マルス「ついに…来た…」
エリス「決戦の時ですね…マルス…」
マルス「はい…辛く苦しい戦いの日々でした…そして辿り着いた今日、この日の戦いの行方でそれが報われるか…水泡に帰すか…」
エリス「マルス、大丈夫です。あなたこそ英雄アンリの血を引く唯一の男子、恐れる事などありません」
マルス「姉上… … この戦いの中、不安の闇に押し潰されそうな私が、信じ、戦う希望を失わずにいさせてくれたものが二つあります」
エリス「…? それは?」
マルス「一つは共に戦ってきた仲間達…そしてもう一つは…姉上…あなたが必ずや生きていて下さるであろうと…そして必ずお救いすると…戦う力を与えてくださいました…」
エリス「マルス…」
モロドフ「マルス王子!ガトー様が、こちらに…!」
ガトー「マルスよ。よくぞここまで頑張ったな」
マルス「ガトー様!?どうして、ここへ?」
ガトー「わしは、はるか昔愚かな人間達に愛想をつかし関りを断った。だが、お前やその仲間達の戦いを見ているうちにまだまだ人間も捨てたものではない。そう、思うようになっての。老体ながら手伝わせていただこうと考え参った次第じゃ」
マルス「では、お力をお貸しくださるのですか?」
ガトー「うむ。わしとて、メディウスにはかなうべくもないがザコどもはこの年寄りにおまかせ願おう。だから、安心してゆくがよい。神に選ばれしアリティアの光の王子よ」
マルス「ガトー様…」
エリス「さあ…行くのですマルス。あなたがここまで戦い来れたのは紛れも無くあなた自身の力。その自分の力を信じるのです。そして共に戦った勇者達の力を。あならならば必ずこの世界に再び光を灯してくれる事を。私は信じています!」」
マルス「はい…!さあみんな、行こう!地の底から蘇った暗黒竜メディウスを永遠の闇に葬り去るために!そして、失われた光をこの世界に取り戻すために!!」
マリク「おう!」
アベル「はっ!」
リンダ「はいっ!」
カシム「うーす」
マルス「…」
マルス「…あれ?なんでこんだけしかいないの?」
アベル「どうやら敵の陽動に引っかかったようで…開け放たれた四つの入り口にそれぞれ分かれて入ってしまったようです…」
マルス「えー!?てことはバーツもジェイクも別のところ!?シーダすら!!? オグマは…まぁどうでもいいや」
カシム「王子が勢い良く突っ込んで行くからでしょうが…指揮官ならちゃんと全体を把握して…」
カシム「…!(あたり見回し防御姿勢) …シーダ様が傍に居ないから今日は無事だ…」
マルス「うう…返す言葉が無いけど…突入した時のあのノリで付いて来ないで分散しちゃうのもどうかと思うよ」
カシム「まぁ 確かに普通全員王子に続きますよね。特に傍にいた人達。オグマさんとか」
アベル「入り組んでいますし、これまで以上に手強い敵も待ち構えているでしょう。これは厳しい出だしになりましたな…」
最初に入れた気合が馬鹿らしくなってきたな。
一旦入り口に戻って全員集めなおしたい。
マリク「王子!?あぶねえ!?」
マルス「へ?」
マリクの指す方向を見ると、なんかエレファントが飛んできてる。
すかさず回避する僕。おいおい…この狭い戦場で敵シューターまでいるのかよ…
マルス「あぶねえ〜…」
マリク「しかもかなりの攻撃力だったようだ…レナさんやマリアさんが狙われたら一発で終いだぜ…」
君も貧弱な部類の賢者なわけですが、極道入りしてから数に入ってないようですね。
ガトー「わしのウォームがあればこちらも遠くへ反撃は出来るぞ」
マリク「ならガトーのおやっさんと俺とで受け渡しを繰り返して、遠距離から仕留めて行くべきだな…」
大賢者に向かっておやっさんてあーた。
まぁ良い手には違いないので、そこには異論は無いけれども。
マルス「よし、ならまずは二人に敵シューターの始末を頼む。リンダは僕を中央通路へワープで送って。出来るだけ数を減らしてみる」
リンダ「わかりました!ファイト!マルス様♪ 私、マリクの傍で頑張りますね♪」
すいません致死率高すぎるんで、もうちょっと緊張感あげてもらえませんか。
マルス「アベルとカシムは遠回りして、後ろから僕と交戦に入った敵を叩いてくれ」
アベル「はっ!」
カシム「その前に道具屋行っていいですか?傷薬切らしちゃったんで」
マルス「はっ!?道具屋あるのここ!?」
カシム「ええ 僕等が入ってきた入り口んとこに」
…誰が営業してんだ…
そもそも戦争中に買い物ってなんだかおかしい気がしていたんだが…
まぁ 今更気にしてもしょうがあるまい…
リンダ「ではマルス様!いきますよ!」
マルス「うん!よろしく!」
リンダ「ワープ!」
中央に飛んだ僕は、すぐに目の前にいた敵司祭を斬り倒す。
背後に僕を襲ったと思われるシューターが見えたが、ガトー様とマリクを信頼し、シカト。
信頼通り、ウォームが二回連続飛んできて、シューターを撃破。
二回目のウォームがやたら気合入って飛んできたので、多分アリティアの龍の仕業と思われる。
一人孤立した僕に襲い掛かる敵軍団。どいつもこいつも勇者の槍。おまけに攻撃力高い。おまけに奥にはもう一体敵シューターがいるし。僕ではなく他の誰かと交戦中のようで、こっちには飛んでこなかったが。
確実に反撃で一人づつ始末するが、終わった頃には正直ギリギリ。もう一人襲い掛かってきたとしたらさよなら現世だった。
マルス「こ…こいつら強ぇ…やばい正直やばいよこれ…」
マリア、そしておそらくはレナからダブルでリザーブがかけられる。
他でも戦っているであろうから、リブローよりリザーブで正解か。オグマとか生きてるんでしょうか。
とりあえずあのシューターをなんとかしないと…
完全には回復しきっていない体をひーこら動かして敵シューターに向かおうとすると、あれ?既に死んでるぞ?
するとプシューンプシューンと左奥からジェイク登場。敵シューターを撃破していたのは彼のようだ。
ジェイク「お? 王子来てくれたのか。いや、こっちはちょっと人数少なくてさ、正直不安だったとこだぜ。とりあえずぶっ放す物はぶっ放しておいたけどさ」
マルス「ジェイク!助かったよ…でもどうしてあっちこっち分散しちゃったんだい」
ジェイク「こっちは足が遅いからな…どっか撃ちやすい位置を取ろうと思って他から入ってみたんだが…まさかこんなに入り組んでるとは思わなかったぜ」
マルス「そっちには何人集まってるの?」
ジェイク「俺を入れてチキとシーザの3人だけだ」
チキ「おにいちゃーん♪」
シーザ「王子!ご無事で!」
すると二人もひょこっと顔を出す。チキはと言うと、ちょこちょこと走ってきて抱きついてきた。
マルス「とりあえず君等は無事か…他の皆とも合流を急がなきゃ…ここの敵は正直強すぎる…バラバラになってたらもたないよ」
シーザ「私では敵を細い場所で食い止めるのが精々でしょう…主な敵の撃破は正直
バーツ殿や王子に頼らざるを得ません…」
オグマじゃ話にならないわけですね。わかります。
ジェイク「すぐ奥のとこでも戦ってるみたいだ、まずはそこと合流して…」
マムクート「ぎゃああああああああああああ!!」
その時なんか竜の断末魔が耳に入って来た。
ちょうど話題に上がっていた奥の部屋である。誰かがマムクートを撃破してくれた模様。連係プレイか?単独だとしたら一人しか該当者はいない。
バーツ「王子!」
バァァァアアアアアツ!!!
亡骸となった竜の陰からひょこっと軍神登場。
そこに痺れる!憧れるぅ!!
マルス「無事だったんだね!良かったよ!」
バーツ「こっちは問題無しでさぁ。レナさんとジュリアン、ミネルバ王女とこっちに入りやしたが…失敗でしたね申し訳ありやせん」
マルス「いや、結果的には分散して敵を叩けた。後はオグマ達か…無事だといいんだけど…」
バーツ「隊長ですからねえ…」
マルス「オグマだからねえ…」
シーダとゴードンに期待。まぁ正直言えば最近は結構強くなっているので、HPだけならシーダ達よりオグマの方が不安は無いが。
マルス「バーツとジュリアンは僕と一緒に来てくれ。シーザはマリク達と合流、増援もあるだろうからフォーメーションを組んで備えてくれ。レナとミネルバは階段を抑えて。レナは引き続きタイミング見てリザーブを」
レナ「わかりました。お気をつけて」
マルス「アベルとカシムが来たら、戻ってシーザ達と合流するよう伝えてくれ。結局彼等が来る前に僕が全部倒しちゃったし」
ミネルバ「承知しました。 …なんかもういるだけですね私達」
もうちょっと成長率高いと良かったねお姫さん。
マルス「ジェイクは中央の部屋に問答無用で撃ち込んでて。じゃあ僕等東側に行って来るから」
ジェイク「うーす とりあえずメディウス以外軒並み倒しておくぜ」
あながち嘘じゃないから怖い。
東側に駆けて行くと、マリク達も扉を開け、中央の通路に陣を構えていた。壁役がいないのでいまいち踏み込まないでいたようだが、ウォームで敵パラディンは始末していてくれた模様。流石。
他に脅威もなくなったので、遠慮なく東側の部屋へ突入。まずは僕がファルシオンでマムクートを撃破。続いてバーツが手斧シュートで勇者に一撃。流石に敵の精鋭勇者だけあって、スピードがあり、二回目のトドメに行けない。
そこをジュリアンがメリクルで代わりにトドメ。スピードと技、幸運だけは高いので、トドメ要員としては不安は無い。先手を取られたらほぼ即死だが。
ウォーム持ちの司祭もいたが、誰もウォームを一発貰ったところで死にはしないので、すぐにバーツに頭をカチ割られた。南無。
とりあえず手前と中央の部屋を制したので、奥の部屋へ行こうとすると…
マルス「おや…?ジェネラルにドラゴンナイトが…」
バーツ「倒されてますな。こちらも交戦があったようで…味方に被害が無ければいいのですが…」
なんて会話をしてると、奥から見知った人影が現れた。
オグマ「ふ…ふふふ…」
マルス「あ オグマ」
オグマ「そのドラゴンナイトと!ジェネラルは!このオグマが!この勇者オグマが!!始末いたしました!」
生きてたのか…なんだかんだでしぶといなこいつ…
シーダ「マルス様!ご無事で!!ああ…またお怪我を…」
続いてシーダとマリア、ゴードンも出てきた。
どうやら被害は無い模様。安心。オグマ以外。
マルス「シーダも無事で良かった。なんだかんだで、オグマが活躍したのかな?」
シーダ「ええ…壁とジェネラル相手にはアーマーキラーもありましたので…」
マルス「…ドラゴンナイトは?」
ゴードン「僕がほとんど削りました」
ですよねー。
とりあえずこれで全員と合流。被害は無し。
マルス「シーダは階段を抑えてくれ。マリアとオグマとゴードンは僕に続いて」
マリア ゴードン シーダ「はい!」
オグマ「承知!お任せ下さい!この勇者オグマに!」
うるせえ。
戻ってみると、なんだかみんなが扉を開けたところに陣取り奮闘中。どうやら増援が出てきたらしい。シーザが壁頑張ってます。
マルス「増援が現れたか」
マリク「ああ…足の速いパラディンとドラゴンナイトから向かってきやがったが、後ろからも来てる…まずいぜ」
ジェイク「中央からもマムクートと勇者だ。俺一人じゃ追いつかねえ」
マルス「よし、バーツとシーザは変わってくれ。ゴードンは後ろから援護。リンダは回復。マリクとガトー様で後ろから来る勇者とマムクートに遠距離攻撃を。チキはレナと代って来てくれるかい?遠距離武器をハマーンで直さないと持たなくなりそうだ」
チキ「はーい♪」
マルス「シーザとオグマは僕に付いて来て、右の通路から中央の勇者を引き寄せて倒す。マムクートはジェイクに任せる。生き残って僕達の方に来るようならトドメは二人に任せる」
ジェイク「あいさー ちなみに中のスナイパーとかはある程度始末済みだ」
鬼すぎる。
というわけで増援狩りへシフト。
やたら手強い雑魚が後から沸いて来るが、間隔がそんなに短くないので、パターンが出来てしまえば楽な物である。
階段から現れるであろう増援は蓋しちゃってるので出て来ないし。
しばらくしたら増援も出なくなり、残すはメディウスのいる、中央の間だけとなった。
マルス「残るはメディウス…!」
アベル「王子、焦りませんよう。まだ近衛の兵が残っていますゆえ」
マルス「どうせジェイクとバーツにあっという間に倒されるから平気だよ」
アベル「…それもそうですね」
言ってる矢先にジェイクがエレファント射出。
中央の間から断末魔の叫びが響く。
僕とバーツが入ると、メディウスを守るようにして立っていたマムクートもバーツの手斧シュートであの世行き。ついに残りはメディウスのみとなった。
マルス「…メディウス!!」
メディウス「ついにここまで来たか、アリティアの王子よ…わしの眠りをさまたげる愚かな人間どもめ!地獄の炎に焼かれて苦しみながら死ぬがよい!」
ついに決戦、総力をあげてこいつを倒す!
…とは言ったものの、流石に敵の総大将だけあって、半端無い力がある模様。
でかい図体のくせして僕より速いってなに…向こうから再攻撃かよ…
これって防御力と体力MAXの僕以外が手を出したら、高確率でお陀仏じゃないか。
バーツでさえ防御力が若干僕より低いので、二回連続で攻撃が命中したら死んでしまう。
文字通りタイマンの最終決戦か。
一度耐えても向こうからの攻撃時に死んでしまうので、後ろにレナを待機させて突撃。
マルス「僕が相手だ!(しょうがないから)行くぞ!メディウス!!」
メディウス「さかしいわ!小僧!」
まずは一撃。
メディウス|||||||||||||||||<<<<<<<<<<<<<<<(びこー)
大ダメージ。
流石ファルシオン。というか僕が凄いのか。
メディウス「…おのれ!!!」
メディウスの攻撃
他の竜達とは比べ物にならない程の火力が僕に襲い掛かる!
が 回避。
メディウス「すばしっこい奴め…!」
メディウス再攻撃。
暗黒竜の邪悪な闇のブレスが僕にry
そしてまた外れた。
メディウス「ちぃ…!!」
命中率悪いな…老眼かこの爺。
メディウス「えーい!うっとおしいわ!!」
しかし次のメディウスからの攻撃が直撃。
ネオタイガーを喰らった森崎君ばりに僕は壁まで吹っ飛んだ。
マルス「ぐ…ぐあ…!?」
シーダ「マ…マルス様!!」
いかーん!?思ったよりのダメージだ!!
例え生き残れてもこいつは出来るだけ喰らいたくない!どんなマゾ野郎でも快感の前に命の危険がよぎるに違いないぞこれは!
マリク「くそっ!俺には何も出来ねえとは…情けねえ…!くそっ!」
君が僕のピンチを見てそういう反応してくれるとは夢にも思いませんでした。
オグマ「王子ー!念の為撤退の準備もしておきますよー!」
お前は最後まで予想通りだな。
メディウス「死ねいぃ!」
ジェイク「あらよーっと」
そんな中いつも通りにジェイクがエレファント射出。メディウスに直撃。
メディウス||||<<<<<<<(びー)
メディウス「ぬぐわぁあああ!!!」
結構効いてるー!?
あれ!?ひょっとして僕もファルシオンもいらなかったってそんなオチ!?
これじゃあスターロードジェイクじゃないか!
いやまぁ遠距離だけだけど強いの!
バーツ「王子!!今ですぜー!!!」
マルス「!! うぉおおおおおおおおおおおおお!!!!」
よろめいたメディウスに飛び掛り、剣を突き立てる。
流石に最後は僕が持って行きたい。
じゃなければこれまでの苦労は何なんだ。
メディウス「ぐわああああああああああああ!!!」
マルス「闇へと還るがいい!!メディウス!!」
メディウス「ぐっ…このわしが人間ごときに破れるとは…だが、心せよ。光に護られしアリティアの王子よ…人の心に悪の心がある限り我が分身が姿を現すであろう。心せよ…闇は、光あるかぎり永遠に消えはしないのだと…」
僕のお決まり的なセリフに対し、お決まりのセリフを返してメディウスは滅んだ。
マルス「…終わった…」
マリク「やった!」
バーツ「王子!」
オグマ「やったぜヘッド!!」
やかましい。
なんにせよこれで長い戦いも終わった…
苦しさがようやく喜びに変わったのだ…
長きに渡ったアカネイアの戦乱…暗黒に覆われていた大地…
全てにまた光が戻ったのだ。
それはつまり…
僕の長い旅が終わろうとしているのだ…
シーダ「マルス様…」
マルス「シーダ…」