マルスです。レフカンディの谷を越え、いよいよアカネイア領内に進行いたしました。兵達に休養を取らせるべく、港町ワーレンへと立ち寄りました。
この街は貿易港として栄えており、ドルーアに多く税金を払うことで自治を保っているそうです。メディウスも金次第なんですね。
この街で力を蓄え、再び進撃を開始し、アカネイアの解放を果たしてみせます。
姉上―
アリティア解放までどうかご無事で―
マルス「いやぁ 賑やかな街だねえ」
オグマ「貿易港ですからな、様々な品と人が出入り致します。流れが大きいほど賑わいもまた大きくなりましょう」
シーダ「ゆっくり湯浴みが出来ればいいのですが」
カシム「この日の為に倒した兵から装備品引っぺがしたんですよ。高く売れればいい…」
シーダ「(ビンタ)」
カシム「な!!?」
そんな真似していたのかカシム。
金を稼ごうとするその姿勢にだけは、少し頭が下がる。
しかし解放軍のイメージが下がるので、当然奪った物は没収。
カシム「母さんに薬を送る為の資金源がー!!」
真面目に働いて稼げ。
マルス「兵糧の調達も済ませないとね…それと医療品も…」
???「マルス王子!!マルス王子は居られますか!!」
市場を見て回ってるところで、不意に後ろから声。
見ると見ない顔の剣士が二人、僕を探してやってきた様子。
シーザ「マルス王子!ここにいらっしゃいましたか!私達はここワーレンの街を守る傭兵です。シーザと申します」
ラディ「同じくラディです」
マルス「シーザとラディだね、そんなに慌ててどうしたんだい?」
シーザ「グルニア騎士団が西の砦に集結しておりこの町は完全に包囲されています。ここはもう危険です」
マルス「な、なんだって!?」
奴等もやはり甘くは無い。
厳しい戦いの中、せめて兵達に休みくらい取らせてやりたかったが…これは戦争。止むを得ない。
シーザ「幸い東の城が手薄ですからそこを狙われるのが得策でしょう。我々もお手伝いします。一時も早く東の城へお逃げください」
マルス「分かった、ありがとうシーザ。オグマ!全兵士をすぐに招集!速やかに進軍の準備を済ませ、街を出るぞ!!」
オグマ「はっ!」
目指す城はこの街からもよく見える。海岸に沿って進み橋を渡ったところにあるが、どういうわけか軍の広がりが全く見えない。シーダがちょっと行って見たところ、なんか敵将が一人で守ってるとか。
…手薄すぎだろ…
まぁ 攻めやすくて良いけどさ。
とりあえず、街の入り口近くで陣を張る。
この地形ならば、谷の合間に壁を作って一体づつ倒すのが良いが、連続で前線をはれる人材が僕しか居ない。バーツならばある程度耐えられるだろうが、彼がヘタレた時には代わりがやっぱり僕しか居ない。
オグマ?二、三回突かれたら遠くに旅立たれます。
レイピアも新しいの買ったし、別に僕がやってもいいのだが、周りがこれ以上過疎化するのは避けたい。
やはり出来るだけ引き寄せたところを一気に叩くしかない。
マルス「マリク!!」
マリク「はい?」
マルス「2発だけ許す!いざとなったら迷わず使え」
マリク「え!?」
マルス「エクスカリバー!!解・禁!!」
マリク「!!うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
マリクの殺る気が30%上がった。
アカネイア攻城戦までに残弾残ってるかしら。
陣形を整えてると、敵ソシアルナイトが現れた。
とりあえず一度の攻撃ぐらいは耐えられる面子で壁。うっかり反撃で殺しちゃったりすることなく、引き付け完了。
バーツの反撃を受けた敵兵だけ一人瀕死になってヨロヨロ。後は死ぬだけ。悲惨。
マリク「はっはー!!!」
イカれた魔道士が危ない目つきで飛び出した。
マリク「エクスゥウウウウウウウウウウ!!!!」
いきなりか!?今お前が狙う相手はバーツの反撃で死ぬ寸前だー!!?
マリク「カリ…!!」
プシュ
その時どっからが矢が。
この光景は前回辺り見た気がする。
瀕死のソシアルナイトはちょっと安心したような表情になって天に召された。
カシム「ふっ」
マリク「ま…またお前か…!?カシムめ…!!こんな屈辱は初めてだ!」
マルス「いいから向こうの敵をファイヤーでトドメ刺してくれ」
体力満タンの相手には僕、ゴードンとウェンデル先生の援護の後、シーダのウイングスピアとアベルのナイトキラーで倒し、反撃で削ってた相手はオグマとシーザが斬り倒した。
しかしそのおかげでオグマが瀕死になったので、リフとレナのダブルライブ病院へ搬送。やったねオグマ、経験値稼ぎぐらいはさせてあげられるみたいだよ。
とりあえずソシアルナイトを一掃し、進軍すると今度はホースメンが寄って来た。遠くからはアーマーナイトが近づいてきてるのも見える。
むう、まずい。ちょっと陣形が崩れてしまったので、迎え討つにはやはり谷の合間で壁するしかない。
結局僕かー…
後続に向かわないように前線に立つ僕。まさに矢面。あっちからこっちからもホースメンから撃たれまくるが、僕は元気です姉上。
アーマーナイト達が合流するとまずいので、容赦なく僕が斬り殺す。シーダとアベルがそれに続き、
マリク「ひゃーはー!!」
イカれた魔道士が喜び勇んで残り一体をズタズタにした。
マリク「ふひぃ!残り一発ぅ…」
姉上、彼はもう駄目かもしれない。
全部のホースメンを片付けたところで、ちょうどアーマーナイト達も到着。到着した途端、一体はマリクにいきなりズタズタにされた。悲惨。
マリク「敵はまだまだ…しかし解禁は二発…王子〜…」
マルス「これ以上使ったらエクスカリバー取り上げるからね」
マリク「ギギギギギギギギギギ…」
いっそ取り上げた方が彼にとってはいい気がする。
オグマ「王子!ここはお任せを!」
マルス「オグマ!?危険だぞ!?」
オグマ「ふっ!お任せあれ!このアーマーキラーの斬れ味を見よ!はぁ!」
ズシュ!
グルニア兵「ぐぁ!?」
|||||||||||||<<<<<<<<<(ズシュー)
グルニア兵「この!」
ザシュッ!
オグマ「くっ!」
||||||||||||||||||<<<<<<(びー)
オグマ「ちぇい!!」
グルニア兵「ぎゃあああ!!」
<<<<<<<<(グジャアア)
マルス「おお!!」
オグマ「見ましたか!王子!」
マルス「流石アーマーキラー!!」
オグマ「剣!?」
そして隣では。
バーツ「せぇい!!」
バーツのハンマーが唸る。
グルニア兵「ぐぎゃあああああああ!!!」
<<<<<<<<<<<<<<<<(ずごーん)
バーツ「ふぅ…」
オグマ「…」
オグマ立場無し。
流石僕等のバーツだ。
さて、敵アーマーナイトは残り一体だし、別段問題ではない。
さくっと倒して先進もう。
シーダ「マルス様」
マルス「なんだい?シーダ」
シーダ「あのアーマーナイトと少し話してきます、少しお待ちを」
マルス「え!?危険だよ!シーダ!!」
僕の注意も聞かず、シーダはさくさくと敵アーマーナイトへ。
嗚呼…またよその男のところへホイホイと…
そしてそのまま無警戒で敵兵士に話しかけるシーダ。
シーダ「こんにちは」
戦場のど真ん中でこんにちわってどうよ。
ロジャー「うわっ!」
シーダ「わたしはタリスのシーダ。戦いに来たのではありません」
ロジャー「な、なんだよ急に。びっくりするじゃねぇか」
ごもっとも。
シーダ「あなたは愛を信じますか?あなたに愛する人がいますか?」
な、何を言い出すんだシーダ!?
それでは怪しげな宗教の勧誘じゃないか!?
シーダ!帰ってきてくれ!僕のシーダ!!
ロジャー「なっ、なんだぁ…あんた、大丈夫かい?」
全くだ。
シーダ「ふふ…ごめんなさい。あなたがとても優しそうだったから少しお話をしてみたくなったの。良かったらお名前を教えてくれませんか?」
今までの敵は優しそうな人居なかったんでしょうか。名前を聞いてどうするつもりなんでしょうか。シーダ、僕も君に聞きたい事が色々あるよ。
ロジャー「えっ、あっおっ…俺は、あー…グルニアのロジャーです」
シーダ「ね、ロジャーさん。戦争で泣くのはいつも弱い女や子供達。私達同盟軍はこんな悲しい戦いを早く終わらせたいのです。あなたなら分かってくれるでしょ?」
戦争で一番泣きたいのは実は戦ってる兵士達だと思うのですが。戦争被害を受けるからって国民はただの被害者ですか、あーそうですか。
おまけに今知り合った人間の考えとかわかっちゃうんですか、流石モテる女は違いますなぁ。
ロジャー「ああ。それは…分かるよ。俺だって、なにも好きで戦ってるわけじゃない」
シーダ「じゃあ、私達と一緒に戦ってくれませんか?」
ロジャー「えっ? うーん…ゴメン。やっぱり国は裏切れないよ」
ほう 中々愛国心あるじゃないかロジャー。骨がある奴かもしれない。
シーダ「グルニアに誰か大事な人がいるのですか?」
ロジャー「いや親はもう死んじまったし恋人もいねえよ。だけど、俺を育ててくれた
祖国を裏切るのは嫌だな」
おお!中々な男ではないかロジャー!
その心意気に応えるべく、この僕が直々に相手をするぞ!
シーダ「どうしても駄目ですか?」
ロジャー「うん。すまないけど…」
あったりまえだ!女にナンパされたくらいで国を裏切る馬鹿がどこに居る!
シーダ「わかりました。ごめんなさい。でも、やっぱりあなたは私が思った通りの人。お話しできて嬉しかったわ」
ロジャー「あっ、もう行くのか…」
シーダ「ええ。いつまでもここにいたらあなたに迷惑がかかるもの。他の人に疑われてしまうでしょ?」
むしろ疑われてるのは君だと思うよシーダ。
ロジャー「…君は優しいんだね。グルニアには君のように優しくしてくれる娘はいなかったな。あのさ…俺も…やっぱり…君と一緒に行くよ」
ええぇぇー!!!?
そんなんで国裏切るの!?
見込み違いだよロジャー!!
グルニアに優しい子が居なかったのは君がモテなかっただけだと思うんですけど!
シーダ「というわけでまた味方増えましたよ♪えへっ☆」
シーダ…恐ろしい娘…
しかもその後挨拶に来たロジャーはやっぱり一目惚れで仲間になったらしい。しかし君のその能力でシーダの隣で戦えることはこの先一度も無い。
遅れて出てきたアーチャーを倒し、のんびり民家に入ると、またも砦にて伏兵が居るとの情報を受けたので、速やかに塞ぐ。一つだけ砦を空けて囲むと、ホースメンが現れた。しかし四方を塞がれたホースメンは手出しが出来ず、シーザとジュリアンの経験値稼ぎにされた。悲惨。
隣の砦ではバーツ無双。
現れてはハンマーで殴り殺され、殺されては出てきてまた殺された。たまにオグマも斬り倒しているが、バーツと比べると冴えない。
というわけであらかたの増援を皆殺しにし、城で一人ポツンと待ってた敵将カナリスだけとなった。
マルス「あいつなにしてたんだろうね」
マリク「お茶でも飲んでたんでは。王子、ゴードンやカシムでは攻撃力が足りなくて奴にダメージを与えられません。ここは…」
マルス「ファイヤーでお願いね」
マリク「ぬぐうう…」
エクスカリバーの何が君をそんなに狂わすんだい。
というわけでマリクとウェンデル先生の魔法でまわされるカナリス。
そのまま回復と攻撃の連続が続くと思われたが、マリクの攻撃で必殺。
カナリスは火葬も一緒に済まされてお亡くなりに。
マリク「違う…この感触ではないんだ…これじゃあ…」
エクスカリバーが無限に使えればよかったね。
モロドフ「王子、このままでは危険です。ひとまずペラティに脱出しましょう」
マルス「敵も全滅させたのになにが危険か分からないけど、分かったよモロドフ」
モロドフ「ただ、ペラティ王のマヌーは竜人族マムクートの血を引く者との噂ももあります」
マルス「マムクートってバヌトゥみたいな?」
マムクートと聞いてバヌトゥを指差す。
バヌトゥは後ろで将棋を指している。ちなみに相手はカイン。
モロドフ「少し危険かも知れませんが他に方法がありません。どうか、くれぐれもご用心を…」
危険と言うのは相手が竜族だからか。
まあ伝承通りなら危険な相手だろうけど…
カイン「王手」
バヌトゥ「待ったじゃあああ!!」
この爺見てるとなぁ…