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前略、姉上様。










マルスです。ついにオレルアンを解放、ニーナ様との謁見も果たしました。
ニーナ様は私に解放軍の総指揮を一任したいとのことで、
伝説の覇者の証、ファイヤーエムブレムを託されました。
なんでも、世界各地の宝箱を開けて使ってよくなるそうです。
盗賊と違いがございません。


現在アカネイアを解放すべく中央行路を南下、首都パレスへ向かっております。
いよいよアカネイアへ向けて進軍開始です。


姉上― 私に力を―





マルス「なんか大分軍らしくなってきたね」


オグマ「そうでありますな、規模が膨らんで参りました」


カシム「…ほとんど待機メンバーでタダ飯食らいだけどね…」


シーダ「(ビンタ)」


カシム「ぐわっ!?」



カシム、それは僕も思っていたことだが、口にしちゃいけない。



アベル「王子、これより向かう先はレフカンディの谷。
     谷に挟まれ大きく軍を展開できないでしょう。
     攻略はかなり困難なものと思われます。ご注意を」


マルス「そうだね、レフカンディには強固な砦がいくつも築かれているし…」


オグマ「地形を利用してあのマケドニア白騎士団が頭上から襲い掛かってくるでしょうな…」



マケドニア白騎士団、マケドニアの王女ミネルバが率いる飛行部隊だ。

ペガサスナイトは勿論、初のドラゴンナイトと交戦になる。苦戦は免れない。



マルス「ミネルバ王女も前線に出てくるのだろうか…」


ジェイガン「女性の身ながら大変勇敢で並の男では太刀打ち出来ぬと聞き及んでおります。
       なにより彼女の持つオートクレールという斧はアカネイア三種の神器に匹敵するとのこと。
       王子、決して侮ってはなりませぬぞ」


マルス「ああ、今回は苦しい戦いになりそうだ。全軍、気を引き締めてかかれ!」


オグマ「はっ!では出撃は誰々に?」


カイン「…(馬を引きながらそ〜っとマルスを見ている)」


マルス「前回と同じで」


カイン「…(すごすごと後列へ)」



今なにかに見られていた気がするが、僕は何も見ていない。



〜〜 敵陣営 〜〜




ミネルバ「ハーマイン将軍。こんなやり方私は賛成できません。
      
栄光あるマケドニアの騎士として堂々と正面から戦わせてください」


ハーマイン「しかし、王女よ。あなたのマケドニア軍はオレルアンで多くの兵を失った。
       
態勢を立て直すにはこの城で時間を稼ぐしかないのだ。
       私
は陛下直々のお声がかりで送りこまれてきた。その私が決めたことだ。
       ここは、おとなしく従っていただきたい。
       
だが、どうしてもあなたが我等帝国のやり方に従えないというのなら人質となっている
       妹マリアの身の安全は保障できないがそれでもいいのか?」


ミネルバ「…わかりました。あなたの指示に従いましょう…だが、こんなやり方で
      アリティアの騎士団が倒せるとは思えない…
いずれきっと後悔なさる時が来るでしょう」



〜〜 再びアリティア軍 〜〜


マルス「シーダ、敵の戦力はどうだい?」


シーダ「遠くてハッキリとは分かりませんが、上から見た限りではやはり
    敵部隊にドラゴンナイトとペガサスナイトがいるようです。恐らくはミネルバ王女も」


マルス「やっぱりか…この地形では間合いを良い様に相手に捕まれてしまうな…」


マリク「王子ー!」


マルス「ん?何マリク?」


マリク「ど、ドラゴンナイトにペガサスナイトですよねぇ〜!!
    エ、エクスカリバー!!エクスカリバーはつ、使ってもぉ…!!ハァハァ」



ちょっと危ない目でマリクが封印解除を願い出てきた。

魔法書を持つ手が痙攣している。こないだ街で見たアルコール中毒後期のおっさんがこんな感じだった。



マルス「まぁ…今回は君に頼らなければ正直厳しそうだね…ドラゴンナイトは頼んだよ…」


マリク「はいー!!ふっふっふっふっ…ふははは…ふはー…ふはー…」



戦いが終わったら病院に送った方が良いかしら こいつ。


しかして、どう攻めたものか。

迂闊に攻めれば足の速いドラゴンナイトに食いつかれる。

ぶっちゃけ僕がまたワープで砦に飛んだ方が良さそうだが、
流石にそれではワープももったいないし、その戦術で定着するのも困りものだ。

ってか周りが育たんし。




とりあえず僕が先行して囮に。

囮も壁もやる総大将ってどうなんだろう。




僕が削りつつ、後ろへ引き寄せればゴードンとカシム達弓兵で、トドメを入れられるだろう。
しかし、彼等の場合、攻撃力と命中率の低さが心配。弓を使っても結構体力残りそう。
となると火力面で頼りになるのはやはり…




マリク「ふふ…ドラゴンが二匹…天馬が五匹ぃ…翼が無ければただのトカゲとただの馬…うひあひ」




完全にイッてる危ない魔道士となる。

いつからあんな男になってしまったのだろう。



とりあえず僕の方に向かってきたドラゴンナイトと交戦。



飛竜でけぇ。



空高くから急降下し、僕に向かって槍を狙い定めた!




ズドッ!




マルス ||||||||||||||||||||||||||||||<<<<<<(ぴぴ)




ん〜まぁ 痛い方?




とりあえず反撃。



結構堅い。



ドラゴンナイトの半分は削れなかった。



とりあえず我慢し、一度下がる。

再び僕に攻撃してきた所をまた削って、トドメは他に任せる。




マリク「ふーはー!!エクスぅぅぅぅぅぅ!!!」




異常者が危ない目で飛び出してきた。




マリク「カリ……!!」




プシュッ




矢が飛竜の頭部に命中。

飛竜死んで落下。乗っていたドラゴンナイトも落下して死んだ。



マリク「ぬ…ぬぁんだこの矢は…!!」



カシム「ふふん」



マリク「馬鹿野郎ぉおおおお!!!カシムぅぅううう〜…!!
    誰の獲物を撃ってる!!ふっざけるなぁあああ!!!
(ギギギギギギギ」




挑発的な目でマリクを見るカシム。

一方、獲物を横取りされたマリクの殺る気は十分だ。




マルス「ほらほら、まだ一騎こっちに来るよ、味方同士でいがみ合ってないで次に備えてよ」



睨み合う二人を制しつつ、指差す方向に、ドラゴンナイトがもう一騎。

なんか赤い鎧着てる。よーく見ると女性っぽい。もしや噂のミネルバ王女か…?


しかもこちらから一定の距離を保ち、攻撃を仕掛ける様子が無い。
というかまるで戦意を感じない。どういうことだ?もしや…彼女は…


と、そんな事を考えてたら、横から一つの影が飛び出した。



マリク「エクスぅううううううううううううううう!!



あ 


い、いかーん!!



マリク「カリバァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!



必殺の一撃。


王女は飛竜と一緒にズタズタになって落下した。



マリク「いやっはー!!」



姉上、マリクはどうしてしまったんでしょう。

とりあえずミネルバ王女に合掌。



ミネルバ「…!! くっ…!!」



お?合掌して成仏を願おうとしたところで、飛竜を落下から立て直し、再びホバリング。
どっこい無事だった模様。良かった良かった、このまま死なれてはちょっと後味悪い。



ミネルバ「この傷では戦闘続行は無理ね…元々乗らない戦い…パオラ、カチュア、エスト、帰りましょう」


パオラ「はい ミネルバ様」


カチュア「了解です」


エスト「分かりました」



さくさくと戦場を後にするミネルバ王女。

その後に続いて、ペガサスナイト三騎も帰っていった。残り二騎は残ってる。所属が違うのかしらん。



マリク「なぜだ!なぜ死なない!? …はっ! 偽名!?



姉上、マリクがついによく分からないことまで言い始めました。


なんにせよ、かなり戦局は楽になったこの機を逃す手は無い。一気に攻めて叩いてしまわなければ。


とりあえず残りのペガサスナイトを誘き寄せて殺害。僕の反撃で死んでしまった。マリクの目がやばかった。


塀の向こうから矢を放ってくるアーチャー二人はバーツが手斧で頭をかち割った。流石。
門を開け放ち塀の中へ入ると傭兵が二人待ち構えていたが、僕とバーツであっさり殺害。
ちなみにオグマも参戦していたが、かなり押されていた。
オグマよりこの敵傭兵仲間にした方がいいんじゃないだろうか。


塀の中には村があったので訪問。すると一人のお爺さんが話しかけてきた。



バヌトゥ「のぉ、あんた。チキという名前の幼い女の子を見かけなかったかね?」


マルス「え?チキ…ちゃんですか?いえ…見ていないですね…」



というか普通戦場に幼い女の子は歩いてない。



バヌトゥ「チキは神竜ナーガ一族の生き残り。あの娘がいないとメディウスに従うマムクート達を倒すのは難しい」


マルス「え?ナーガ?メディウス?あなたは一体…?」


バヌトゥ「わしか?わしは、火竜族のはしくれじゃ。じゃが、ペラティで大事な石をなくしてしまい戦うことができぬ」


マルス「ペラティで石? … もしかしてこれですか?」


バヌトゥ「おお!それじゃよそれ。それがあればわしも力になれる。共に行くから一緒にチキを探してくだされ」


マルス「え? あ…はぁ…」



なんかよく分からない流れでバヌトゥが仲間になった。どう見ても老いぼれ。
大丈夫なんだろうか。まぁ 他にもお爺ちゃんはいるので、いいか。


残すはいよいよ敵本陣。

一気に攻め落とすべく駆け抜ける。僕だけ。


他の連中はバーツに警護を任せて、距離を置いて続いてる。敵が隠れてたらひとたまりもないし。


城近くのアーマーナイトを誘き寄せるべく、近くの砦に待機。すると…



シーダ「!!?マルス様!伏兵です!」



上空のシーダが現れた伏兵を確認。周りを見渡すと砦からぞろぞろ出てきてる。


くそ 罠か。あー 味方下がり気味にさせといて良かったぁ〜。



オグマ「王子ー!お引き下さーい!」


マルス「いやー このままここで敵を叩くからいいよー!
     君等は敵があぶれてそっちに向かったらそれ叩いてー!」



敵を目の前に大声でやりとり。作戦とは言えるものじゃないので別にかまわない。
なにせ多勢に無勢だ。敵ソシアルナイトが僕の首を取らんと次々と襲い掛かってくる。
反撃のレイピアで次々と刺し殺すが、手槍を持ったソシアルナイトだけはうざい。
次々と伏兵が現れるので、砦から動くわけにもいかない。とりあえず後回し。


寄ってたかって僕に向かってくるが、たまーにあぶれたのがオグマ達の方へ向かっていく。
向こうはバーツを前面にフォーメーションを組んでるけど、少し心配。オグマとか。


気になって向こうを見てみると、バーツとバヌトゥが壁役になっていた。


…ってバヌトゥ!?大丈夫なのおじいちゃん!?



バヌトゥ「ふふん 来るがいい小童がぁ!火竜の息吹食らうといいわぁ!」



なんか闘志剥き出し。年寄りの冷や水、そんな言葉が頭をよぎりました。
そんなやる気満々の年寄りに、グルニア兵が襲い掛かる。



バヌトゥ「ゆくぞぉおお!!」



バヌトゥが石を掲げると、なんとまばゆい光と共にみるみる姿が変わっていく。
そして光の中には巨大な影。なんとホントにバヌトゥが竜に変身したのである!すげえ!



バヌトゥ「グォオオオオオオオ…」



おお!迫力満点ではないか!なんといってもでかい!
僕等の軍に竜が味方になるとはおもわなんだ!
食事中とかうっかり怒らせないようにしないといけない!


さあ行け!バヌトゥ!紅蓮の炎で敵を殲滅するのだ!



グルニア兵「…!うおー!」



突如現れた竜にも臆せず、グルニア兵はバヌトゥへと向かっていった!
ははー!馬鹿め!美味しく焼きあがるが良い!



ドシュッ!!



バヌトゥ |||||||||||||||||||<<<<<<(ぴぴぴ)



あれ?竜のくせに結構やわらけえ。



バヌトゥ「グオオオオオオオオオオ!!」



しかし今のでバヌトゥを怒らせた!吼えろバヌトゥ!焼き尽くせ!バヌトゥ!



ゴアァァアアアーー!!(炎のブレス)



グルニア兵「うおっと(回避)」



避けられたー!?



グルニア兵「そら!」



ドシュ!!



バヌトゥ「グオアァァアアアア!?」



バヌトゥ ||||||<<<<<(ぴぴぴぴ)







引っ込んでろ爺ぃ。




何が火竜だー!!


そこら辺の騎士の攻撃二発で瀕死じゃねえか!

竜でも歳食えば爺いは爺いって事ですかねぇ!?



バーツ「そこっ!」



バーツのオーラ手斧シュート。グルニア兵の頭が割れた。やっぱり僕らには君しかいないようだよバーツ。


そのまま現れては倒し、倒しては現れるを繰り返し、ついに援軍が尽きたグルニア軍。
手槍部隊もレイピアで刺し殺すと、残りは敵将軍ハーマインのみとなった。
いつもならここで弓部隊の経験値稼ぎと行くのだが、今回はめんどくさいので、こいつもさっくりレイピアで刺し殺す。


ゴードンとカシムが「あ!?あー!?」と不満そうな声を上げた。やかましい。


死の間際、ハーマインが「裏切り者どもめ…」とか言っていたが、ミネルバ王女の事だろうか。
彼女とはまた会うことになるだろう。



モロドフ「マルス王子、今日はあなたにマムクート族のお話をしておきたいのですが」


マルス「マムクートってあの竜人族の」



「あの」の部分でバヌトゥを指差す。

指差された当人はのんびり腰掛けてお茶を飲んでいる。



モロドフ「はい これから戦っていく上で知っておいていただきたいのです。
     …彼らは、人間が生まれる前からこの大陸に住みついていた竜の種族と言われています。
     ですが竜としての本性は石に封印されていました。それははるか昔に受けた神の罰だ、と言われています」


マルス「そうなのバヌトゥ?」


バヌトゥ「へーっくし!!」



竜も風邪引くんでしょうか。

噂ならしてますけど、当人の隣で。



モロドフ「彼らは、辺境で細々と暮らしを立て人間と争うこともなく平和に暮らしていたそうです。
     ところが、100年ほど前ドルーア地方に暗黒地竜メディウスが現れ
     人間に恨みを持つマムクートを集めてドルーア帝国を作り上げました。
     そして、人間界に攻め込みまたたくまに、この大陸全土を制圧してしまったのです。
     もちろん、人間達も死に物狂いで戦いましたがメディウスの持つ強大な力の前に、
     なんらなすすべがありませんでした」



マルス「メディウスは別格なんだねえ…」


バヌトゥ「えーっきし!!」



モロドフ「そんな時、アンリという1人の若者が現れメディウスに立ち向かいました。
     彼は、ファルシオンという光り輝く剣をあやつり見事、メディウスを倒したのです。
     その若者こそがアリティア建国の祖アンリ一世です。
     しかし、時を経てドルーアにあのメディウスが今、再び蘇った─」


マルス「そこから先は言わなくてもわかっているよ、モロドフ。
     神剣ファルシオンを取り戻しドルーアを倒すのがアリティア王子たる僕の運命─」


モロドフ「そうです。あなたこそアンリの血を引く唯一の選ばれし者。
     神剣ファルシオンを使いこなせるのは王子、あなたしかいないのです」


マルス「勿論、そのつもりだよ。志半ばで倒れた父上の遺志を継いでドルーアを…
     メディウスを倒し世界に光を取り戻してみせる!」



レフカンディの難関も制した。

いよいよアカネイア領内。解放戦争もいよいよ山場へ入る。

アカネイア、我が故郷アリティアを解放し、メディウスをも必ずや打ち破ってみせる!



バヌトゥ「(ずず〜…) ふ〜… …っ ぶぇーっくし!!」




爺ぃ〜…




 

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