそのままだぜ。体力だけは真似出来ないのがネックだけどな」



つまり打たれ弱いのか。


うーん 運用を間違わなければ物凄い戦力だが…



マルス「…一番は影武者になってもらう事だよね…」


チェイニー「…ボソリと何言ってんだお前…」



というわけでチェイニーも無事救出したので、城へ攻め込む事に。

すると、なんだか城周りからアーマーナイトの増援がわらわらと現れたが、バーツのハンマーの餌食となった。多少数がいるのでバーツが治療の間は僕が引き寄せ。勿論装備は外してある。哀愁。



そんなこんなでアーマーナイトを皆殺しにすると、本隊も増援を叩いて虐めて来た様なので、合流。



マリア「マルス様、私もレベル20になりましたよ♪」


オグマ「私もです!王子!!」


マルス「そう、じゃあこれ(マリアにマスタープルフ)」


マリア「え!?良いんですか!?」


オグマ「あれ!?」


マルス「回復役の方が早く伸びるしね、クラスチェンジは早い方がいい」


マリア「ありがとうございます!」


オグマ「王子!私には!?」


マルス「もう無いよ」



あっても君の前にシーザにあげるけど。

ちなみにイカレ魔道士はまだレベル20に届いてない。飛行ユニット以外基本的にやる気がないので、伸びが悪いのである。



というわけで城へ。


たった一人になり、青ざめた顔で花占いとかしていたホルサードをバーツがハンマーで叩き潰して城外戦は終了。



モロドフ「敵の抵抗がほとんどなくなりましたぞ!我が軍の勝利です!」


ニーナ「おめでとう、マルス。あなたが、父祖伝来の地アリティアを奪還された事、アカネイア王家を代表して心から祝福いたします」


マルス「ありがとうございます。ですが喜んでばかりもいられません。まだ城内の制圧が残っています」


モロドフ「王子、城に突入する為に皆が集結しています。なにかお言葉を」


マルス「わかった。アリティアの兵士達よ。そして、共に戦ってきた勇敢な仲間達よ。ようやく、ドルーアの手から我が祖国アリティアを取り戻す事が出来た。君達の協力のおかげだ。本当にありがとう。でも、城の中にはまだ大勢の敵が待ちかまえているだろう。みんな!油断するな!!」


一同「おおおっ!!!」


マリク「城内って飛行ユニットほとんど出ないからテンション上がらないんだよねー」




この野郎…




 

 

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