マルスより、マケドニア出兵中
グルニアでの一連の出来事は、僕に取って大きな衝撃となった。
共に戦ったロレンス将軍の反乱、卑劣極まりないラング、そして双子の王子と王女…
僕の取った行動はあれで良かったのか…?なにかもっと出来る事があったのではないか…?
マケドニアへ行軍を開始した僕の胸には、後悔の念ばかりが押し寄せる。
せめて二人の子供達の無事を祈るばかり…
そしてミネルバ王女、あなたもどうか無事で…
マルス「―というわけでマケドニア入りだよ」
グルニアから海を越えてマケドニアまでやって来たアリティア軍です。
一路王都を目指すが、国境の森でクーデター軍が既に展開。
彼等を倒さない限り、マケドニア城には当然辿り着けない。めんどい。
リョウジ「ドラゴンナイト部隊が主な相手ですね」
マルス「うん、彼等は力も守備も高いし、なにより素早い。君ならば彼等以上だと思うけど、油断はしないでね」
リョウジ「はっ」
マルス「んじゃま、早いとこ突破して…ん?」
西の空からなにやらペガサスがやって来る。まさかシーダ?
いや…あれは…
リョウジ「む…!(剣を抜き構える)」
カチュア「マルス様!!良かった、やはりこちらにいらしていたのですね!」
マルス「カチュア!?マケドニアで反乱があったと聞いたけど、無事だったのか?」
カチュア「はい、私と姉のパオラはなんとか脱出できました。でもミネルバ様は捕らわれてしまって…」
リョウジ「お知り合いですか?マルス様」
マルス「ああ、大丈夫だリョウジ。彼女も前の戦争で共に戦った仲間だよ」
使わなかったけどね…
しかしまぁ流石はペガサス三姉妹。上手いとこ逃げ切ったみたいだ。
しかし、国の頭であるミネルバを逃がす程甘くはなかったか…弱かったし…
カチュア「マルス様、お願い!ミネルバ様を、助けて!このままではお命が危ないの!」
マルス「もちろん、そのつもりさ。カチュア、王女のいるところまで案内してくれるね」
カチュア「はい!でもその前にこの国境の森を突破しなければ…
この森にはルーメル将軍の竜騎士団が潜んでいます。正面から近づけば彼らに狙い撃ちされるでしょう」
マルス「そうか…右か左に迂回しろと言うんだな。わかったよカチュア僕達に任せてくれ!」
カチュア「マルス様…!ありがとうございます…!」
リョウジ「…(こいつもシーダ様のライバルの一人か…)」
そんなわけで進軍である。
ここはカチュアの忠告に従って、左右に大きく分かれて進軍しよう。
マルス「リョウジはロディと左に展開。ソシアルナイトとソルジャー達を引きつけてくれ」
リョウジ「了解しました。ハンター達もなんとかこちらに寄せましょう」
カチュア「あ…」
マルス「?どうしたんだい?カチュア」
カチュア「ハンターの中に知り合いが居るのが見えたんです。
好きでクーデターに参加するような人物ではないはずなんで、私、ちょっと説得してみたいんですが」
ペガサスナイトは勧誘が好きですね。
まぁ、無駄に血が流れるよりはずっといい。
マルス「わかった。だが十分に気をつけてね。説得に応じてくれるとは限らないし」
カチュア「はい!ありがとうございます!」
マルス「というわけでリョウジ」
リョウジ「了解、露払いですね。(…傷薬多く持って行こう…)」
ありがとう超戦士。
オグマと違って頼りになる傭兵、それがリョウジ。
そんなわけで、僕も右に寄って敵をしばき倒さないといけない。
すぐ手前に村があるので、まずはそっちへさっさか走って村へ突入。そういえば僕しか訪問できないのはなぜだらう。
んで村に入ると…
マジ「おう! マルス王子!」
マジー!?タリスで木こりやってたんじゃないのか!?なぜここに!?
マルス「君は…マジじゃないか!どうして君がここに?」
マジ「王子がまた戦ってるって話聞いて、こうしちゃいられねえってすっ飛んできたんです。
俺達ゃタリスの傭兵だ。万一マルス王子に死なれちゃ、シーダ様が泣いちまう」
木こりかっこいいです。
前は飯炊き係になってましたが。
マジ「マルス王子、俺にも戦わせてくれ。俺も王子の軍に加わるぜ」
マルス「うん、よろしく頼むよマジ」
主に裏方として。
しかし、マジがここで仲間入りとは…もしかして…もしかする…!?
マルス「…ところでマジ」
マジ「なんです?」
マルス「バーツのその後は知らない…?」
マジ「それがさっぱり。アカネイア軍から脱走したって話からは全く…」
マルス「そ、そう…」
嗚呼、僕らの軍神はどこに。
とりあえず早速この木こりに北上してもらい、囮になってもらうことに。
ハンターが喜び勇んで、マジを狙い撃ちにしにきたので、傷薬塗ってもらいながら、そのままこちらへ寄せてもらう。
んでそのままフルボッコ。
我がアリティア軍は引き寄せ以外に勝利の方法を知りません。
西の方どうなってるのかと見ると、
リョウジ「うづりゃああああ!!!」
マケドニア兵「あぺらー!!」
超戦士が傷薬を塗りながらソシアルナイトを寄せては退治。
そのうちにカチュアが、ウォレンとかいうハンターの勧誘に成功。
どいつもこいつも女に弱い兵士ばかりである。
そんなわけで残りは城を守る本隊のドラゴンナイトのみ。
さて、どう攻めたものか…
マルス「迂闊に近寄ったら袋叩きだね」
リョウジ「それぞれギリギリに寄って引きつけましょう。足の速い兵と防御力の高い兵に限りますが」
マルス「そうなるとまぁ」
リョウジ「俺と」
マルス「僕は決定だね」
一番命を大事にしないといけない人物二人が最前線です。
んで、残りはロディとカチュア、木こりで壁決定。
砦に入って待ち構えると、ドラゴンナイトが喜び勇んで飛んできた。
後は総攻撃でらくらく〜と言いたいところだが、何かと丈夫な相手なので、攻撃を一発でも外してもやっぱり殺される。
慎重に攻撃手順を決めねばならない。
マルス「HPの低い兵は主にトドメ要員で。セシルはレディソード使って。リョウジはマリーシアに回復してもらって、一番元気な相手に飛び込んでくれ」
一同「了解!」
というわけで殲滅戦開始。
命中率が低めの兵が手を出すたびに、「当たってくれ〜!」と天に祈る。
とりあえず、無事に全部攻撃が命中し、ドラゴンナイト部隊を撃破。
マルス「後は砦を落として終了だね」
リョウジ「はっ マルス様。ご命令をいただければすぐにでも突入します」
マルス「…」
リョウジ「マルス様?」
マルス「いや、今回はなんだか君真面目だな…って…」
リョウジ「何をおっしゃいますマルス様。俺はマルス様の近衛です。それらしく振舞わねばなりませぬでしょう」
マルス「…う、うん… そうだね…」
今回は割かし山がないから、超戦士のスイッチが入らないのだろう。
まぁ これがあるべき姿なのだろうけど…
そんなわけで、折角なのでリョウジで削ってもらい、ゴードンの餌にして全敵兵士撃破。
無事に森突破とあいなった。
マルス「よし、ここで体制を整えてから出発する。全兵に食事を取らせ、装備のチェックをするんだ」
リョウジ「はっ!」
ジェイガン「マルス様、砦の中に珍しい方が囚われておりましたぞ」
マルス「え?」
リンダ「マルス様!」
マルス「あれ?…リンダじゃないか!どうして君がこんなところに?」
リンダ「良かった…やっとめぐり会えた…マルス様にお会いしたくてずっと探していたの。
でもマケドニアの兵士に怪しまれてこの砦につれて来られて…」
拉致監禁じゃねーか。
囚われておりましたぞ、じゃないよ…ジェイガン…
リョウジ「マルス様、お知り合いですか?」
マルス「ああ、彼女はリンダ。前の戦いの時、魔道で僕達助けれくれた女の子だ」
まぁ ぶっちゃけあまり出番なかったですが。エクスカリバージャンキーがいたもので。
リョウジ「なるほど。(リンダをじっと見て)お色気担当ですか」
あ いつものリョウジだ。
彼女のスリットは刺激的だものね、って何言ってるのかこいつは。
マルス「なんにせよ無事で良かった。だけど、どうして僕を探していたの?
リンダは、ニーナ様の傍にいると思っていたのに」
リンダ「ニーナ様から、これをマルス様に、お渡しするようにと言われて…」
マルス「? …!!これはファイアーエムブレム!アカネイア王家の家宝、紋章の盾じゃないか!」
リョウジ「ファイアーエムブレム…マルス様が前の戦争でニーナ姫から託されたという…」
ええ、盗賊と同じ真似が出来るようになる伝説の紋章の盾です。
マルス「うん。僕は前の戦争でアカネイアの代理としてこれを預かった。
でも何故今、これを僕に?アカネイアはハーディン皇帝の下で力を誇っていると言うのに…
この平和な時に何故、ニーナ様は<覇者の証>を僕なんかに…」
リンダ「私にも、わからないの。ニーナ様は訳をおっしゃらずに、ただマルス様に、とだけ…
でも、何故かとても悲しそうな目をされて…多分、泣いておられたのだと思います…」
マルス「ニーナ様が!?一体、どうして…リンダ、この戦いが終わったら僕もニーナ様の下へ行く。
それまでは、リンダも僕と一緒にいてほしい」
リンダ「はい! マルス様!!」
というわけでお色気担当のリンダを仲間にして、一路マケドニア城へ。
リンダ「そういえばマルス様」
マルス「なんだい?リンダ」
リンダ「あの…マリクはどうしてます?」
マルス「マリクかい?しばらく前にうちの騎士訓練に参加してたけどね。…なんか別の方向に逞しくなってたよ」
リンダ「そうですか…素敵になっただろうなぁ…」
あんなにコロコロ人格が変わる彼の何に惹かれているんだい君は。
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