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マルスより、本日は叙勲式にて






新人騎士達の厳しい訓練も終了し、騎士として認められる叙勲式の日がやってきた。

リョウジ達第七小隊全員が合格となり、本日より騎士としてアリティアに仕えることとなる。

多くの者がこの騎士訓練に挑み、無念にも去っていった。

今日、騎士として認められた者達には、誇りを胸に一層励んで欲しい。…彼等の想いの分まで…



ルーク「傷だらけのリョウジ!今日は待ちに待った騎士叙勲の日だぜ!
     ここまで来たのは傷だらけのリョウジのおかげだな!俺が隊長を譲ってよかったぜ!」

リョウジ「(リバーブロー)」

ルーク「あぺっら!?」



そんなわけで叙勲式である。

アリティアの王として、本日彼等に騎士の称号を与えなければならない。

若干、ホントにこいつら騎士にしていいのかなと思えてしょうがないが、合格したからにはしょうがない。
責任はジェイガンとカインにあるって事にしておこう。

式の直前の彼等は、流石に緊張してるのかソワソワと落ち着かない。

控えの間に居るとはいえ、騎士になるのだからもうちょっとピシッとしてもらえんだろうか。

まぁ 今さらだけど。




セシル「最後まで騒がしいわね、もう。でも確かにルークの言うとおりかもね。リョウジ、あんたがいてくれたから…」

リョウジ「俺だけじゃない。俺達全員と助っ人のおかげだ」



同僚のおかげでは無い事をさり気に強調したんですね、わかります。

従騎士の中で圧倒的な実力を示したのリョウジだけだしね…



ロディ「だが、リョウジ隊長がいてくれたからこそ出来たことだ。感謝する」

ライアン「は、はい。僕も…リョウジさんありがとうございます…」

リョウジ「なら後で飯と酒でも奢れ。女もあるともっと嬉しい」

セシル「マルス様の騎士になるのに蛮族みたいな事言ってんじゃないの。
     散々相方いじったでしょうに。ね?カタリナ?」

カタリナ「フフ…リョウジらしいですよ…
     …リョウジ…
     リョウジと私があってから今まであっという間でしたね…私、忘れません。
     今まであなたと一緒にいられたこと…」



おや…?

カタリナの様子が何かおかしい。

まるで別れみたいな言い方じゃないか…どうしたんだろう…



リョウジ「? あんだよ?急に改まって」

カタリナ「あ、確かに… 私、変ですよね。すみません。
     そろそろ時間です。みんな儀式の間に行きましょう。そこで叙勲式が行われるそうです」



…っと…僕も急がねば…僕が行かなきゃ話にならない…

彼女は式が終わった後、また様子を見てみよう…



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ジェイガン「リョウジ 前へ」

リョウジ「はっ」

マルス「アリティアの祖アンリとマルスの名において…リョウジ、汝を騎士に任命する」

リョウジ「はっ!光栄であります!」



というわけで叙勲式である。

第七小隊、鬼も逃げ出す隊長リョウジ以下5名が騎士認定。

リョウジは品性以外は言うこと無いので、後は僕が上手く監督してればいいが…他は正直疑問である。
まぁカインとかドーガが正騎士だしいいのか。



マルス「これで君達はアリティア正騎士だ。今までよく頑張ったね」

リョウジ「マルス様…勿体無い…」

ルーク「騎士か…今まで長かったよな…」

ロディ「ああ…色々なことがあった」

ライアン「ぼ、僕、嬉しくて…涙が出てきました…」

セシル「あ、あたしは泣いてなんかないんだからね!」



喜ぶ一同。

あれか、チームの控え選手もチームの一員、マネージャーだってチームの一員と同じ、ってあれか。

まぁ…模擬戦はともかく訓練はこなしてきたんだから、いいのかなもう。



カタリナ「…」



…しかし 相変わらずカタリナは元気が無い。

気になるな…何かあったのか…?

そこへ…



兵士「マ、マルス様!ジェイガン様!」

リョウジ「!?」

ジェイガン「神聖なる叙勲式の最中に何事か?」

兵士「し、襲撃です!何者かがこのアリティア城に侵入を!」

マルス「なんだって!?」

ジェイガン「!?なんだと…賊は何人だ!?」

兵士「わ、わかりません!気がつけば城内に…!」

マリク「やれやれだぜ…」



襲撃〜!?

門番とか何してたのー!?

とにかく非常事態だ!急いで対応しないと!



マルス「兵を集めよ!慌ててはいけない!冷静になるんだ!」

ジェイガン「わしが指揮をとる!お前達はここでマルス様をお守りせよ!」

ロディ「はっ!」

リョウジ「マルス様、奥へ」

マルス「ありがとうリョウジ。しかし、一体何者が…」

カタリナ「…」

ルーク「…おい やばくないか?俺達も行かなくていいのか?」

ロディ「心配はない。城内は大勢の兵が守っている。いざとなれば…」



いや、その兵達がいたのにあっさり侵入されてるわけですが。

まぁ そこは相手が手だれだったのだろう。

指揮系統さえなってれば、大丈夫のはず。ジェイガンに期待。



シーダ「マルス様…」

マルス「心配いらないよシーダ。ここにはリョウジ達もいるし、ジェイガンの指揮で兵士達もすぐ…」

カタリナ「…兵は動けないです…薬を盛られていますから。命は無事だけど、数日はろくに動けません…」

リョウジ「カタリナ…?」

カタリナ「城内を自由に動ける内通者がいれば、兵に一服盛るのも、仲間を手引きするのも簡単にできます…
     だから信用されるまで何日も何日も過ごして機会を待つ。そういう命令だったんです…」

リョウジ「なに!?」

マルス「カタリナ…!?」


険しいような悲しいような顔つきのカタリナ。

僕と仲間達…そしてリョウジを見やると走りだした。



セシル「カタリナ!ちょ、ちょっとどこいくの!?勝手に外にでちゃ…!」

カタリナ「カタリナではありません」

セシル「え?」

カタリナ「すみません…みなさん…私の本当の名前はアイネ。私はマルス様を殺しに来たんです」

マルス「…!?」

リョウジ「…なんだと!!?てめー!!カタリナ!このくそビッチがー!!」

カタリナ「ビッチって言わないでくださーい!!」



この期に及んでその辺はいつも通りかお前ら。


カタリナが儀式の間の扉を開ける。

そこから、彼女の本当の仲間であろう暗殺者の一段がなだれ込んできた。

リョウジ達が剣を抜き構え、僕を守るように囲んだ。

誰の命令なのか…?それはわからない。

わかっているのは、僕を殺しに来た者達…カタリナと戦わねばならない事だ…!!



リョウジ「あのアマー!!敵だったんなら本気で容赦しねえ!取っ捕まえて両穴犯す!」

マルス「…頼もしいけどそういうのは頭の中だけでお願いね…」



とても騎士とは言えないが、この局面、この男の力無しではどうにもなりそうにないな…



ローロー「ウキキ マルスが居る。ここまではまたまた計画通り。かわいそうな村人の為に命がけで山賊と戦った…
      そりゃマルスは信用する。アイネ、手下は連れてきた。マルスはお前にやる。俺見てるからしっかり殺せよー」

カタリナ「…」



というわけでバトル開始。

我がアリティア王宮内は、銀の斧とか銀の剣とか物騒なもんを持った暗殺者集団で一杯となった。

やることは一つ、片っ端から叩いて回るだけなのだが、僕も公務ですっかり体が鈍ってしまっている。

かつて程の切れは正直ない。

となるとここは…



リョウジ「うづりゃあああああ!!!」

暗殺者「ぐわああああああ!!?」



この下品な超戦士と…



暗殺者「てりゃああ!!」

マリク「む…!!? (攻撃を受けてしまう)…ちっ」

暗殺者「ふん!変な帽子かぶりやがって、死ね!」

マリク「な…に…?(ファイヤー)」

暗殺者「ぐわぁあああ!?あちぃいいい!!!」

マリク「誰の帽子がとんがりコーンみてえだってー!?」

暗殺者「え…そんな事言ってな…ぐわああああ!?」

マリク「ふん…」



この不良魔道士が頼りである。

まさか魔道士のマリクを頼ることになるとは夢にもおもわなんだ…

僕も負けてられないな…



リョウジ「マルス様!?奥へ下がっていてください!!」

マルス「そうはいかないよリョウジ。僕も腕に覚えはある。
     君と一緒に前線を張れるのは今のところ僕しかいないようだしね」

リョウジ「しかし…!」

マルス「それとも僕に付いてこれる自信がないのかな…?」

リョウジ「マルス様… ふ!わかりました!お供致します!」



というわけで僕とリョウジの共同戦線で前線を固めることに。

勿論基本は引いて叩く繰り返しだが、ある程度誘導して敵を分ける必要が有る為、前にも出なきゃならない。

リョウジは攻撃力、速さ共に申し分無いのだが、防御力だけは難がある。

囮をやるなら僕の方が向いているのだ。そもそもターゲット僕だし。



シーダ「敵の増援が後からやってきます!」

ロディ「一体どこからやってくるんだ…!」



それは誰にもわからない。

ジェイガン何してんの。



リョウジ「ぜーぜー…」

マルス「くう…厳しいな…みんな一度下がれ、回復しつつ、カウンターで仕留めよう。
     マリクとゴードンは壁際で敵を引きつけてくれ」

マリク ゴードン「了解」



そんなわけで一度後退。

傷薬とライブをかけてもらって、僕とリョウジの治療。

その間も敵が仕掛けてくるが、守りに入った我々を崩すのはそう簡単ではない。反撃で確実に仕留めていった。



マリク「王子、手斧を持った奴らがウぜぇぜ…!」

マルス「大分数も減ってきた!これから打って出る!なんとか耐えて確実にダメージを与えておいてくれ!」

リョウジ「よっし!全回復!行くぜオラー!!」



回復した超戦士がカタパルトダッシュ。

雑魚を片付けてレベルも上がっております。



暗殺者「ん?  ぬおぉおおお!?」



壁越しにマリクに手斧を投げていた暗殺者の首が飛んだ。戦場では後ろにも目をつけるんだ。

よし、僕も少し勘を取り戻してきた。このまま一気に攻める。


リョウジと僕とで二手に分かれて、それぞれ奥の敵を引きつけて、寄って来たところを撃破。

残りは奥の魔道士3人と…カタリナだけだ。



リョウジ「オラー!出て来いクソビッチ!よくもマルス様を騙しやがったなぁ!!」

カタリナ「ビッチって言わないで下さ〜い!!」



完全にチンピラである我らが第七小隊隊長。そして新生アリティア騎士。

まぁ 口はともかく怒りはもっともである。

しかし、なんだかんだで今まで一緒に戦ってきた仲間だ…

剣を向けることが出来るのかリョウジ…



マリク「リョウジ、気をつけな。いくらてめーでも距離がある魔道士の相手は無謀だぜ」

リョウジ「わかってます。なんとか引きつけてから…飛び込んで仕留める!」



闘志むき出しである。

可愛さ余って憎さ百倍とはこの事か。いや、元からこんな感じだった気もするが。


敵の射程距離内に踏み込むと、魔道士隊達が動き出し、攻撃を仕掛けてくる。

敵のエルファイヤーでリョウジが焦げたが、闘士は衰えてない模様。流石。

そして射程内に入った魔道士達を寄ってたかってみんなでタコ殴り。残りはカタリナだけとなった。

その相手は当然…



リョウジ「ここまでだぜ」

カタリナ「うぅ…」



痴話喧嘩勃発。

刃物とかちらついてますので、説得の際はお気をつけ下さい。




リョウジ「さて降参するなら命は助けてやるぜ。なぜこんな真似をした?誰の差金だ?」

カタリナ「…」

リョウジ「言えないってか…だがお前に残されてる道は他にないぜ?戦う力もってな…」

カタリナ「エルファイヤー」

リョウジ「あっちぃいいいいいいいいいいいいいいいい!?」



魔法使ってきたー!?

しかも結構なキレあったよ!?三味線引いてたのかカタリナ!!

ここにきてしっかり軍師っぽいよ!仲間みんな死んじゃったけど!!



リョウジ「お前魔法使えたのかコラー!?」

カタリナ「ゴメンなさい!ゴメンなさい!!」

リョウジ「…今日の為に油断させる為だったのか…だがこの俺がそんな炎でぇ!!」

カタリナ「エ、エルファイヤー!!」

リョウジ「廻し受けぇ!!(炎を回避)」



もはやデタラメの超戦士。

防御力の低さは気合いでカバーした。

しかし…



リョウジ「オラー!!この場でひんむいて…!!  ん?」



炎を飛び越えた、その先にはもう誰もいなかった。

炎を目くらましとして、放った瞬間には走って逃げていたのだろう。


…なかなか瞬発力あるじゃないかカタリナ…


リョウジ「逃がしたか…」

マルス「いいさ、リョウジ。とりあえずみんな無事で良かった。
     城内の負傷者の確認を急げ!敵が残ってないか注意しろ!」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ジェイガン「そうか、取り逃がしたか…しかし、なんたること…カタリナが暗殺者と通じていたとは…
       マルス様、責は全てこのジェイガンに。いかなる罰も受ける覚悟です」



そうだね。とは流石に言えないので、ここはまぁ許しておこう。



マルス「いや、ジェイガンのせいじゃない。それに…」

ジェイガン「…?それに?」

マルス「僕にはどうしても彼女が悪い人には見えなかった。リョウジ、カタリナが君を見る目はとても優しかった」



散々なセクハラに文句言わずついてきたし。いや、文句くらいは言ったか。

なんにせよ、任務を越えた何かがあった気がする。



マルス「彼女には何かやむを得ない事情があったのかも知れない」

リョウジ「マルス様…いやあの女はタダの売…」

ジェイガン「(リョウジ引っぱたき)マルス様…なんという…自分を狙った曲者のことまで気づかわれるとは…
       しかし、暗黒竜は滅び世界は平和へ向かって歩き出そうとしておるというのに…
       一体誰がマルス様の暗殺などを…」



んまぁ なんかまた冒険の予感ですね。



リョウジ「…(あの女…次は必ず首謀者の名を吐かせてやる…)」

ジェイガン「このままではマルス様は何度となく暗殺者に付け狙われることとなりましょう。
       マルス様を特別に護衛する者を用意せねば…」



となるとまぁ…忠誠心と戦闘力の高さで言うならこの男しかいない。



マルス「その役目はリョウジに任せたい。前に話したように、近衛騎士として僕についてくれれば安心出来る」

ジェイガン「はっ」

マルス「リョウジ、カタリナは…彼女はいつかまた来るだろう。君には僕を護衛して欲しい。
     そしてもし出来るなら…彼女を救ってあげて欲しい。それはきっと君にしか出来ないことだ…」

リョウジ「マルス様… いや、いいんですよあんなビッチ。遠慮無く刀の錆にし…ぶべ(再び引っぱたかれ)」

セシル「あんたはもう…だけどあたしまだ信じられない…カタリナが敵になるなんて…
     今朝だってリョウジと三人で一緒に笑い合っていたのに…」

リョウジ「…セシル」

セシル「ごめん…くよくよしても仕方ないか。あたし達は騎士、切り替えなきゃ…リョウジ、あたし達は第七小隊の仲間。
     それはこれからも同じよ。あたしたちで一緒に仲間を…カタリナを取り戻しましょう。いつか必ず…」

リョウジ「…(あまりその気はねえ…)」



こうして…予想外の事態になったが叙勲式は終了した。

6人…いや、5人の新たな騎士がアリティア騎士団に生まれた。

それは繁栄の兆しか…それとも…




とかく、無事に騎士になったリョウジの周りに人が集まって来た。

カインとかドーガがリョウジに祝いと護衛の賞賛をしていたが、リョウジは微妙そうだった。

マリクはカダインに戻り、リフは旅に出るということで別れを言っていた。
一番世話になった二人ということもあり、こっちの二人の別れにはリョウジも少し切なそうだった。

やはり人間関係、能力がまず物を言うのである。


そして…



シーダ「リョウジ、ちょっといい?」

リョウジ「はっ、なんでしょうシーダ様」

シーダ「ありがとう。マルス様を守ってくれて。
     でも、私は…まだ胸騒ぎがするの…マルス様はこれから、もっと危険な目に遭う…そんな予感が消えない…
     マルス様を守りたい、でも私ではお役に立て無い…それがどうしようもなく辛くて…」

リョウジ「大丈夫です。シーダ様。マルス様はご無事です、この命にかえてもマルス様をお守りします」

シーダ「ありがとうリョウジ、そうねあなたがいてくれれば…ごめんなさいねリョウジ。
     マルス様も私もあなたにお願いしてばかり」

リョウジ「シーダ様…」

シーダ「でもあなたならきっと…マルス様も私もそう信じられるから…
     リョウジ、これからずっとマルス様の傍にいてあげて…あの人を助けてあげて…」





ありがたいんだけど、セリフ全般不吉すぎてなんか苦しくなってきます。




 


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