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マルスより、本日も公務にて






従騎士達の試験もいよいよ最終試験を残すのみとなった。


厳しさについていけなくなり、諦める者、逃げ出した者…

多くの者が集まったこの試験も次でいよいよ最後。


これまで全ての試験を難なく突破してきたリョウジ率いる第七小隊。


次は果たして…








カイン「リョウジ率いる第七小隊!今日までよく闘い抜いてきた!教官として俺も嬉しい!」





というわけで最終試験となりました。


実況のマルスです。こんにちわ。


今日もしっかり公務をこなしての合間です。

ちゃんと仕事してます。オグマとは違うんです。


今日もこれから墓参りとかしに行くんです。暇じゃありません。




さてさて、そんなわけで…ここまで長かったですが、無事こなして来たリョウジ達第七小隊。

他が一杯逃げ出してるのに、いつまでも第七小隊でいいんでしょうか。編成とかしなおさないんでしょうか。


まぁ…講義とか教官とか微妙だったし、いいのかな…もう…





ジェイガン「フレイ、カイン、双方から話は聞いている。個性的だが、優秀さは問題ない。
       本日の実技を持って最終試験とする。心して準備にとりかかるのだ」





さり気に個性の問題に触れたジェイガン。個性的とは褒め言葉とは限らない。


とりあえず、能力的に問題ないとしているが、優秀なのはリョウジだけだと思うんですが。カタリナとか仕事してないし。


ルークとか宴会要員みたいだし。





セシル「いよいよ最終試験ね…第九小隊に残ってたらここまで来れなかったところだわ…」


ルーク「はー。女騎士ってもっとこう、大人の色気な感じのお姉様が良いよなー折角女性が増えたのに、
     よりによって暴力女で有名な第九小隊のセシルかよー」





ほら、最終試験を前にナンパな事言ってるし。


リョウジの性的暴行発言よりは遥かにマシだけど。





セシル「この!誰が暴力女よ!この!この!」


ルーク「ぶっ、ま、待て!言ってる傍から殴るな!や、優しくして…!」




優しく殴ってくれるならいい、という発言に聞こえます。


とりあえず現在展開されてる出来事は、暴力と言って構わないかと。


そういえば、我らがリョウジ隊長は、この男勝りな女性に対してはどう思っているのか…?





リョウジ「…」


カタリナ「静かですね… 不機嫌だったりとか?あ、ひょっとしてリョウジもああいう活発な女性は駄目ですか?」


リョウジ「アホ、最終試験前だからだ。騒いでるお前らがおかしいんだろうが」





ごもっともである。





カタリナ「うう…またひどい言い方…いつも下半身の話ばっかしてるくせに…」


リョウジ「やかましいわ。女は体と顔が良けりゃなんでもいい。結婚とかする気ねーし。ただまぁ…一つ言うなら…」


カタリナ「言うなら?」


リョウジ「鍛えてる女は締りがいいな」


カタリナ「…(ケダモノ…)」





リョウジ隊長は今日も通常営業である。


騎士としてレディーファーストとかそういうの考えなくていいんでしょうか。





とりあえず…始まる前に墓参り済ませてこよう…










カイン「さあ!準備は出来ているな!?最終試験の相手となるのは…この俺、アリティア騎士カインだ!
    騎士らしい熱い戦いを見せてみろ!」







そんなわけで模擬戦開始である。


墓参りは済ませてきました。




最終試験の相手はアリティア騎士団屈指の将棋打ち、我らがカインである。





リョウジ「移動力があるから、この狭い戦場ではちょっとやりにくいな」


カタリナ「お馬さん乗ってますからねー」





敵は馬。


彼等の目にもカインはどうでも良いらしい。


しかし…





カイン「ふふん…今回はいつもと一味違うぞ…!」





なんか企んでるっぽい。


まぁ…どうせ伏兵忍ばせてるとかそんなところだろ…





リョウジ「とりあえず、いつも通り引き寄せて叩いて…か…」


カタリナ「でも今回は敵も素早そうだから、リョウジ以外はキツイですよ…」





二回切られて死んじゃいますね。ドーガとか。


固さはそこそこでいいから、とにかく足の速い壁が欲しい。


となると…





マリク「やれやれだぜ…」





この不良魔道士の足頼みと言う事になる。





カタリナ「マリクさんお願いします。リョウジの次に足が速いの他にいないんで…」


マリク「しょうがねえ、他にいねえならやるしかねえな…やれやれ…」





というわけで模擬戦開始である。


ちなみに出撃メンバーは、リョウジ マリク シーダ ゴードン ドーガ リフ。




はい、従騎士はリョウジだけです。


これで試験通って、ルークとか騎士にしちゃっていいんでしょうか。


しかし、ドーガの出番があるとは、ちょっと意外。まぁ…攻撃力が今んとこ他に比べて高いからか…





シーダ「アーチャーは私が川の上行き来して引き寄せるわ」





うちの嫁も活躍中だし。


ノコノコと寄って来たアーチャーはゴードンに狙撃され、シーダにトドメを受けてノックダウンした。


んで、本体はというと、





マリク「オラオラオラオラオラぁ!!オララー!!」





マリク大暴れ。


反撃でアーマーナイトを次々と焦がしていく。





リョウジ「ずりゃああああああ!!!くたばれー!!」





そこへ、下品な超戦士が踊りでて怒りのメガトンパンチ。


我が栄光あるアリティア騎士団員は不良二名に蹴散らされています。





カイン「ふふ…調子よく来ているが…その突っ込みが命取り…援軍!出撃せ…」


カタリナ「あ みなさん一度引いてくださーい。ダメージ受けた人は砦に入ってー」


カイン「…」





思った通りの伏兵攻撃。しかし塞がれた。


残った砦から出てくるが、カインの描いた挟み撃ちは幻となった。流石カインだ!予想通り!





カイン「えーい!向こうが戦力的に厳しいのには変りない!攻めるぞー!!」





押しきれると思ってか、それともヤケでも起こしたのか、部下のソシアルナイト一騎と一緒に打って出るカイン。

流石はアリティアの猛牛。何も考えず後は突っ込むだけである。どこからか、僕の脳内でドナドナが流れ始めた。


予想通り、リョウジとドーガにそれぞれ壁をやられて、動きがあっさりと止まったカインとその部下。

アリティアの猛牛は、後は調理されるだけの可哀想な牛となった。


そしてドーガ、役に立つ事が出来ておめでとうございます。





カイン「くう!?やるな!!」





うん 君よりは。





カタリナ「ではみなさん、間接攻撃から入りますんで〜」


ゴードン「ごめんねカインー」





マリクとゴードンにいじくりまわされて、カインはミディアムに焼きあがった。


両方共同僚です。新人の訓練はどこいったんでしょう。





リョウジ「さて、後は傭兵が二人か…」


カタリナ「お願いしますねー」





というわけで、残りの傭兵もリョウジにボコボコにされて模擬戦終了。


騎士訓練最終日は釈然としない中、第七小隊の勝利で幕となった。





カイン「お前達の勝ちだ!もう我々が教えることは何も無い」





むしろ初めから何もなかった。





ジェイガン「ではリョウジ率いる第七小隊よ。ここで訓練後半の成績を伝える。
       見事だ!過去のアリティア従騎士の中でもこれほど評価の高い隊はない。
       よって…リョウジ率いる第七小隊、最終試験結果は合格とする!」





後半、小隊メンバー模擬戦に参加してませんでしたが。


とりあえずリョウジは文句なく合格でいいけどさ…


アリティアの将来がただ不安である。





ライアン「合格…じゃあ僕たち…」


ルーク「おお!やったぜ!俺達アリティア騎士になれるんだ!」


セシル「やったわ!これで後は剣と槍を買って…ふふふふふ」


ロディ「…セシル怖いぞ… ともあれ私も嬉しい。長年の希望がついにかなった」


カタリナ「みんな、嬉しそうです。アリティア騎士になるのですものね。やりましたねリョウジ」





以上五明疑問の合格メンバーです。


やったのは正直リョウジばっかりだったと思います。





リョウジ「おう。アリティア騎士は祖父と俺の悲願だったからな…アリティアの為、マルス様のために働ける。
     それが嬉しいぜ」





とりあえず戦闘力は他より遥かに頼もしいです隊長。


特にそこの…





カタリナ「…はい。私も嬉しいです…」





なんか感慨深い顔してる娘さんとか何してたんですか。

中盤からとりあえずは軍師らしいっちゃらしかったけど。


ま…無事に合格者が出たのを良しとするか…







―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




その夜…




寝付けずに俺は少し外を歩くことにした。


試験と稽古とで体はクタクタのはずなのだが…合格が決まり気が高ぶっているのか、不思議と寝付けなかった。


月明かりが照らす廊下、見知った影が一つ。


よくよく縁があると、ため息を一つ吐き、俺はその影に近づいた。





カタリナ「… あ リョウジ。こんな夜更けにどうしたのですか?」


リョウジ「なんだか眠れなくてな…お前こそどうしたんだ?」


カタリナ「私はその…色々考え事を」


リョウジ「ほ〜」





いつものようになにか茶化そうと思ったが、なんだか深刻な顔をしている。

度々見せる表情ではあるが…どうしたというのだろう。




カタリナ「…リョウジ、私の生まれた町のこと、あなたに話しましたか?」


リョウジ「いんや?アリティアじゃないのか?」


カタリナ「私、ノルダの生まれなんです…あの町のこと知っていますか?」





ノルダ… あの奴隷市場の…?


ちょっと嫌な予感と流れだな…おい…











カタリナ「…あの町で私は家畜みたいに虐げられて、何かあると面白半分にぶたれました。
     痛いのは嫌だから、そういう時は眼を閉じて何も考えないで逃げ込むんです…心の奥底に…」


リョウジ「…(同じようなことを散々したし、言ったような気がする)」


カタリナ「…でもそんな私を救ってくれた人がいたんです。その人が私に生きる意味をくれました。
     私はその人の為ならなんだってしたいと思ったんです」




救ってくれた人…?


マルス様か…?


リンダも確かあの市場でマルス様に助けられたと聞いたが…





カタリナ「リョウジ、あなたにはそういう人はいますか?」


リョウジ「ん…ああ。俺はマルス様の、主君の為に忠義を貫く。それが俺の目指す騎士の姿だ」


カタリナ「そうですよね…リョウジも誰かの為に…クス…なんか今日はちょっと真面目ですね」


リョウジ「なにおう 俺はいつだって真面目だぞ」


カタリナ「フフ… … もうすぐですね…私達はもうすぐアリティア騎士になる…そうなったら…」


リョウジ「そうなったら?」


カタリナ「… …おやすみなさいリョウジ…また…明日…」


リョウジ「カタリナ…?」




そう言い残してカタリナは俺の返事をまたず、廊下を歩き出し夜の影へと溶けた。


月の鈍い光が不安だけを照らす。





リョウジ「…」


リョウジ「なんかスゲエめんどくさい事になりそうだな…」





その前にヤッておくべきか。




 


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