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前略、姉上様。











マルスです。ついに…ついにこの日がやってまいりました。

姉上に助けられたあの日の事を忘れたことはありません。日々悔しさと悲しさに溢れ、そして襲われて参りました。


必ずやいつか舞い戻り、故郷を取り戻し、姉上達をお助けしてみせる…その事だけを考えていました。


そしてついに今日、その日がやってきたのです。




姉上― マルスは戻って参りました―



必ずや―








マルス「…いよいよ来た」


オグマ「宿願のアリティア城奪回ですな…」


シーダ「ようやくここまで参りましたね…」


マルス「ああ…これもみんなのおかげだ。ありがとう!凱旋を果たすまであと一歩だ!」


カシム「所属メンバーのほとんどが役立たずでただ飯喰らいだけどね」


シーダ「(ビンタ)」


カシム「ぐわっ!?」



正直僕もずっとそう思ってきたわけだが。
というか中盤から僕一人だけで良かったんじゃ。



アベル「しかし王子、決して焦りませんように。指揮官は悪名高い魔竜モーゼスと聞きます」


マルス「モーゼス…、カミュ将軍にかわって占領軍の指揮を取るようになったそうだな…そして罪もない多くの人々を殺した残虐な男だと…」


アベル「余裕を無くして冷静は有り得ません。そこを見逃す相手でも無いでしょう。お気持ちはわかります、いえ同じですが、くれぐれも逸りませんよう」


マルス「わかっているよアベル。ガーネフの時の事もある、事態を見る事も忘れないつもりだ。よし!全軍突撃!確実に敵戦力を削いでモーゼスを追い詰めるぞ!」





〜〜 一方 玉座の間  〜〜




モーゼス「ふふふ…アリティアの王子め。のこのこと死ぬ為に帰ってきおったか。折角助かった命をわざわざ捨てに来るとは愚かな事よ。だが、少し遅かったようじゃな。お前の母リーザは既に、わしがこの手で殺し、姉エリス王女はガーネフの求めに応じてくれてやったわ。さて、命からがら逃げ出した小僧がこのメディウス王第一の僕、モーゼス様を倒せるかな…ふふふ…」 




〜〜 再び解放軍 〜〜




というわけで進軍である。いよいよ祖国の解放だ。


入って右に扉を隔てて玉座の間、左には宝物庫。敵のほとんどは宝物庫周辺に固まっている。まずはここを叩き、宝を奪われないように回収、陣を取るべきだろう。



マルス「ジェイク、とりあえず宝物庫に向けて攻撃して敵の体力削ってよ」


ジェイク「アイアイサー」



ジェイクの遠距離攻撃開始。


マムクートがいきなり向かってきたが、ディフェンスに定評の有る僕が壁に。てつの剣で削って、カシムがパルティアで射殺した。


このまま向かってくる連中を適当に相手して、ジェイクが遠距離攻撃で宝物庫の敵を倒せば終わりじゃね?と思われたが、そうも行かなかった。


玉座周辺の敵司祭がリザーブで削った相手の体力を回復してしまったのである。



オグマ「これは面倒ですな…」


マルス「与えて削ってのイタチごっこは御免だね…   バーツ!!


バーツ「へい!」



バーツが走って行き、壁越しに手斧シュート。ここからでは見えないけれど、敵司祭の頭は海岸の置いた真夏のスイカのようになったに違いない。
続いて中に居たスナイパーがバーツに喧嘩を売ってきたが、結末は語るまでも無い。


そんなわけで安心して砲撃が再開出来る様になった訳だが、ジェイクの武器の残弾がかなり少なくなってる事に気づいた。ある程度ダメージを与えるだけにして突入して倒さねば。



…しょうがねえな…


念の為聖水をかぶり、傷薬を持って装備を外して前線へ。


寄ってかかって遅い来る敵、サンドバックのような僕、飛び出す弓兵とノリノリのオグマ。


怪我人は僕だけで済み、敵は順序良くあの世へ旅立った。

すぐにマリアが駆け寄り、回復をしてくれたので、またすぐに矢面へ。



マリア「流石マルス様♪見事な作戦ですね☆」



総大将が壁をやってるこの事態に違和感は感じないんでしょうかお姫様。


こうしてアタックチームは基本僕の後ろに隠れ、敵の攻撃が止んだところを狙ってジェイクが手負いにした敵兵士を叩いていった。


バーツだけは勢い良く乗り込んで次々と敵を倒して行ってくれた。



バーツ「王子にばかり苦労をさせませんよ!」



あれ…?なんだろう涙が…


そんな感動の涙を横に、オグマは弱った魔道士や、距離を詰められて手が出せなくなったスナイパーとかを喜んで斬っていった。



お前もうレベル20だろ。



ちなみにイカレ魔道士は、



マリク「やっぱ飛行ユニットいねえよ…はいはいフャイヤーファイヤー」



超やる気の無い顔で適当に火をつけていた。お前、姉上をその手で助けるんじゃなかったのか…


そんなわけで宝物庫周辺は制圧。宝を回収し、玉座の間へ攻め込むだけとなった。



マルス「あ マスタープルフだ」



宝箱を開けていくと、品切れとなっていたマスタープルフを発見。
うちの一軍の傭兵二名がレベル20にはなっている。



マルス「勇者になっておいてもらわないとな…」


オグマ「(ついに俺もクラスチェンジ…!!)」


マルス「はい シーザ」


シーザ「ありがとうございます」


オグマ「あれー!!?なぜ!?」



なぜだろうね。



というわけでシーザクラスチェンジで勇者に。

そのおかげでそこそこ強くなったので、割かし前線は張れるかも。

いよいよ玉座の間へ突入だが、近寄ると中からウォームの魔法が飛んできた。



バーツ「先ほどは範囲に入ってなかったようで、大丈夫でしたが…扉の前は危険ですね」



ちなみにバーツは敵司祭とスナイパーの他に、中に居た魔道士も始末していてくれている。もはや英雄。



マルス「うん、軟弱なジュリアンだと危ないかな…」


ジュリアン「すいませんね。だが聖水をかければ、他の敵に襲われない限り一回は余裕で持つぜ」


マルス「ふ〜む…ジェイクで倒してしまうか、扉を開けたらすぐに駆け込んで倒してしまうか…」


ジェイク「こっちはもう残弾がすくねえ、これからの事を考えるとあまり消耗は得策と思えないぜ。他に有効な手があるならその方がいい」



となると…


はぁ…しょうがないな…


とりあえずてつの剣を手にし、扉の近くにスタンバイ。



マルス「ウォームを放ってくる相手までいきなり飛び込めるか分からない、ジュリアンが襲われないように壁になりつつ、必要なら返り討ちにする」


バーツ「自分もすぐに後へ続きます、それと王子、さっきこんなものを」


マルス「(一枚のカードを受け取る)ん?メンバーカード?」


ジェイク「あーこれだな、秘密の店に入れる会員証って。場所さえ分かれば特別な物が手に入ると思うぜ」


マルス「う〜ん… まぁ時間見つけて探してみようか…とりあえず…突入だ!ジュリアン頼む!」


ジュリアン「あいよ!」



ジュリアンが扉を開け放ち、すぐに飛び込む僕。


するともうアーマーナイト二体と敵司祭一人しか玉座周りには居らず、奥の玉座にぽつんとモーゼスが座ってるだけとなっていた。


なんか楽勝臭いので、アーマーナイトにジュリアンが襲われないようにだけ、位置した。


すぐにバーツも飛び出して、アーマーナイト一体を手斧シュートで空と海の狭間へ送った。


敵司祭がジュリアンではなく僕に向けてウォーム発射、念の為に聖水をかぶっていたが、当たる事無く回避。残りのアーマーナイトもバーツに喧嘩を売って、さっきのアーマーナイトの後を追った。


オグマが喜び勇んで敵司祭を斬り倒そうとしたが、勇者になったシーザに先手を取られた。



シーザ「あなた今レベル20でしょ!今の状態で弱者いたぶってどうすんです!王子が何の為に体張ってると思ってんですか!」



あれ…?またなんだか涙が。シーザ、クラスチェンジを機に君の見方を変えなければいけないようだ。



マルス「とりあえず残りはモーゼスだけか…いよいよ…!」


シーダ「いえ!マルス様あちらを!増援です!」



シーダの指差す先を見ると、玉座ぐるっと囲んでいる堀を回った先の通りからアーマーナイトとソシアルナイトが次々と現れている。

とは言っても、堀を飛び越えてくる能力などないので、ぐるっとその周りをまわってからこちらへとやって来ている。



マルス「こっちへ来るまでそこそこかかりそうだね、敵アーマーナイトは手槍装備みたいなので、バーツは堀越しに手斧で仕留めて。アベルとシーザは向かってくるソシアルナイトを足止め、順に撃破してくれ」


アベル「了解です。王子はモーゼスを…?」


マルス「いやぁ…はじめはそう思ったんだけどね…」


カシム「相手はマムクートで玉座から動かないんだから、以前と同じ手でいけばいいんでしょ」



正解。


カシムとゴードン、シーダで間接攻撃。モーゼスは変身しては元に戻り、また変身しては元に戻った。当然竜石はどんどん使用回数が減っていく。バーツがアーマーナイトの頭を巻き割りのように割り、アベルとシーザが連携してソシアルナイトを一掃した頃使用残数は完全に切れた。



マリク「残ったのはただの爺いですね」


マルス「そういや若いマムクートって見たこと無いよね」



増援もいなくなったので、のんびりとモーゼスを片付ける準備を始める僕等。この期に及んでモーゼスは玉座から動かない。可哀想な役目である。

さて、いよいよこの変身能力を無くした老人に止めを刺して終わりなわけだが…



ジュリアン「おーい大将、なんか奥に扉があるけど、ありゃなんだい?作りからしてどこの部屋にも繋がってないし、ただ扉だけあるんだけど」


マルス「扉?」


ジュリアン「ああ、ちょうど玉座の裏くらいに位置してるんだけど」


マルス「そんなのあったっけ…?見てみよう」



ジュリアンについていくと、確かに掘り回りの通路の壁に扉が。しかしこの壁は部屋の区切りではなく、外壁であるはず。しかもこの壁の向こうは外堀で入り口には使えない。



マルス「堀の水を汲んだりする為の仕切りかな?僕に覚えは無いんだけど…」


ジュリアン「とりあえず気になるなら開けてみようぜ。よいしょっと」



ジュリアンが扉を開ける、そして奥を覗き込むと…



秘密の店の店員「いらっしゃいませ」




店ー!!?


なぜ我が王宮内にこんな店が!?しかも玉座の間だしドルーア占領下!!
おまけに戦闘中なのに普通に営業してるよ!



マルス「なぜアリティア宮殿にこんな店が!?」


ジュリアン「そういや大将、さっきバーツからメンバーカード受け取ったっけ!」


マルス「そんなの問題じゃないよ!?君、いつからこんなところで営業を!?」


店員「ご注文はなんにします?」



聞いてねえ…


とりあえず文句を言おうと思ったところ、店内の品が目に入った。

キルソードやドラゴンソード、キラーアクスにキラーボウなど、普通では中々手に入らない武器が普通に売っている。


確かに貴重な品揃えだ…



マルス「ロングボウもあるね…」


ジュリアン「ゴードンに渡しとけばかなり戦局を変えると一品だな…」



とりあえず言いたい事は置いといて、ロングボウをあるだけ買っておく。他にも適当に注文。念願の凱旋を目の前にこんな悠長な時間を過ごしていて良いんでしょうか。



店員「またおねがいしまーす」



仕入れるだけ仕入れたところで退店。

僕の国の僕の王宮のはずなのになぜ客になっているのだろう…

狐につままれたような思いで本隊へ戻ると、既にモーゼスは他界。



アベル「すいません王子、クリティカル入ってしまいまして…」



いいよどうでも。


そんなわけで制圧。なんだか釈然としない感じで故郷解放を果たした。

気を取り直して王宮内を探索。


母上、姉上は…?



するとゴードンが近寄って来て、モーゼスを虐めていた最中、聞き出した事があるとの事。


それは…



ニーナ「マルス! どうでしたか?あなたのご家族は…お姉様は?」


マルス「…姉は…どうやら…ガーネフによって連れ去られたようです…そして、は…母は…母上は…敵の手にかかって…」


ニーナ「!! なんということ…」


マルス「やっと…やっとの思いで…ここまで…来たのに…母上は…もう…この世には…おられず…姉上を…取り戻すことも出来ず…」


ニーナ「マルス…」


モロドフ「…マルス王子よろしいですか?」


マルス「かまわない。どうしたんだ、モロドフ」


モロドフ「アリティアの解放を喜び大勢の市民が集まって来ております。王子のお姿を一目でも見たいと…」


マルス「そうか…わかった。今行く」


ニーナ「マルス…いいのですか?今、解放を喜ぶ気分にはなれないでしょう。ここは代理の者をたてても…」


マルス「いえ、そうはいきません。今日は祖国が解放された記念すべき日。私が真っ先に祝福できねば死んでいった者たちに申しわけが立ちません。私は一個人マルスである前にアリティアの王子なのです。じゃあ行こうか、じい。みんなが待っている」



こうして我がアリティアを解放する事が出来た。ドルーアの圧政に苦しんだ人々は先を競ってアリティア城に集まり、互いにこの日が迎えられた事を祝福しあった。


僕が姿を見せると、集まった民衆から『アリティアの光の王子スターロードマルスに栄光あれ!!』と喝采を浴びた。


僕はそんな人々に精一杯の笑顔で応えた。胸の内から突き上げる悲しみを押し殺して…




マリク「エリス様はガーネフに… よーし!スターライトが手に入ったら僕がかっこよく決めて助け出しちゃうぞー!!」




キルソード。キルソードはどこだ。




 

 

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