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◆ OG本編開始 投稿者:シリウス  引用する 
トーレ



異星人襲来。

メテオ3によって齎されたものは兵器や超技術だけではない。

その脅威もまた地球圏に齎された。

脅威を知る者の反応は様々だ。

ある者は徹底抗戦を唱え、

ある者は己が命欲しさに降伏と従属をし、

ある者は来るべき時に備えて力を蓄える事を選ぶ。

しかし、脅威を知らぬ者は仮初の平和を謳歌するのみ。

それが幸せな事か、あるいは残酷な事なのか誰も知らないまま時は進む。

だが、これだけは言えるだろう。

もはや軍人も民衆も隠された事実から逃げる術はない事を―――。



スーパーロボット大戦OG・アストレイ

第4話『軍人と民間人』




アキト達が合流して数日後。

来るべき宣誓が近づくにつれて、EOTI機関の士気が高まっていく。

既に準備も全ての整っており、あとは行動を移すだけとなった。

だからこそ、目の前の状況に驚かざる負えなかったと言えた。

ハヤトとベイルはリオンのセッティングをしている最中に事件は起こった。

まずその事を発見したのはベイル。


「ん? なんだありゃあ?」

「……どうした? 何か問題でもあったか?」

「あー、いや、なんつうか……アンタの目で見た方が早えな」


目を離さないまま問いかけるも、ベイルからは歯切れの悪い言葉が返ってくる。

内心舌打ちをし、ベイルに言われるままベイルの視線の先を見た。

其処に居たのは―――。


「離せって言ってんだろ! くそ! 此処は何処なんだよ!?」

「おっほー! なんでこんなにも面白えモンがあんだよ!」

「……」


三人の青年が自分達の仲間に連行されていた。

目測ではあるものの、彼らが直ぐに未成年。

そして、着ている服から民間人である事が直ぐに分かった。

三人の内、三人とも反応はバラバラであった。

一人は暴れるように抵抗しながら連行されていく。

二人目は周りにあるリオンや兵器に目移りしながら喜色の表情を浮かべている。

最後の一人は諦観の表情を浮かべながら、黙々と何も言わずに連行されていた。


「なんだありゃあ? お前さんらの新しい兵士かなんかか?」

「いや、新しい奴らが来るという情報は入ってきていない。そっちはどうだ?」

「こっちも統合軍からは宣誓があるまでは入らないって聞いているぜ」

「……つまりどっかから攫ってきたって訳か」


嫌悪感を隠しきれないまま目の前の状況を見つめるハヤト。

宣誓も始まってもいない状況下での行動。

そのうえ、それが民間人ならば不愉快さも増していく。

宣誓が始まれば、人類は嫌でも覚醒しなければいけない状況に追い込まれる。

そこにどんな大義の名目があろうとも許されず、認められない事であるとハヤトは知っている。

しかし、誰かがやらなければ人は真実を知らないまま、異星人の襲来に迎えてしまう

だからこそ、自分達は宣誓する事で人々に脅威を知らせる事を決意したのだ。

それでも目の前の状況に彼は憤る。

覚悟もなく、意志もなく、人攫いのように連れてこられる光景。

少なくとも軍人として生きてきたハヤトにとって耐えがたい光景であった。


「おい、アレはなんだ? 何で民間人を此処に連れてきているんだ?」


だから、彼は連行してきた兵士の一人に問いかける。

問いかけられた兵士は一瞬逡巡したものの、意を決したように答えた。


「アレはアードラー博士のご命令でして」

「アードラ博士のだと?」

「はい。私達は『バニシングPT』の大会に出ていた彼らを連れて来るように言われただけでして」

「バニシングPT?」


バニシングPTという単語に訝しむハヤト。

その背後から呆れながらベイルは答えた。


「ゲームだよ、ゲーム。そっちはやったことはねえけど、俺達がやっているシミュレーターみたいな奴がゲームであるんだよ」

「え、ええ。その全国大会で上位メンバーを数人誘拐するのが我らの命令でして」

「チッ……この事、ビアン博士は?」

「恐らくご存じかと」

「……なら、俺の口出しをする事じゃないか」


ハヤトは内心苛立ちを感じながら上が承認している以上、自分達は下はそれに従うだけ。

そんなハヤトの様子に呆れながら呟く。


「いったい何でお前が苛立ってんだよ。たかがガキが三人、こっちに来ただけでよ」

「うるさい。民間人が我が物顔で戦場に立ち、英雄願望かゲーム感覚丸出しで戦うのが嫌いなだけだ」

「そういうもんか。んで、よくお前らはあんなのを楽に連れてこられたな」

「ええ。一応任務で潜伏はしていましたが、バグスが出てきてパニックになっている所をそのまま」

「バグスか……」


異星人―――エアロゲイターが所有する機動兵器『バグス』

その形状は動物もしくは虫に相当し、人が乗るような痕跡もない。

そして、今確認されているエアロゲイターの数少ない兵器。

バグスは彼らにとっての見せ札に過ぎない。

しかし、問題は其処では無かった。


「どちらにしても街中でバグスが現れるのもあまり例を少ないな。連中の多くは兵器の所に寄りつく筈なんだが」

「ええ。恐らくゲシュペンストに釣られてきたんだと思います」

「ゲシュペンスト? 援軍としてきたのか?」

「援軍としても来たんですが、その前に白いゲシュペンストが大会近くに置かれてまして」

「えらくまたタイミング良く置かれてたもんだな。あれか? 奴らも俺達と同じだったか」

「まさか。民間人で動かせるほどPTは甘くない筈だ」

「いえ、私達の仲間が見たんですが、ゲシュペンストに乗ったのが、その……」

「その大会に出ていた人間だった訳か。で。動かせたのかよそいつ?」

「はい。この目で動かしている所は見ました」

「なるほど。地球連邦軍も形振り構ってられんと見える」


バニシングPT。

ハヤトはその存在に知らずとも、状況や情報によって推測が出来た。

向こう側もこちら側と同じ事をしているのだ。


「なに一人で納得してんだよ。こっちにも分かるように話せよ」

「簡単に言えば、俺達の乗るPTのコックピットをそのままゲームに応用したんだ」

「あぁ、つまりガキの時から知らねえ内に特訓させておくって訳ね。親が知ったら訴えられても仕方ねえレベルだな、そりゃあよ」

「だろうな。それにアードラー博士がそれを知っているという事は、ある一定のレベルを持った人間は政府の方で個人情報などを管理しているとみていいだろ」

「で、それに目を付けた訳か」

「ああ、元々博士はそういう才能や素質についての研究をしていた筈だからな」

「で、その中でもアイツ等が選ばれた訳か。はっ、よっぽど研究が大事なのかね」

「あの男はそういう男だ。少なくともビアン博士が居る限りは成りを潜めるとは思うがな」


そう―――アードラー博士は少なくともビアン博士に忠誠を誓ってはいない。

いや、この組織自体もあの男にとっては己の野心を動かす為の道具に過ぎない。

ビアン博士もそれが分かっている筈。

しかし、その為の行動を移さないか、皆目見当がつかない。

どちらにしても考えても埒がないと言わんばかりにため息を吐くハヤト。

大事な事は今後の事だ。


「まあ、お前らはよくやった方じゃねえか。命令はどうであれ、バグスが現れた所から無事に命令を果たして戻ってこれたんだからよ」

「ありがとうございます」

「むしろお前らも俺らも大変なのはこれからだからな。んじゃあ、仕事があるんだろ? 行っていいぜ」

「ハッ!」


兵士はそういうと自分達が乗っていた飛行機の方へと戻っていく。

聞きたいことは聞いた。

あとは納得出来るかの問題であった。

少なくともベイル自身は納得している。

生き残るのも死ぬのも結局はそいつの責任に過ぎない。

それが軍人であれ、民間人であれ、関係ない。

あるのはただ生き残り、勝ち取った者のみが祝福される世界。

ハヤトの方は未だに納得し切れていない。

恐らく今回連れてこられた三人の内、二人は反応を見ても覚悟が決まっていない。

覚悟の決まっていない兵士を取りそろえても、邪魔にしかならない。

ましてや民間人ならば尚更。

どれほどゲームで鍛えようとも所詮はゲームに過ぎない。

戦場に居る恐怖も、敵を撃つ覚悟も恐怖も育つことはない。

そんな存在を彼は兵士とも戦士とも認めない。


「悪いが、少し此処を留守にするけど良いか?」

「別にいいんじゃねえか。どうせする事なんて特にねえしよ」


ハヤトは意を決心して、彼らの下へと行く事を決める。

彼らが選ぶ選択肢と覚悟を問いかけに―――。


★ ★ ★ ★ ★


ハヤトは周囲の兵士から話を聞いていく内、一つの部屋に彼らの情報と部屋を割り出した。

この三人の内、一人はアードラ―の話を了承したらしい。

それが誰なのか、大方の予想は着いている。

あの手の輩に聞こうとも、帰ってくるのも下らない言葉だと予想した。

だからこそ、彼らに聞かねばならない。

自分達がどういう選択を行うのかを―――。


「……ここか」


そこにあった一つの部屋の前に立つ。

聞いた話では既にこの部屋に移送されているらしい。

扉越しで部屋の中を確認すると、二人の青年が居た。


「おい、聞こえるか」


その声に気付いたのか、一人の青年が扉の前まで近付く。

その表情は安堵や驚きを浮かべていた。


「もしかして俺達を助けにきてくれたのか!?」

「まさか。此処に来たのは個人的な要件だ」

「なんだよ、それ……」


青年はそのまま愕然とするように部屋に置いてあったベッドの上に座り込み。

その表情は絶望しかなかった。


「そもそも仮に此処からお前等を救いだしたとして、その後はどうするつもりだ。此処は孤島で、周りは海。そのうえ、この基地には多くの軍人も居る。そんな状況下で逃げ出せると思っているのか?」

「そ、それは……」

「はっきり言って不可能と言っていいな。まあ、そんな事はどうでもいいんだが……」

「あ、あの……なら、何でここに来たんですか?」


今まで一言も話さなかった青年が口を開く。

ハヤトは直ぐに彼は意志を表に出す事を苦手するような人種だと分かった


「さて、お前等はどこまで話を聞いている?」

「あの爺さんの話か?」

「あぁ、正直あの爺から何処まで聞いたかは知らん以上、お前等の口から吐け」


ある意味、酷い事であると自覚している。

いきなり連れてこられて、訳の分からない事実を教えられてしまう。

だからこそ、その事実は変わらない以上は受け入れてもらうしかない。


「俺達が遊んでいたバニシングPTが元々は軍が自分達を選抜する事と、この世界がエアロゲイターっていう異星人に襲われていることを聞きました。でも、その事実を政府は隠しているって聞いた」

「地球を売り渡そうとしている地球連邦を打倒し、この地球圏を護る協力をしてほしいって」

「ふん、あの爺らしい言い回しだ」

「え?」

「いや、なんでもないさ。で、お前達の答えは保留か」

「……はい」

「(義憤や英雄願望に駆られて、返事をしないだけマシか)」


保留という答えにハヤトは内心安堵する。

ここで義憤や英雄願望に駆られて、頷くようでは彼らは何れ後悔するだろう。

自分の両手が血で赤く染まり、後には引けない所まで来ている所に居る事を。


「何でこんなことになるんだよ! 俺達は普通にゲームしてただけなのに!」


青年から発せられる声。

戸惑い、後悔、怒り、恐怖、絶望と様々な感情が集約されていた叫び。

もう一人の青年も同じく声には出さないものの、表情は暗い。


「だが、いずれ分かっていたことだ。それが早いか遅いかの違いだ」

「だからって、はい、そうですかって頷ける訳ねえだろ!」

「そうだな。俺個人の意見を言わせてもらえば、お前達は頷く必要はない」

「……それって」


例え上層部の決定であろうともハヤト個人として言うなら否。

そこにどんな大義や正義、理由があろうとも民間人を護る事こそが軍属の本分。

しかし、その信念も引き起こす側になった以上、何の意味もないものになっている

それでもこの境界線だけは譲るわけにはいかない。


「さっきも言ったが、俺は民間人を軍へと取り入れることには反対派の人間だ」

「……あの、どうしてですか?」

「決まっている。覚悟も信念もない人間が戦場に出る事自体、間違っているからだ。例えお前達がどれほど素質やテクニックを持ってたとしても、覚悟がなければ精神の方が先に破綻する」


人がどれほど大義や正義を掲げようも、撃つのは自分。

他人の大義や正義に目を奪われて、自分の精神を疎かにする者に戦場に出る資格はない。


「それに仮に戦わないと選択をしても、誰も止めはしねえ。だが、それでもお前達が知らない所で戦っているって事を忘れるな」

「……もう止めることは出来ないんですか?」

「止めてどうなる。政府は隠蔽し続けていく内に侵略は悪化するかもしれない。だったら、今から大勢の連中に意識として持たねえと、それこそいつの間にか侵略されましたじゃあ遅いんだよ」


だからこそ、自分達は地球連邦と戦うことを選んだ。

例えそれが許されない行為であっても誰かが行動を起こさなければ、人々は何も変わらない。

その果てに地獄であろうとも、何もしないまま死んでいく気は毛頭ない。

自分達はその為にビアン博士の意志の下に集ったのだから。


「だから、お前達もどういう答えを出すか考えろ。そして、どういう答えを出しても覚悟を決めろ」

「覚悟……」

「そうだ。戦争が始まれば、地球の何処にも逃げ場所なんて存在しないんだ。だからこそ、どういう答えを出すにしろ、生き残る覚悟だけは身に付けろ」

「生き残る事なんて出来るのかよ、あんな連中から」

「生き残れなかったら死ぬだけだ。いや、そっちの方が生き地獄を見続けるよりかは楽かもしれんけどな。それもあの世なんてものがあったらの話だがな」

「そんなのがあるかなんて分からねえよ」

「そうだろうな。まっ、どちらにしても今はまだ戦争が始まっていないからな。考える時間なら十分ある」


それがどんなに残酷であっても自分の意志で選択しなければならない。

だからこそ、彼はこれ以上は何も言わないとばかりに口を閉じた。

すると、今まで暗い表情をしていた青年を顔を上げて、尋ねる。


「あの……あなたの名前は?」

「ああ、まだ言ってなかったな。ハヤト・アカミヤだ。階級は、まあ民間人のお前等にはいいか」

「僕はリョウト・ヒカワです……」

「俺はケンイチロウ・モリデラです」

「リョウトにケンイチロウか……まあ、お前等がどういう答えを出すかは今は聞きやしねえよ。どうせ戦争になれば、今生の別れにもなるかもしれねえからなな」


出会いとは一期一会。

その時の出会いは一生に一度しかない。

ましてや自分達は戦場の中で生きる兵士である以上、その場限りの出会いかもしれない。

敵に撃たれて戦死したなど幾らでも聞く。

だからこそ、彼らの後の行動を聞かない。

味方や敵に分かれる結果になっても、己の為すべき選択を行うことこそが大事なのだから。

ハヤトも言いたい事を言ったことで、スッキリした表情を浮かべる。


「じゃあな。二度と会えるか分からねえが、もし縁があったら楽しみにしとくぜ」

「……はい。僕もまた会える事を楽しみにしています」


残された二人は各々で自分の覚悟や行動を考える。

その果てにどういう行動を起こすかは誰にも分からなかった。



★ ★ ★ ★ ★




ハヤトは一人歩いていると、ベイルが壁際に凭れかかりながら立っていた。


「よう。話は終わったかよ」

「ああ、終わったさ。それなりにスッキリする事が出来たさ」

「はっ! そりゃあ良かったじゃねえか。んで、ガキどもは何て?」

「さあな。答えは聞いていない」

「んだよ、そりゃあ。無理矢理頷かせりゃあ良いだろうが」

「アホか。そんなやる気の欠片のない兵士はこっちからお断りだ」

「まあいいや。とりあえず南極会議についての日程を伝えに来たぜ」


南極会議。

その言葉にハヤトの視線が鋭くなる。

表向きはスペースノア級『シロガネ』とEOTI機関の新型兵器『グランゾン』の発表。

しかし、裏で何が行われるか、彼らは知っている。

そして、其処で何を起こすのかも―――。


「で、何時だ?」

「2週間後だ……いよいよだな」

「あぁ。こちらもいい加減、雌伏の内に暮らすのも飽きてた所だからな」

「くくく……アッハハハハハハハハハハハハッ! 確かにうんざりだったぜ! ああ、そうさ。俺達は兵士なんだ……戦うことが仕事なんだからよ!」

「そうはしゃぐな。うるさい」

「そりゃあ悪かったな。だが、あんたも興奮してんだって分かってんだよ」

「ああ、この日だけを本当に待ってたんだからな」


自分達はその時の為に待ったのだから。

その日に世界は大きく変わっていく。

何故ならその日から始まるのは、侵略者から地球圏を護る為に行われる人類同士の戦争。

その戦争が終わろうともエアロゲイターとの戦争も待ち受けている。

民間人にとって戦火の恐怖で怯える生き地獄と化すだろう。

しかし、これは人類という種が生き残る為の戦争である以上は、戦いは避けられない。

そう―――ただ自分達の平和を勝ち取る為に戦う必要がある

これより後、世界は大きな混沌と時代に突入していく。

すべてはこの地球を護る為に―――。



あとがき
明けましておめでとうございます。
どうも、シリウスです。
テンザンを出そうと思ったら、リョウト君になっちゃった
とりあえず今回からスパロボOG本編に突入です。
今後どうなるか、私も試行錯誤しながら執筆中です。
では、また逢う日まで
2013/01/03(Thu) 02:07:12 [ No.991 ]

◆ クリスマス? アルバイトでした 投稿者:シリウス  引用する 
トーレ

パーソナルトルーパー、通称PT。

異星人の襲撃を受けた事に際して開発が決定した人型機動兵器。

その機能の高さに加えて、あらゆる状況に対応出来る汎用性の高さ。

従来の戦場の主流であった戦車や航空機に代わって出てきた量産兵器であった。

これ以上の量産兵器は出てこない。

地球連邦軍に所属する者は誰もがそう思い、戦ってきた。

しかし、兵器もまた既に新たな段階に秘密裏に進んでいたのだった。



スーパーロボット大戦OG・アストレイ

第三話『リオン』



アイドネウス島、地下ドック。

其処では来るべき戦場に向けて、新たな兵器を量産、開発を行っていた。

そう、アーマードモジュール『リオン』を―――。

その姿にひと際、興奮するあまり、笑みを隠しきれない男が一人。


「あはははははははははは! こいつはすげえ! 随分と面白え兵器が出来上がってんじゃねえか! なあ、おい!」


ベイル=シュノールベルトであった。

そんな姿に周囲に呆れながら見つめていた。


「お前は新しいオモチャを手に入れて喜ぶガキか?」

「おいおい、つれねえ反応すんじゃねえよ。アンタ達だって分かってんだろ? コイツ等が意味する事をよ」

「それでもオーバーリアクション過ぎると思うよ」

「そんな事を言っても、少尉だってあんま信じて無かったでしょうが!」


呆れながらも彼らもまた分かっている。

リオンの性能や特徴。そして、今後の戦争の状況を大きく変えることを―――。

何故ならこのリオンが本格的に量産が行われれば、航空機の時代に終わりを告げる。

その理由はたった一つ、小型テスラ・ドライブの搭載された事である。

従来の航空機は燃料を燃焼させて、その反動で飛行するものだった。

しかし、このテスラ・ドライブは従来の飛行ユニットとは大きく変わっていた。

周囲の重力に干渉・制御を行う事で「無重力状態」にすることで、重力圏内でも自在に飛行が出来る代物。

結果、従来の航空機では不可能だった変幻自在の飛行も可能になったのだ。

それでも今までは欠点があった。

それはテスラ・ドライブの大きさにあった。

現在までテスラ・ドライブが使われたのは戦艦級にしか搭載出来ず、小型化など到底不可能と言われていた。

それが今、この『リオン』の中に搭載されている。


「確かに資料を見ても信じ辛かったけど、こうして生で見るとね」

「まあ、無理もないさ。こいつの登場で恐らく戦場は一変するだろうな」


アキトの言葉に内心同意するメンバー達。

現在地球連邦軍が所有するPT『ゲシュペンスト』。

その汎用性の高さと質の高さも彼らは知っている。

しかし、その機体の重量やテスラ・ドライブを持っていない為、空中での移動が制限されてしまう。

このリオンは違う。

空中を自在に飛び回り、PTサイズの大きさを持つ人型機動兵器。

彼らは自らの頭上を支配されたようなものだった。


「ふふ、どうやら気に入ってもらえたようだね」

「ええ、そりゃあもう!」

「私達も見せた甲斐があったというものかな」


セフィリアは目の前に並ぶリオンの下へと近づいていく。

その後、すぐに乗り手であるアキト達へと視線を向ける。


「一応君達にはそのままリオンに乗ってもらう事になるだろうね」

「それはまた突然ですね。てっきりあそこで開発しているF−32型の航空機からと思っていましたが」

「そんな事はさせないさ。少なくとも私の部隊に居る以上は君達には窮屈な思いはさせないつもりだよ」

「そりゃあ随分と大きく出たな、艦長」


ハヤトは苦笑する。

此処のメンバーを窮屈にさせない等、ほぼ難しいと言える。

経歴を見た限り、誰もが手を引くような連中を集めたような小隊。

一切命令を効かず、己が信じる人間にしか従属しないベイル=シュノームベルトが良い例。

ハヤトもアキトもリョーヤですら経歴に問題があるのだ。

そんな連中が一か所に集まった小隊に対して、どうして窮屈な思いをさせないと言える。

経歴を知るものが居れば、それだけで注目の的になる連中ばかり。

もっともそんな視線に気にするような自分達でもないが―――。


「別段大きく出たつもりはないよ。さっきも言った通り、私は君達の命を預かる事になる。ならば、相応のモノをもって返すのが礼儀だろう」


それにとセフィリアは言葉を続ける。


「これは君達の方が分かっているだろ? 他人の目に怖気付くようなら最初から戦場に出なければいい」


人の視線に怯えるような存在なら戦場に出ても死ぬだけ。

戦場に出れば死の恐怖と常に隣り合わせで生きなければならない。

常に生き残るという保証もない。

まさしく生きるか死ぬかの世界が戦場なのだ。


「だから、私は君達を信じよう。どんな状況でも打ち砕けるだけの力を持っている事をね」


セフィリアの口上に真っ先に反応したのはベイルだった。

最初はくつくつと笑いを浮かべるだけであったが、次第にそれも大きくなっていく。


「あははははははははははは! なんだそりゃあ! 急に何を言い出すかと思えばそんな事かよ!」

「おや、これでも多少は自信を持って言ったつもりなんだけど」

「いやいや、自信がどうこうじゃなくてだなあ。まあいいや、どうせやる事は変わんねえしよ」

「ということは期待して良いって事かな?」

「ああ、期待してくれても構わねえぜ、セフィリア艦長」

「それは何よりだよ、ベイル軍曹」


『リオン』にこの小隊に艦長。

これほど愉快な事は無いと言わんばかりに笑いが止まらない。

ならば、自分もそれに見合ったものを戦場で返そう。

元より自分はそれしか能がないのだから。

まだ見ぬ戦場とこの小隊で待ち遠しさを隠しきれないベイル。

そんな姿にセフィリアは笑みを浮かべる。

寧ろそれ位の方がこの戦争を乗り切れる自信も着く。

無論むざむざと死ぬつもりもないが―――。

アキトはそんな艦長の様子に呆れ顔を浮かべる。


「はぁ……何をアンタはそんな当たり前の事を言ってるんだ」

「ふふ、口下手な君の代わりに私が恥ずかしい思いをして演説してあげたんだけど?」

「なら、少しはそういう風に見せたらどうなんだ?」

「そういうのは若い乙女がやるものだよ。それに三十路前の私がやっても誰が得をするのかな?」


セフィリアは口元にくすくすと笑みを浮かべながら、アキトの言葉を流す。

アキトはため息をつくと、直ぐに真剣な眼差しで見る。


「それにな、コイツ等を活かすのが前線指揮官である俺の仕事だろ?」

「当然その辺は君に任せるさ……『ゲシュペンスト・イエーガー』」

「……ああ、分かっているさ」


アキトに向けて放たれた言葉。

ゲシュペンスト・イエーガー。

その意味を知らずに訝しむリョーヤとベイル。

逆に言われた本人であるアキトと、その意味を知っているハヤトは眉をしかめる。

セフィリアはそれに気づき、申し訳なさそうな表情をする。


「ごめんなさい。少し言い過ぎてしまったみたいね」

「いや、構わんさ。結局その過去は変えられないしな」

「そう言ってくれると助かるよ」


セフィリアは苦笑を浮かべる。

資料に書かれた経歴を見れば分かる事とはいえ、それでも不用意過ぎた。

彼らとて触れられたくない過去がある筈なのに。

自らの未熟さに自嘲する。

しかし、何時までも引き摺っている訳にはいかない。

直ぐに小隊の方へと視線を向ける。


「さて、さっき言った通り、リオンは4機そのまま君達の下に配備される」

「しかし、良いんですか? 量産されるとはいえ、4機も貰ってしまって」

「ああ、それな「それについては君達が心配する事じゃないさ!」……何故あなたがこちらにいるんですか」


セフィリアの言葉を遮るように発せられた男の声。

小隊達は思わず声が発せられた方に視線を向ける。

其処に居たのは白衣を着た長髪の細身の男性。

彼は笑顔で一歩ずつアキト達の下に近づいていく。


「別に問題はないだろう。いくら私でも休憩というリラックスタイムは必要だよ」

「そんな事に聞いているのではありません。例のモノの開発はいいのですか?」

「それこそ問題ないさ。実際あんなのは其処まで難しいものではないからね」

「あの、こちらの方は?」


にこやかに話す男のペースに終始流されそうになるものの、リョーヤは現れた男に疑問を投げかけた。


「ああ、自己紹介がまだだったね。私は『ヴィンセント=クロイツァー』、このEOTI機関で働く者の一人さ」

「ヴィンセントさんですか。では、何故あなたがこちらに?」

「いやあ、正直テスト機体のロールアウト寸前なのだが、人目を盗んで満足に休憩というものをね」

「ようするに逃げてきたってわけか」

「常に人は回り続ける歯車ではないよ? 時には立ち止まり、視野を広げる事も大切さ」


一切口が止まらない男に呆れる一同。

ヴィンセントはそんな周囲を見つつも、笑顔を絶やさない。


「それにだ。面白い話をしていると無性に聞きたくなるのが人の本分じゃないか」

「そっちが本音じゃねえかよ」

「イエス! 正直毎日専門用語について話す連中と一緒に居るのも結構肩が凝るものでね」

「それがあなたの仕事でしょう」

「まあいいじゃないか。君達とてこのリオンの開発者の一人に出会えた事を多少の敬意は持ってほしいからね」

「はぁ!? この男がかよ!?」

「正確には機体造型を手伝ったまでだが!」


ああ言えばこう言うヴィンセントのペースに終始かき回されてしまう。

しかし、アキトは先程この男が口走った事が気になっていた。


「それよりさっきロールアウト寸前というのはどういうことだ?」

「ああ、君はこの小隊の隊長さんかな?」

「そうだが」

「ふむ、まあいいだろう。君達はリオンが我らEOTI機関の切り札だと思っている性質かな?」

「まさか。こんなものは見せ札の一つだろ」

「こんなんでは切り札にはなり得ないさ。しかし、見せ札は多いに越したことはない」


本命の一矢を隠す為の一矢。

しかし、どれが本命の一矢と見せないからこそ本命。

あるいは全てが本命かもしれない。

そう―――質にものを言わせた戦い方か、あるいは数に物を言わせた戦い方もある。

この場合、ヴィンセントが提示したのは数の戦い。


「あくまでもこのリオンはプロトタイプさ。これより更に改良を加えて、宇宙や海に対応したリオンも開発される予定だ」


これよりリオンはさらに多くの改良をされていく。

その適性や状況を変わるように、リオンもそれに合わして変化していく。


「それにコンセプトも変われば機体も変わってくる」

「つまりそれがさっき言っていたロールアウト寸前の機体ですか」

「そう。『ガーリオン』と『バレリオン』だ」


出来上がったオモチャを自慢するかのように言うヴィンセント。

ガーリオンとバレリオンという新たな兵器に期待を膨らませてしまう一同。

そして、同時にそんなものまでも開発してしまうことに改めてEOTI機関の技術力に驚くばかりだった。


「いいんですか? そんな大事な事を教えて」

「構わんよ。第一これは機密事項でもないし、ロールアウトが終わり次第に最前線へと配備される機体だ」

「つまり俺達も乗れるって訳スか」

「適性があればね。ただガーリオンについては生産数が少なく、指揮官機として扱われる予定さ」

「では、バレリオンは?」

「それこそ適性だろう。あれは航空する移動砲台だからね」

「なるほど。射撃が上手い人間でなければ扱い切れない機体という訳ですか」

「そういうこと。まあ、操縦に関してはリオン同系列だからさほど苦にはならんだろうがね」


ガーリオンとバレリオン。

操縦に関してはリオンシリーズである為、変わらない。

しかし、問題は特性をフルに活かせるかどうか。

それこそが乗り手としての役目と言えた。


「今君達に有用なのはこれ位だろうな」

「俺達に、ですか」

「そっ。君達にだ」

「そうですか。分かりました」


これ以上、話す事はないと言わんばかりに言葉を閉じるヴィンセント。

つまり彼らが何を作ろうとも恐らく自分達には回ってこない。

それほどのモノとなると、恐らく幹部のみが乗れる機体か戦艦。

興味がないわけではないが、乗れない以上はどうする気もない。

少なくとも今はこのリオンを乗りこなせるかが最重要事項であった。


「それに心配しなくても時期に見れるよ。あとは最終調整をすれば終わりだ」

「はっ……つまり俺達の勝利は揺るぎねえものになったわけか!」

「これで組織が生きて、俺達が死ねば意味ねえぞ」

「そりゃあ違いねえ!」


大局的な面で見れば、数も切り札揃えられたことで勝利は盤石となった。

しかし、最前線に立っている自分達が死ねば勝利も何もない。

あるのは死のみ。

だからこそ、大局の面がどうであれ自分達は死ぬわけはいかない。

自分達が為すべき事を成す為にも―――。


「さて、私は此処で失礼するよ。これ以上遊んでいると皆に怒られてしまうからね!」

「ヴィンセント博士……手回しお願いしますね」

「君はもう少しオブラートに言ってくれると、こちらとしても嬉しいんだけどねえ」

「おかしな事を言いますね。こちらも私の小隊の命が掛かっているのですから、これ位のお願いはしないと」


セフィリアとて分かっている。

この部隊は経歴や性格、そうした問題のある人間が集められた小隊である事を―――。

加えて従属というものから最もかけ離れた部隊。

もし快く思わない存在が現れれば、下っ端である自分達はどういう状況に追い込まれるか分からない

最悪捨て駒扱いや、そうした命令を下す可能性もある。

そういう状況に追い込まない為にも彼女は自らの役割を果たす。


「それに此処で頼まなければ、それこそ無視されるような部隊ですから」

「確かに一小隊がどうなろうが、大局的に見れば何の意味もないからね」

「そういうことです。だからこそ、必要最低限のモノは揃える必要がありますから」

「ふむ……」


ガーリオンとバレリオン。

生産数を考慮しても先ず幹部達に渡される事は目に見えている。

それに、たった4機のリオンでどうにかなるほど戦争は甘くない。

ましてや地球連邦軍も隠し玉を用意していないわけがない。

だからこそ、今ここで行動を起こす。

少しでも繋がりを得たのならば、有用に使うまで。

自分も彼らも死なせない事こそが彼女の仕事なのだから。

数秒後、大きなため息を零すヴィンセント。


「まあ、私とて全てを手回しは出来んよ」

「それで構いません。少なくとも手札が幾つかあるだけで状況は幾らでも作れますから」

「まったく……君も大概だね」

「そうでなくては彼らの艦長は務まりませんから」

「ああ、そうだろうね。こちらも面倒な女性に引っかかったものだ」

「役得と思ったらどうですか?」

「そっちは当面は難しそうだよ。まっ、約束は出来んがやってみよう。ただし、それまで生きているかは君達次第だがね」


ヴィンセントはそう呟くとその場を去っていく。

セフィリアは一つの仕事が終えたばかりと言わんばかりに安堵の息を吐く。

そんな彼女に真っ先に声を掛けたのはアキトだった。


「お疲れだな、艦長」

「しかし、良かったんですか? あんなことを言って……」

「良くは無いかな。でも、さっきも言ったが私は君達や乗組員を活かすのが仕事。それに恩恵が与えられるなら平等に貰うことは必要だからね」


この部隊が曰く付きであろうとも、その恩恵が与えられない理由にはならない。

自分達もまた地球圏を護る為の同士なのだから。


「それに過酷なのは変わりないよ。いや、寧ろキツくなるんじゃないかな?」

「それこそ上等じゃねえか! 俺達は戦争しに来たんだからよ!」

「自分としては早く終わってほしいですけど」

「そこは人それぞれさ。今大事なのはそれを扱う事になった責任の重大さだよ」


量産型とはいえ、未だに限られているガーリオン。そして、バレリオン。

だからこそ、それに伴った結果を出せとセフィリアは言う。

その言葉に一同は―――。


「それこそ問題ねえんだよ! こっちもプロなんだからよ」

「同感だ。アンタは戦艦の中でドーンと構えとけ」

「どちらにしてもそれが命令なら自分は従うだけです」

「此処にはそういう馬鹿しかいないらしい。まあ、俺もその一人だけどな」


それぞれの思いを口をする。

今までどう歩んできたのかは関係はない。

ただ自分達は果たすべき任務や使命を果たす為に戦場を駆る。

行きつく先が戦火が燃え広がる地獄であろうとも―――。

己の両手が血で真っ赤になろうとも―――。

自分の目指す理想の世界を得る為に、彼らは進み続ける。

己が戦火の中で燃え散るその日まで。




あとがき
こんばんは、シリウスです。
第三話に関しては「リオン」についでです。
今回書いてて思ったんですが、やはりまだまだスパロボは勉強不足ですね。もっと設定を知らなければいけないな
次回はいよいよ原作キャラが登場。
リュウセイルートでお馴染みのあの人です。
では、また逢う日まで頑張ります
2012/12/28(Fri) 01:45:30 [ No.990 ]

◆ まだまだ暗躍中 投稿者:シリウス  引用する 
トーレ アイドネウス島

そこは地球人が異星人を知る切っ掛けの場所。

『メテオ3』という巨大な隕石から地球では手に入らない超技術が検出された事が始まりであった。

その技術を用いた事で多くの分野や軍事技術が発展。

そして、異星人に対する人々の思惑が生まれた場所である。

『EOTI機関』

其処では異星人に対抗する為に新たな兵器が製造・量産されている。

その地下ドックの一角、銀髪の長髪をした女性は自分が預かる事になった戦艦『ストーク』を見つめる。

彼女が28歳という若さにして艦長『セフィリア=ローザ』である。

そして、アキトやハヤトが携わる小隊を預かる艦長。

艦を預かる者としての、乗組員や小隊の命を預かる責任と重圧。

その事に恐怖や怯えが無いと言ったら嘘になる。

しかし、その責任こそが自分の果たすべき役割であり、己の在り方。

そして、其処から退ける所には自分は居ない。


「セフィリア艦長、こちらに居ましたか」


後ろから聞こえる声にセフィリアは振り返る。

其処に居たのは明らかに50代を超えている老齢の男性。

彼もまた自分が扱うことになった乗組員の一人。

その男性を見たセフィリアは小さく笑みを浮かべる。


「あぁ、やはり自分が預かる艦はこの目で見てみないとね」

「ふむ。で、見たご感想は?」

「悪くはないさ。少なくとも今の私に見合ったものだ」


艦長に選ばれるという大役を仰せつかっても、未だ若輩の身である事は変わりない。

それでも、スペースノア級やマハト等の総司令官クラスの戦艦を扱いたい願望も持ち合わせている。

その為の努力も経験も一切惜しまない。

そうでなければ自分が預かる事になった小隊を扱えない。

今までは二人しかいなった小隊も、コロニー統合軍から二人の兵士が更に来ることになった。

渡された資料を見る限り、性格に難があるものの実力はあると書かれていた。

まだ見ぬ期待で、思わずくすりと笑みを零れる。


「艦長?」

「いや、小隊の事を思い出してね」

「……彼らですか」


艦長の言葉に真っ先に小隊の事を思い出す男性。

しかし、その表情は艦長とは逆に苦虫を噛み潰したように酷く歪む。


「本音を申してもよろしいでしょうか?」

「あぁ、構わないよ」

「何故あのような者達が我が艦隊に入る事になったのですか?」


男性にとって何故あんな連中が自分達の下へとやってきたのか全く不明だった。

確かにあの二人の能力や実力の認めている。

しかし、あまりにも性格や経歴に問題がありすぎる。

これではこの艦隊は敵を撃つまでに内側から崩壊してしまう。

来るべき時が迫りつつある中で、少しでも憂いを無くしたかった。

セフィリアは数秒間を開けて、苦笑交じりに答えた。


「はっきり言えば、私達は貧乏くじを引かされたのさ」

「貧乏くじですか?」

「そう。命令に従わない駒に用はない。しかし、実力がある以上は処分は出来ないのが上の本音だ」

「……そんな理由で自分達はあの者達を」

「でも、私は彼らを使うかな」


男性はその言葉に驚いた表情をする。


「私は別に言われた通りに動く従順な犬だけが欲しい訳じゃない」

「は?」

「そう。自らの判断で動き、必ず結果を遂行出来る猟犬が欲しいんだ」

「……同じ軍属としてその発言はどうかと」


軍属として命令は絶対順守。

その在り方はどの世界でも変わりない。

しかし、セフィリアの発言はそれを離れていた。

どのような性格や経歴があろうがなかろうが構わない。

ただ行動に見合った結果を残せと彼女は言う。


「それにそれ位で無ければ、この先は生き残れないだろう」


どちらにしても戦争が始まれば、油断や慢心、力が無い者から死んでいく。

どういう人間が戦場に求められていようとも、力を示し続けなければ生き残れない。

それをセフィリアは知っている。


「それにもう遅いよ」


セフィリアは手元に置いていたファイルを男性へと渡した。

男性は訝しながらファイルの中身を読んでいく。

読んでいくにつれて段々と顔色が悪くなっていき、更には表情すら歪んでいく。


「艦長!!」


そして、大きな声を出して、叫んでしまった。

セフィリアは思わずクスクスと笑みを零してしまう


「いや、すまない。だが、既に彼らはこちらへと向かっている」

「いや、しかし、これでは……」

「これについては既に決定事項であり、こちらに決定権も拒否権もない」


真剣さを醸し出しながら、どこか楽しげに語るセフィリア。

そのファイルの中身には本日、自分の部隊に来る彼らの名前や経歴が記されていた。

『ベイル=シュノームベルト』軍曹。

『リョーヤ=アマカゼ』少尉。

コロニー統合軍から派遣されてくる曰く付きの兵士。

セフィリアが所有する二人組の小隊を含めて、合計四人の小隊。

隊長の『アキト=アイザワ』中尉。

そして、『ハヤト=アカミヤ』少尉。

全員が曰く付きの兵士達。

それでもセフィリアは構わなかった。

既に賽は投げられている。

ならば、彼らの能力を十全に扱うのが自分の役目。


「どちらにせよ、私達のやるべき事は変わらないさ」

「そんな……」

「さて、彼らを迎えに行こうか……レミリス副長?」


セフィリアは男性の肩を叩き、通り抜けていった。

老齢の男性『レミリス=アーベン』副長。

この艦隊を取り仕切るナンバー2であり、この戦艦を取り纏める一番の苦労人であった。


スーパーロボット大戦OG・アストレイ

第二話『集結』


「あー……だりぃ」

船の甲板からベイルは気だるげに海を見つめていた。

この体全体に圧し掛かる重力を浴びている感覚。

生まれも育ちもコロニーで生きてきたベイルには慣れない感覚であった。

そのうえ、何処を見ても空と海しか存在しない世界。

このままでは目的地に着く前に退屈で死んでしまう。


「どうかしたか、ベイル?」


そんなベイルの後ろから声を掛けるリョーヤ。

そんなリョーヤにベイルは一切敬礼も身嗜みも整えず、気だるげな視線を向ける。


「いや、なんつうか、この重力が聞いてたのよりもキツイんっスよ」

「ん? というと、地球は初めて?」

「そりゃあ生まれも育ちもコロニー」

「なるほど。ならば、気をつけないと」


その言葉に訝しむベイル。

少なくともシミュレーターではあらゆる状況に対応できるように戦ってきた。

無論その中には地球での戦い方も供えられていた筈。

それを今更何を気を付ける必要があると思ってしまう。


「重力だよ。宇宙とは違い、地球では重力が機体やパイロットにも負荷が掛かるって事さ」

「そんなのシミュレーターって散々学んできたことじゃねえか」

「シミュレーターにあるのは情報を元に創られたものだからね。実戦と情報とじゃあ変わってくる」


特にベイルのように若く、宇宙でしか実戦経験のないパイロットではよくある危険な認識の一つ。

どれだけシミュレーターで経験を積もうとも、それはあくまでも情報にしか過ぎない。

地球では常に重力が発生し、其処に掛かる重力を常に想定しなければならない。

こればかりは常に認識と感覚で覚えてもらう以外に無い。


「(そういう意味でも、この任務は実戦経験が豊富な人に任せるのがベストなんだけどなあ)」


少なくとも今回の任務はリョーヤは自分やベイルのような若輩者が行うべき任務ではないと思っている。

彼らが上官より与えられた任務―――コロニー統合軍から派遣兵としてEOTI機関へと行くこと。

そして、来るべき時に備えて、地球で待機しろとの命令が下されたのだ。

自分達も軍人で在る以上は命令なら従うだけ。

しかし、納得がいくかどうかは別。


「(とんだ貧乏くじを引かされたなあ。やっぱり一回厄除けに行った方がいいかなぁ)」


どちらにしても此処まで来た以上、今更何を言った所で遅い。

その為に自分も周囲も引き返せない所まで動いているのだから。


「少尉……まだ着かねえんスか」


そんなリョーヤを尻目にベイルは退屈そうに海を眺めている。

船場からアイドネウス島に向かって三時間。

未だに島が見える兆しが見えてこない。


「というか、何で海で行くんスか。飛行機に乗れば直ぐじゃねえか」

「確かに飛行機の方が楽なんだけど、流石に今の状況だとね」

「あー……アイツ等スか」


現在アイドネウス島にあるEOTI機関にはパスが無ければ、簡単に入る事は出来ない。

特に自分達のような身分を明かせない存在なら尚更である。

その理由はたった一つだけ。

連邦安全保障委員会の主幹メンバー13人によって構成された組織「EOTI特別審議会」の存在であった。

その行動の目的はビアン博士やEOTI機関の監視、妨害であった。

今彼らに知られるという事は、後の宣誓に気付かれてしまう可能性がある。

それを避ける為にも少しでも安全な方法で行かなければならない。


「しかし、我が身可愛さのあまり地球を売る連中が政府トップとはねえ」

「そういうものだよ。結局彼らは自分の事しか見えていないんだ」

「いいや、アイツ等は分かっちゃいない……」

「うん?」


ベイルはEOTI特別審議会を嘲笑する。

自分の命欲しさに異星人に地球を売り渡した所で、意味がない。

何故なら異星人は彼らの命を求めてはいない。

寧ろ求めているのは、彼らとは真逆の存在。


「俺には分かるんだよ。異星人はあんな奴らの命を求めてなんかいねえのさ」

「……お得意の勘?」

「ええ、まあ、そんな所ですかね」


もっともベイルにとって異星人や地球連邦が何を考えていても関係ない。

結局他人が何をどうしようと知った事ではない。 

己が為したいように為すのみ。


「おっと、ようやく見えてきたか」

「そうみたいだね」


船旅をして3時間半。

ようやくアイドネウス島が見えてくる。

★ ★ ★ ★ ★

それから船は無事、アイドネウス島に着いた。

其処でリョーヤとベイルを待っていた二人の兵士。

『アキト=アイザワ』と『ハヤト=アカミヤ』だった。

二人はそのまま船の側まで近付いていき、敬礼した。


「リョーヤ=アマカゼ少尉とベイル=シュノームベルト軍曹だな」

「ええ、あなたは?」

「アキト=アイザワだ。階級は中尉だ。一応お前達の上官になる事になっているな」


上官という言葉に二人の表情がわずかに険しさが増す。

この男が自分達の小隊のリーダーになる。

流石の二人もアキトがどういう人物かを探るような視線で見つめる。

そんな二人にアキトは思わず口元を緩める。


「といっても、殆んど階級が上だった所為で押し付けられたようなもんさ」

「と言うことは、そっちの人は?」

「俺はハヤト=アカミヤ。階級は少尉だ」

「つまり自分と同じですか」

「まあ、そうだな」


リョーヤが見た限り、階級だけではなく年齢も離れているようには見えない。

しかし、ベイルにはない戦場独特の落ち着きが其処にはあった。

実戦経験を相当積んできていると見てとれる事が出来た。。

少なくともベイルを御守を自分だけが背負い込む嵌めにならずに済み、リョーヤは内心ほっとした。


「で、一つ聞きてえんだがな。本当にこの中にアレがあるのかよ」


上官に対して一切敬意も労いも無い言葉が放たれる。

思わずハヤトは眉をひそめ、アキトは苦笑する。

資料に書いてあった通りの人物像。

アキトは彼の資料を見た時、面白いと内心思った。

軍属に居ながら、まったく従属しようとしない思考。

その時点で罰則であるにも関わらず、それでも改めようとしない。

そうした存在を如何に操れるかに隊長としての手腕が問われる。


「アレとはリオンの事か?」

「そうだよ。ほんとにそいつはあるのかって聞いてんだよ」

「ああ。既にテスト機のロールアウト済みで、量産も進行中だ」

「かはっ……そりゃあ良いねえ。そいつを扱える日が待ち遠しいぜ」


一機でもロールアウトが完了すれば、その後は量産していけばいい。

その量産についても着々と進行中。

そして、それを扱う兵士もまた揃ってきている。

あとは時期を待つだけ。

その時が来れば世界は大きく変わる。


「二人は一応リオンについては?」

「渡された資料ならば頭に叩き込みました」

「同じく」

「なるほど。それなら行くぞ」

「行くってどちらにですか?」

「決まっているだろ……俺達の艦長の下にだよ」


アキトはそう言うと踵を翻して、一歩また一歩と進んで行く。

その後を着いていく三人。

リョーヤは進みながらも周囲をじっくり見渡していた。


「そう警戒すんな。どうせこの島にはスパイなんて居ねえよ」

「……どうしてそう言えるんですか?」

「決まっているだろ?」


ハヤトは答えをはっきりと言わなくても、それでも伝わるような言葉を告げる。

その視線と口元の浮かべる笑み。

それだけでリョーヤはスパイがどうなったか、直ぐに分かった。

恐らく見つかった時点で容易に想像が出来る。

殺されたか、あるいは洗脳されたかのどちらか。

リョーヤの胸中に苦さが浮かぶも、直ぐに押し殺す。

戦争をする以上は少しでも敵に情報を与えてはならない。

特に自分達のような未だ表舞台に出れない身の上で在る以上は尚更隠し通さなければならない。


「しかし、よく量産にするにしても此処まで隠し通せましたね」

「施設は表に出ているものだけじゃないからな。機関と繋がりを持った組織はいくらでもある」


それにとハヤトは言葉を続ける。


「お題目次第では幾らでも兵器の開発なんて幾らでも出来るさ。特に今回の場合では」

「異星人の侵略と防衛、ですか」

「確かにそれなら形振り構ってられなくなった連中から金をこってり絞り出せるわなあ」

「この辺が結社としての強みの一つだ。マオ社のように軍と正式に契約したわけではないから、政府に手の内を晒さずに済むしな」

「なるほどね。だから、こうして軍事力を蓄えられるってわけか」

「そういうことだ」


表向きは異星人の超技術による開発や調査をメインにしているEOTI機関。

連邦政府は嫌でもそちらの方へと視線を向けなければならない。

そして、結果的に別の方がおろそかになっていく。

それも一つの道理であった。


「まっ、どっちにしたって何もしないまま異星人に服従する気なんざねえさ」

「はっ! 違いねえ!」

「異星人が来るまで生きていけたらの話ですけど」

「生き残るさ、絶対にな」


地球や異星人の戦いがどれほど苛烈であろうとも死ぬ気など毛頭ない。

そもそも死にたがりが生きていられるほど戦場は甘くない。

あそこは救いも幸福も一切存在しない。

ただ力がある者だけが生き残れる世界。


「何の因果がか知らんが、それなりに面白いメンツがこうして集ったんだ。簡単に死なれても困るな」

「随分とお優しい事を言ってくれるじゃねえか、隊長さんよ」

「それにな、こちらも隊長を務める以上はお前達を生かす気で行うさ。それで死んだらお前達の力の無さをを恨め」

「そりゃあな。此処に居る連中だってそれ位は重々承知しているだろう」

「それに上官に恵まれないなんて今更珍しい話じゃないですしね」

「ふっ、言ってろ……おい、止まれ」


適度に軽口をたたき合いながら交流を図っていく。

そして、先頭に立っていたアキトは進むの止め、前方に向かって敬礼した。

その先に居た人物『セフィリア=ローザ』と『レミリス=アーベン』が居た。

すぐさまハヤト達も後を追うように敬礼する。


「どうやら交流はそれなりに進んでいるようかな」

「えぇ、艦長もどうして此方に?」

「私は自分の兵士はこの目で見ておく性質でね。でなければ、命を預ける事も預かる事も出来ないだろう」

「なるほど」


セフィリアはアキトと会話した後、直ぐにリョーヤとベイルの方へと視線を向ける。

その視線に思わず二人は敬礼しつつも身構えてしまう。


「そう緊張しないでくれ。資料で読んだとは思うが、君達を預かる事になった艦長のセフィリア=ローザだ。で、彼が……」

「レミリス=アーベンだ。階級は少佐。貴官達の艦の副長を務める」

「はっ! 自分はリョーヤ=アマカゼです。階級は少尉です!」

「あー……ベイル=シュノームベルト。階級は軍曹」


お互いに真逆の挨拶。

どういう人物かは資料で書かれていた経歴や情報で分かっている。

それでも形式とはいえ、しなければならない重要な事であった。


「さて、コロニーからの遠方ご苦労さま。こちらも諸手を振って歓迎させてもらうよ。お互い死ぬ時まで戦い合おう、この戦場をね」


これより戦場を乗り切る同胞として笑みを浮かべるセフィリア。

此処にEOTI機関とコロニー統合軍の合同部隊が設立されることになる。

曰く付きの兵士たちは戦場に何を見て、何を思うか。

それは誰にも分からなかった。


あとがき
お久しぶりです、シリウスです。
DCルートは地球連邦軍とは違って、暗躍する側だからどうしても影が薄いです。
リオンに乗って、ヒャッハーしたいなあ。
では、また逢う日まで頑張ります
2012/12/24(Mon) 01:41:54 [ No.989 ]

◆ SRW・再始動のおしらせ 投稿者:ユウMK−2(それも私だ)  引用する 
高町なのは 氏  名:ユウ=ソラハラ (空原 勇)
C  V:野島 健児
B G M:第二次SRW・OG ガリルナガン専用BGM『黒焔の狩人』
性  格:超強気
年  齢:27歳
身  長:177cm
体  重:82kg
髪  色:黒
眼  色:黒
成  長:万能型
エ ー ス:反撃時の最終与ダメージ+10%、最終命中+20%
精  神:直感、突撃、不屈、鉄壁、奇襲、覚醒
ツ イ ン:戦慄
特殊能力:極        (気力130以上で最終命中、回避、CT率+30%)
――――:底力       (HPが減るにつれて装甲、命中、回避、CT率が上昇する)
――――:リベンジ     (反撃時の最終与ダメージを1.2倍する)
――――:アタッカー    (気力130以上で最終与ダメージを1.2倍する)
――――:ガード      (気力130以上で最終被ダメージを80%に抑える)
――――:気力限界突破   (気力の限界値を170まで引き伸ばす)
――――:気力+(ボーナス)(全ての行動で獲得する気力に+1)
――――:精神耐性     (脱力を初め、一部の精神コマンドや気力減少効果を無効化する)  
P  R:
 連邦軍・大統領直属部隊『ガイアセイバーズ』に所属するエージェントであり、司令・アルテウル=シュタインベックより
受け渡された機動兵器・ガリルナガンの専属パイロットとして同機の各種実戦テストと言う名目で各地に出没・暗躍している。
ややくたびれた感の漂う上下黒のスーツに白いワイシャツ、紺のネクタイと見た目だけならドコにでも居そうなサラリーマン
だが、それはガイアセイバーズのエージェントである事を隠すフリでもあり、元々は本当にタダのサラリーマンだった自分の
習慣(※支給された制服は何かあれば着るのだが、いつもは愛用の黒いスーツを着用している)であり、今もなお可能な限り
くたびれたスーツを着用し続けている。
インスペクター襲撃事件の際に混乱に乗じて倒れていた警官の亡骸から拳銃を奪い、それを使用して自分の気に食わなかった
人物(※彼の話によると仕事場のいけ好かない上司・先輩らしい)を射殺し、その場に偶然出くわしたアーチボルドによって
DC残党にスカウトされ、彼もこれを承諾してサラリーマンから転じてテロリストへと成り下がり、日々の生活を送っていた。
機動兵器操縦技術は日々の訓練と実戦で磨かれ、短期間の内に物として習得し、アーチボルドにその才能を認められている。
現在は上記の通り、ガイアセイバーズの一人として各地で暗躍している一方、言う事を聞かない部下(?)の存在に胃を痛め
ながら、度が過ぎた事をすれば即座に殺してやろうと考えつつ、微妙な中間管理職に従事する毎日である。

〜台詞サンプル〜
<通常>
「さて、お仕事開始。今日も張り切っていい汗流すとしよう。」

「バニシング・トルーパーの遠い親戚とは言え、その眷属に違いないんだ。
 このガリルナガンの力、お前で試させて貰うぜ。」

「運がねーなぁ……あの機体、腕利きが乗ってんな……。」


<攻撃>
「悪ぃけど、手加減できる機体じゃないんだ。死にたくなければ死ぬ気で避けろ。」

「バスタックス・ガン、アクティブ――奴等を薙ぎ払え、ガリルナガン!」

「これ、銃で殴ってるけど銃身歪まねーかな……。」


<回避>
「今日の俺に隙は無かった。」

「回避、回避……お?」

「もっと良く狙えよ。こっちゃあんた等と違って元はサラリーマンなんだぜ?」


<被弾>
「当てて来たか、中々やるじゃねーか。」

「まぁ、この程度なら始末書一枚で何とかなる。大丈夫だ、問題ない。」

「装甲を抜けた……!こりゃ、チトヤベぇかもな。」

「相手を舐め過ぎていたか、ここから巻き返す。」

「まだだ!まだ俺とガリルナガンは堕ちていない!!」

「ここまでやらかしやがったんだ、タダで済むと思ってないだろうなァ!!」


<撃墜>
「あーあ、こりゃ減俸モンだぁ……トホホ……。」

「グッバイ、俺のボーナス査定……。」


<特殊台詞>
対・クレイル
「蒼き獅子、か……舐めて掛かれる相手じゃないな。」

「アルトアイゼンタイプ、懐に入らなければどうと言う事は無いが……油断できんな。」

対・リョーヤ
「チッ、良い位置から絶妙なタイミングで攻撃してきやがる。」

「お前を潰せば一時的に奴等を混乱させる事が出来るか?」

対・秋人
「マスタッシュマン?いや、違う……まぁいい。叩き壊すだけだ。」

「ゲシュペンスト・イェーガー、俺が迷わず成仏させてやるよ。」

対・陣耶
「剣戟戦闘機か……セオリー通り、遠距離から狩らせて貰おう。」

「お前の守りたい物を壊すのが俺の仕事だ、止めたければ俺を倒すんだな。」

対・ハヤト
「超闘士か……まぁいい、ガリルナガンで焼き尽くすだけだ。」

「人々を守る存在がぶっ壊される……中々に痛快な皮肉と思わないか?」

対・ベイル
「お前みたいなの見てると、しこたま殺したくなってくんだよな……。」

「DQNは一掃しねーとな。……俺も同じようなモンか。」

対・アリエス
「速さだけなら俺とガリルナガンは殺れんぞ。」

「機動性ならガリルナガンも負けてはいない、追いかけるだけだ。」

対・オトハ
「……なんつーか、随分と趣味的な機体だなぁ……。」

「ええい、ウロチョロすんじゃねぇ!鬱陶しい!」

対・ショウヤ
「なるほど、見るからに硬そうだが……ガリルナガンの火力に耐えれるか?」

「火力と硬さは目を見張るものがあるが、鈍亀だな。俺の機動性について来れるか?」




機体名称:ガリルナガン
操 縦 者:ユウ=ソラハラ
B G M:第二次SRW・OG ガリルナガン専用BGM『黒焔の狩人』
H  P:99000
E  N:550
運 動 性:130
装  甲:1500
移 動 力:8
タ イ プ:空・陸
地形適応:空・S 陸・S 海・B 宇・S
Wゲージ:―――
サ イ ズ:M
機体特性:射撃
ボーナス:運動性、装甲+15%
スロット:2
特殊能力:EN回復・中 (自ターン時にENを20%回復する)
――――:分身     (気力130以上で全ての攻撃を50%の確立で回避する)
――――:ジャマー   (ミサイル属性の攻撃を50%の確立で無効化する)
――――:フルブロック (全ての特殊効果を無効化する)

武装説明:
トライ・スラッシャー   (背部ウイングの一部を切り離して作り出すカッター兵器を敵に射出する)
バスタックス・マッシャー (斧とライフルを組み合わせた様なバスタックス・ガンで敵を殴りつけ、粉砕する)
バスタックス・ガン    (バスタックス・ガンの射撃モード。広範囲の対象を薙ぎ払う)
バスタックス・シーケンス (高速機動を行いながら、バスタックス・ガンによる近接攻撃を連続で行う)
アキシオン・アッシャー  (魔術的な魔方陣を生成し、そこから重力圏を撃ち出して敵を拘束した後、両断する)



〜久々すぎる質疑応答コーナー〜
Q:エタったんじゃなかったの?
A:雌伏の時を過ごしていました。そろそろ本気出す。

Q:お前、第二次OGやってただろ
A:カヲル君……君が何を言ってるか、僕には分からないよ……。

Q:キャラ設定変えたいんだが?
A:全然OK、ただしトンデも設定はペルフェクティオ様に贄として捧げます。

Q:ヒュッケバインはバニシングされるの?
A:遂に来たか、この時が!
  ヒュッケバインがバニシングされてから数年間、私は涙を飲んできたぞ!
  ヒュッケバイン好きにとっての、耐え難い敗北……。
  訳の判らないクレームによって、ヒュッケバインがバニシングされたのだ
  だが、それも今終わる。
  我がSSにてヒュッケバインは生き、ヒュッケバインのバニシングが
  創○の卑劣な罠だったと証明し、我がSSで凶鳥は再び羽ばたくのだ!

Q:キャラ投稿は?
A:現在受け付けておりません。どうしてもって方は筆者に念動力なりNT直感なりで連絡をば。

Q:ギャルゲ作品が増えるときいたが?
A:恋剣乙女と夏空のペルセウス、アリだと思います!

Q:ん?スキル枠がZの時みたいに8枠あるぞ?
A:ボス特権です。これ以上、味方の性能上げたら一方的な虐殺にしかならん

Q:作者はマヌケ
A:何を今更



そんな訳で、仕事とか第二次OGで忙しくてSS打てませんでしたが……時間が取れたのでリメイクします。
近日中に第一話を再投稿するので、それまでゆっくりしていってね!(ぁ
2012/12/14(Fri) 16:59:55 [ No.988 ]

◆ 始動 投稿者:シリウス  引用する 
トーレ 戦場ほど命に平等であり、冷酷な場所はない。

誰もが命を奪い、そして、奪われる。

其処に慈悲も無ければ救いも存在しない。

其処にあるのは常に流血と鋼鉄と戦火のみ。

そう……地獄のような戦場。

この中で生き、死んでいく。

これまでも、これからも何も変わらずに其処は在る。

己の命が燃え尽きるその日まで―――。




スーパーロボット大戦OG アストレイ

プロローグ『平和の終わりへ』




新西暦186年。

戦艦「ヒリュウ」によって、冥王星宙域まで移動が出来るようになった現在。

多くの者は今後の世界に期待と喜びに胸を震わしながら平和な日常を過ごしていた。

その平和な町を車の中から見つめる視線が二つ。


「相変わらず地球は平和そのものって感じだな、隊長」

「ああ。だが、それが普通だ」

「そりゃあ、何も知らなければね」


彼ら『ハヤト=アカミヤ』と「アキト=アイザワ』は知っている。

この平和が偽りに過ぎない事を……。

どれほど多くの隠蔽や偽りで隠そうとも、脅威が迫っている事を自分達は知っている。

こうして人類が平和を謳歌していても、既に地球と人類に平和に暮らす時間が残されていない。

もし脅威が襲ってきた時、人類は剣を手にして立ちあがるか。

それとも、今の連邦政府のように何もしないまま従属するか。

だが、どちらを進もうと地獄に変わりない。


「それでも俺たちはこの選択肢を選んだ」

「そう。例え後世、恨まれる事になろうとも」

「……そんなモンがあったらの話だけどな」

「あったらじゃない。この手で勝ち取るんだよ」


例えその地獄の果てが、更なる地獄であろうとも進み続ける。

その果てにこそ、平和は勝ち取れるものだと信じているから。

その為ならば喜んで、逆賊や反逆者の汚名も受け入れる。

でなければ、剣を手にする意味などない。


「その為に色々と動いてるんだからな」

「つっても、そういう交渉や政治に関して、アンタは基本艦長とかに丸投げだろうが」

「事実、艦長の方がこの手の事は上手とお前も分かっている筈だろ」


ハヤトはアキトが自分達の隊長と分かっていながらも、思わずため息を吐く。

結局の所、その力を十全に発揮に出来る場所は戦場しかないのだ。


「(そりゃあ俺も似たようなモンかもしれねえけどな)」


しかし、その隊長に着いていくと決めている自分もそういう人種だと分かっている。

早い話、自分達は交渉や政治は向いていない。

だから、それが出来る艦長や副官に任せてしまう。


「この前、艦長が愚痴ってたぞ。交渉ごとを任せる隊長が何処に居るんだって」

「そこは諦めてもらうしかないな。それともお前がやるか?」

「却下。アンタだって俺がそういうの苦手だって知ってんだろうが」

「まあな。だからこそ、この手の話は優秀な奴に任せる方が効率が良いからな」

「まあ、そうだな」

「それに重要なのはこれからの事だ。例の奴はどうなんだ?」


アキトの言葉に真剣な表情で見つめるハヤト。

真っ先に連想されたのは現在開発されている最新機体。

対空戦に特化した人型機動兵器『リオン』。

仮想電子空間内で乗った時、真っ先に感じたのはその性能だった。


「能力は上々。現状の空戦機体に比べても遥かに優秀」

「恐らく能力差を見ても、量産が決定されれば今後の対空戦では奴らの独壇場になるだろう」


今までは航空機が主流であった戦場は今後大きく変わっていく。

小型化されたテスラ・ドライブは機体次第では、さまざまな機体を空中へ飛翔させていく。

ハヤトは其処から来る可能性に興奮を隠せずにはいらない。


「そのうえ、まだ他にもあるって噂もある。つまりそれだけ上層部は本気って事かよ」

「それ位でなければ勝てねえ相手って事になる」

「だろうな」


これから起きる戦争を考えれば、少ないなど決してあり得ない。

むしろ未だ人類は目覚めていない以上、これでも少ないのかもしれない。

何時終わるのかも分からない戦争が待ち受けている。

そんな中で自分達もまた生き残れるかどうかすら怪しい。

何故なら戦場において絶対に生き残るなんて保障は一切存在しない。

戦場にあるのは常に、撃つか、撃たれるかの二つだけ。

だからこそ、自分達は引き金を引く。

こんな所で死にたくないと常に思っているから―――。


「だが、何が来ようとも俺達のする事は何も変わらないがな」

「どんな敵だろうが撃つだけ、か」

「それしか能がないからな」


例えどれだけ血塗られた両手であっても、平穏を築く事こそが自分達の役目なのだから。

その為に自分達はあの方の下へと集う。

その先が地獄を作る事になろうとも、これは必要な事だと知っている。

ただ己が成すべきことを果たす為に男達は行く。

自分達を待つ戦場の下へと―――。








★ ★ ★ ★ ★






スペースコロニー。

そこは宇宙に旅立った人類が新たに手に入れた居住地。

しかし、問題が発生すればコロニーと共に運命を共にする危険性もある世界。

地球連邦政府より独立国家として建国が認められた。

それでも道のりは楽では無かった。

過去三度に渡るテロ行為が多くのコロニー居住者の記憶へと焼き付く。

二度と起きないようにコロニー側は新たに地球連邦とは違った軍を設立。

コロニーに駐在していた地球連邦宇宙軍を再構成された『コロニー統合軍』が出来上がる。

彼らもまた地球圏を護る剣の一つであった。


「おらあッ!」


コロニー・ホフヌングに新たな兵士が戦場へと飛翔しつつあった。

『ベイル=シュノームベルト』。

18歳という若さを持ちながら、自らの意志で志願した兵士。

仮想電子空間で今後渡される機体『リオン』に搭乗し、宇宙の闇を駆け抜けていく。

その姿に恐れはなく、寧ろ戦場を喜々としている雰囲気が感じ取れた。

まるで其処に行く事を待ち望むように―――。

その姿を観察する軍人が二人。

一人は上官らしき老齢の男性。

もう一人は20代前半と見られる男性だった。


「戦い方が兵士のそれではないな」

「はい。このデータを見ても、反射速度と直感に頼っている面が大きいですし」

「ふむ……」


そのシミュレーションを観察しながらも、思わず若い男がため息を吐く。

『リョーヤ=アマカゼ』

彼もまた若くして軍属に入った人間。

老齢の男は眉を歪める。


「しかし、この戦い方では他者との連携が取り辛い筈だ」

「ええ。加えて……」

「加えて、何だ?」

「その……なんというか……性格の方にも問題がありまして」


リョーヤはベイルに関する情報のファイルを手渡す。

その情報の数々に上官の眉間の皺がより深くなっていた。

其処に書かれていたのは問題の数々。

命令違反や暴力行為、果ては女性士官に対する中傷的な言葉など記入されていた。


「よくもまあ、これだけの問題を起こしたものだな……」

「彼も必要最低限の命令は守っているつもりなんでしょうが」

「しかし、これでは……」

「ええ。まず軍隊の中では成立しないでしょう」


軍属において命令や規律は絶対順守。

停職に降格とさまざまな罰則をその身に降りかかっているにも関わらず、彼は気にも留めない。

まるでそんなものは無意味と言わんばかりに行動していく


「この大変な時期に面倒な男を押し付けられたものだな君は」

「まあ、自業自得な面もありますから」


これに関しては同じ部隊のリョーヤも弁明する気はなかった。

何故ならリョーヤがこの男の面倒を見るようになったのも自分の問題が原因なのだ。

ベイルとは違い、自分は断じて志願して入った訳ではない。

そんな中で本気を出す気など毛頭ない。

周囲はそんなリョーヤを見逃さず、敢えてこの問題児であるベイルを寄越したのだ。


「(やっぱり怠け過ぎたのがいけなかったかな)」


おかげでこんな面倒を背負い込む嵌めになった。

そんな自分に思わずため息を零す。

すると、シミュレーターのハッチが大きく開かれていく。

其処にはシミュレーションを終えたばかりのベイルが居た。

その表情は苛立ちそのものがハッキリと表情に浮かんでいた。


「くそがッ! こんなんじゃ足んねえんだよッ!」

「何が足りないだ? 全機撃破でも十分だと僕は思うけど」


そんなベイルを臆さず、リョーヤは進んで行く。

その言葉に苛立ちを隠さないまま、思いっきり睨みつけるベイル。


「全機撃破だぁ? こんなオモチャが登録したデータじゃあ所詮そこ止まりなんだよ」


どれだけ数をこなしても、シミュレーションである以上はそのデータ以上の事は出来ない。

それはどんなデータがインプットされようとも変わらない。

寧ろ恐ろしいというべきは、どんな状況でも瞬時に対応出来るベイルの反射と直感力。

勘が良いと言えばそれまでだが、それは戦場に立つ者にとって必要な事の一つでもある。


「(人の直感っていうよりは獣並みの直感だなあ)」

「なあ、いい加減こんなオモチャじゃ満足出来ねえんだ。何時までもこんな下らねえ事をさせてんじゃねえ

よ少尉!」

「(そのうえ、この気性の荒さ……誰か変わってくれないかな)」


リョーヤは内心愚痴る。

もしこの男を従えさせる事が出来る人間が居るなら、それこそ見てみたい。

軍属や規律では、この男を縛る首輪にはならない。

あまりにも我が強過ぎて、周囲との折り合いがつかないのだ。

リョーヤにしても現状では上手く従わせる方法は無いに等しかった。


「ならば、君が相手をしてあげたらどうだリョーヤ少尉?」

「えッ!? 私がですか!」

「くはッ! そりゃあ面白え! いい加減アンタともやりあいたかったんだよッ!」


リョーヤとベイルの反応は正反対。

リョーヤの嫌そうな視線も無視して、上官は告げた。


「君の実力は私は知っているつもりだ。ならば、いい加減に小僧の鼻っ柱の一つでも折ってみたらどうだ?



「いや、それとこれとは話が」

「それに多少使い物になってくれた方が今後に役立つ筈だ」


今後。

その言葉に先程まで騒いでいた二人も静かに、また真剣な眼差しになる。

コロニー統合軍も戦場に打って出る事は秘密裏に聞かされている。

過去類を見ないほどの長く、恐ろしい戦争に入っていく。


「避けることはやはり……」

「ああ、もはや不可能だ」

「んで、俺らもそれに便乗して動くんですか」

「そうだ。それがコロニー統合軍の決定だ」


ベイルは上官の言葉にニタァと血に飢えた猛獣を連想させるような笑みを浮かべる。

ついに待ち望んだ戦場へと飛翔していく時を夢見るベイル。


「了解、了解。それが軍の決定なら俺は従いますよ」


リョーヤは上官の言葉にため息を零し、何処か憂いを隠せない表情をする。

兵士及び民衆からも犠牲者が出かねない戦争。

それを引き起こす側になってしまった自分に少し嫌気がさしてしまう。


「それが命令なら従います。もう逃げ場所なんてものがあるか分かりませんし」


両者とも在り方は反応は違う。

しかし、それでも逃げ出すという選択肢は無かった。

両名の言葉を聞いた上官は強い眼差しで大きく頷く。


「それと、そのシュミレーションが終わり次第、私の部屋に来てくれ。これからの君達について話したいこ

とがある」


その言葉を告げると上官はその場を後にしていく。

そして、その場に取り残された二人は―――。


「さあ、少尉。さっさと始めましょうや!」

「……やっぱりやるんだね」




こうして4人の兵士はまだ見ぬ戦場に集い始める。

まだ見ぬ戦場がどういうものであろうとも彼らは知っている。

これから始まる戦場は何処に行こうとも地獄であることを―――。






あとがき
お久しぶりな方はお久しぶりです
初めましての方は初めまして、シリウスです。
いやあ、つい書きたくなって書いてしまった。
ハッキリ言って、見切り発車も同然です。
ちなみにこの作品はリリカルキャラはいません。
全てオリジナルキャラとスパロボのキャラで構成されていくでしょう。
単純にそれらを扱える技量がないだけですが―――。
では、また会う日まで頑張ります。
2012/12/14(Fri) 03:35:35 [ No.987 ]

◆ フゥーハッハァー、リアルフルメタルジャケットに行ってくるぜー... 投稿者:Lowe  引用する 
武 ※タイトルは半分がた冗談です。



アリエス「…………うん? なんと、今回は俺がどこかから喚び出されたパターンか。これは新しい」

クレイル「来たな、アリエス少尉。早速だが面接をやらせてもらうぞ」

アリエス「あなたの戦場でのフットワーク並みに唐突ですね、クレイル中尉。先に言っておきますが、自分は答えたくない事は答えない主義ですので。前以て了承願います」

クレイル「知るか。とりあえず行くぞ────えー、『ご趣味はなんですか?』」

アリエス「………………(身をすすっと遠ざける)」

クレイル「待てコラドン引きしてんじゃない何だその『お見合いおっ始めたよこの変態』とでも言いたそうな視線は。あ?」

アリエス「とでも、というか。まさしくその通りですが? 本当にどうしたんですか気持ち悪い。言っておきますが、自分はごく普通のヘテロセクシャルなので、慰める穴が欲しいのであれば壁に銃弾撃ち込んで開拓する事をおすすめします」

クレイル「待てこの野郎、さらっとオレの尊厳アーククレイドルの底まで貶めやがったな。あとその方法は皮がぞりぞり削れて血塗れになるらしいからおすすめできんぞ」

アリエス「………………………………実行した事があるので?」

クレイル「らしい、っつってんだろ伝聞だよ解れよこの失礼千万野郎更にドン引きしてんじゃねえぞゴラ」



以後、不毛なやりとりが十数分。



アリエス「まあ、そこまで言われるのであれば────趣味は剣術の鍛錬、仲間内でやるテーブルゲーム(主にカードゲーム)、それからシミュレーターを使用した隊員同士の対戦でしょうか」

クレイル「ちょっと待て最初と最後が聞き捨てならん。剣術だと? 流派は何だ」

アリエス「人事資料に書いてあったと思うのですが。……御神真刀流小太刀二刀術です」

クレイル「ああ、ロングアーチの魔王の兄貴も修めてる暗殺剣だったか?」

アリエス「暗殺剣の方は御神不破流ですね。まあ細かい違いは正直どうでもいいのですが……あと魔王と言わないでやってください。あいつが聞いたらマジ泣きするかマジ泣きして暴れるかの二択なので」

クレイル「聞いても分からんだろうから省略で頼む。暴れるのは知らん、そんな事はオレの管轄外だ。……で、シミュレーターを使用した対戦が趣味の範疇ってどういう事だ。お前娯楽に軍の設備を私的利用してるのか?」

アリエス「ん? ………ああ、違ったか。それはここにいる自分ではなく、『元ネタ』の方の自分の趣味ですね。そっちでは『趣味と実益を兼ねたトレーニング&交流会』と称してやってます。無論、そんな事が許される程度には実績を上げての話ですが」

クレイル「元ネタのお前……ああ、いつぞやショウヤ少尉と駄弁ってる時に説明してたアレか。オレより三つも階級が上とか生意気だな、抉るぞ?」

アリエス「理不尽すぎるので斬り倒していいですか」

クレイル「……よし。お前の夏期ボーナス査定はマイナス200%な」

アリエス「ボーナスなのに金を出せと言うのか……!?(戦慄」



以後再び、ぎゃーすかぎゃーすかと不毛な言い争い。よって省略。



クレイル「…………で、テーブルゲームってのは具体的に何だ。カードゲームがメインだそうだが」

アリエス「遊 戯 王 で す(ドン☆」

クレイル「お前んとこの作者はホントにそれが好きだなおい」

アリエス「好きですからね。他にはTRPGなどをやっていますよ」

クレイル「………TRPG〜〜? 物好きだなお前ら……」

アリエス「失敬な、そんな発言は『聖白蓮のTRPG入門講座』辺りを視聴してからにしていただきたい」

クレイル「アレは物好き通り越してイロモノすら超えたおぞましい何かじゃねえか! ……あのぶっ飛び具合はお前の妹にも通じるところがあるな。近親相姦的な意味で」

アリエス「ウチはヤッてませんがね」

クレイル「あっちもヤッてはいないだろう、ヤッては」

アリエス「こっちはそれ以前に襲われる事すらありません。平和なものですよ」

クレイル「そうか。じゃあ話を戻すぞ────具体的に何のシステムでやってるんだ?」

アリエス「GURPS(ガープス)というものです。TRPGではまず自分の分身となるキャラクターを作成するのですが、このシステムだと────って、ん? 中尉、ストレートにシステムを問いに来たという事は、あなた多少知ってます? というか入門講座の時中身に言及してましたし、経験者ですか?」

クレイル「以前知り合いがやってるのを見てた事はある。『あ、ピンゾロ』『あ、すいません。それデストラなんですよ。因みに生死判定は問答無用で失敗です』『はああああああ!?』って感じのやりとりがあったのは覚えてるが」

アリエス「殺意の高いGMですねー…」

クレイル「んで、GURPSだったか? どういうシステムだそれ」

アリエス「キャラクターの作成だけで満足してしまってゲーム本編が要らなくなるシステムです」

クレイル「何だそりゃ」

アリエス「因みに有利な特徴や不利な特徴などで人格付けをしていくんですが、自分が作った時は

有利な特徴:冷静・理知的・機転が利く・美貌・勘が異様に鋭い・両利き・CT目標値が低い

不利な特徴:熱血・感情的・女に間違われるとキレて話を聞かなくなる・防護点+1以上の防具を装備できない

といった具合になっていました。性格設定では『他人に無関心・仲間にだだ甘・やや達観気味・俗っぽい・倹約家・金遣いが荒い』というところですか」

クレイル「……見事に普段のお前というか、二重人格や分裂症と言われかねん人格を再現してるな。ただ『倹約家』と『金遣いが荒い』は両立しない要素だと思うんだが」

アリエス「普段は『倹約家』なのですよ。ただここぞというところでは、『浪費家』よりも躊躇無く高額アイテムを使用する、というだけです」

クレイル「…………あー……。使うべき時に金を使うための倹約って事か」

アリエス「Exactly.(その通りです)」

クレイル「ふむ────やってる事が主婦だな、お前」

アリエス「」



クレイル「まあこんなところか。協力ご苦労。謝礼として今日の晩飯はただで食えるそうだ、ありがたく思え」

アリエス「それは大変結構ですが……この質問にどんな意味があったので?」

クレイル「それはウチの司令に聞け。まあアレだ、意識調査か何かだろ。きっと」

アリエス「趣味を聞いてどんな意識調査が行えるのやら」

クレイル「オレは知らん。────ところでアリエス少尉」

アリエス「なんでしょう」

クレイル「このところデスクワーク続きで体が鈍っててな。これからシミュレーターで100戦くらいおっ始めるつもりなんだが、付き合わないか?」

アリエス「ほほう、いい運動になりそうですね。しかし中尉、個人的にはあと二人程面子に追加したいのですが」

クレイル「お、楽しくなりそうな奴か?」

アリエス「ええ。というわけで中尉の名前で、ショウヤとアオイを呼び出してください。楽しい模擬戦タイムと行きましょう」

クレイル「おし行こうか。────ブリッジ。ショウヤ・イザヨイ少尉とアオイ・オトハ少尉を第二シミュレータールームに呼び出してくれ」





その後、自分の与り知らぬところで苦行じみたスケジュールを組まれてしまい、その不幸に慟哭した士官約二名が存在したのであった。





クレイルを登場させるのは初めてでしたし、キャラクターをいまいちイメージしにくかったのですが、どうにかこうにか頑張ってみました。
ユウさん、お宅のクレイル君こんな扱いで大丈夫ですか?

それと近況報告になりますが、就職の関係で今月18日から自分、舞鶴に行ってきます。正月に帰省するまでほぼパソコンは使えないものと思われますので、書き込みが全く無くても『あ、こいつエターなったな』とか思っちゃやーよ☆
……俺キメェ……。

まあスマホでちろっとコメントするとかはあるかもですけど。
2012/09/14(Fri) 15:13:52 [ No.985 ]
◇ Re: フゥーハッハァー、リアルフルメタルジャケットに行ってくる... 投稿者:最弱娘2世  引用する 
美緒 お久しぶり、最弱娘2世です
リアルが1ヶ月半連続実習中で
中々忙しく来れなかったです

TRPG楽しいですよね
うちのオトハも元ネタはTRPGですし…

主にGURPSはマーシャルアーツ込みの妖魔やってました 
キャラメイクに8時間かけて…
生死判定トリガーの多重人格保持者が好きwww

オトハは多分100戦位なら苦行でもないかと……
忍さんとの48時間耐久シミュレーターはザラですしね
2012/09/16(Sun) 00:26:32 [ No.986 ]

◆ バックレたとおもった?俺だよ!(謎 投稿者:ユウMK−2(決戦型)  引用する 
高町なのは ※相変わらず、この内容はTOP告知不要にございます


仕事が忙しいぞオルステッドォォォォォォ!!(挨拶

こんばんわ、おはようございます、こんぬずわ、いつも財布は無限獄のユウです。
リアルが死にそうになってるのでSSが打てず、バックレ疑惑も出てるかもしれないのでとりあえず
ドラクリキャラのメカ設定なんか作ったので、張っときます。

妄想ネタの材料にでもしてください。
ついで、第三話はもう少し待ってください orz


妄想ネタでクレイル、出しても良いのよ?(チラッチラッ





氏  名:矢頼 美羽
出  展:DRA−CURIOT!
C  V:夏野 こおり
B G M:無限のフロンティアより『白銀の堕天使Ver.EF』
性  格:超強気
成  長:射撃系万能型
エ ー ス:援護攻撃の与ダメージ+10%、射撃攻撃のダメージ+10%
精  神:必中、ひらめき、信頼、熱血、狙撃、愛
ツ イ ン:同調
特殊能力:援護攻撃
――――:収束攻撃
――――:ガンファイト
――――:アタッカー
――――:E−セーブ
――――:B−セーブ
P  R:
 クレイル=ウィンチェスター駆るアルトアイゼンと対になる高機動型の砲戦機、ヴァイスリッタ―駆るコールナンバー・アサルト4の少女、17歳。
リョーヤ・アマミヤ、御風エリスとは同期であったが、ほとんど会話を交わすこともなく各々の部署に配属された(お互いに存在を把握している程度)
士官学校時代から射撃能力に高い適性を見せ、将来を羨望されるも、意地っ張りが災いした対応を繰り返した結果、周囲から人間が離れた経緯がある。
士官学校を経て、アクアエデンに配属され軍人としての日常を過ごしていた結果、出張に来ていたリョーヤ=アマミヤの目にとまり、高機動型砲撃機
ヴァイスリッターのパイロットの適性があると見いだされ、クレイル=ウィンチェスターの承認を経た上でATXチームに配属される事となり本人は
困惑しつつも生来の意地っ張りな性格から状況に対する熱意を見せており、それを時折上官であるクレイル=ウィンチェスターにからかわれている。


機体名称:ヴァイスリッター・アーベント
操 縦 者:矢頼 美羽
B G M:無限のフロンティアより『白銀の堕天使Ver.EF』
H  P:4200
E  N:150
運 動 性:125
装  甲:950
移 動 力:7
タ イ プ:空・陸
地形適応:空・S 陸・B 海・C 宇・S
Wゲージ:50
サ イ ズ:M
機体特性:射撃
ボーナス:固定武器の残弾+2
スロット:2
特殊能力:ビームコート(※1000までのB属性ダメージ軽減)

武装説明
スプリットミサイル    (中に多数の子弾を収めた特殊ミサイル。より多くの子弾を内蔵したATX型)
三連ビームキャノン    (左腕に搭載された速射効率の高いビームキャノン)
パルチザン・ランチャーE (パルチザンランチャーの収束エネルギー砲で敵を薙ぎ払う)
パルチザン・ランチャーB (パルチザンランチャーの実弾砲による射撃を行う)
パルチザン・ランチャーX (パルチザンランチャー最大出力形態による砲撃を行う)

機体説明
 アルトアイゼンと対になる形で開発・設計された高機動砲戦機であり、飛行能力と高い機動性・運動性を備えた『ヴァイスリッター』の強化改修機。
新型テスラ・ドライブを実装する事で更なる機動性・運動性の向上を実現させ、大出力ビーム砲形態を備えたパルチザンランチャーによる火力の向上
を実現させているが、根本的な問題だった『脆弱な装甲による致命的な耐久力の低さ』は改善されておらず、被弾は即時撃墜の危機に繋がりかねない。
こちらも余剰ペイロードを切り詰めて性能向上させているが、アルトアイゼン・ナハトほどでは無いので『一応ながら』共有武器の携行は可能である。
高速機動を行いながら攻撃を行うと言う、パイロットの技量が求められる機体なのは相変わらずであり、ATX系列機体の宿命とも言うべき扱い辛さ
を継承しており、当機もやはりパイロットを選ぶピーキーな仕様の機動兵器へと仕上がっている。





氏  名:エリナ=オレゴヴナ=アヴェーン
出  展:DRA−CURIOT!
C  V:鈴木 恵莉央
B G M;第二次SRWZ・クロウ=ブルースト専用BGM『CLOSE GAME LIFE』
性  格:楽天家
成  長:射撃系格闘重視型
エ ー ス:獲得資金+25%、気力130以上で与ダメージ1.1倍
精  神:集中、加速、直感、友情、熱血、脱力
ツ イ ン:大激励
特殊能力:強運
――――:ヒット&アウェイ
――――:ガンファイト
――――:アタッカー
――――:E−セーブ
――――:B−セーブ
P  R:
 ATXチーム所属となった戦闘用機動兵器ブラスタのパイロットの、ロシア出身の少女、コールナンバーはアサルト5、本人は6が所望だった。
強化人間系列の機関に所属していた経緯を持つが、本人はそれをあまり気にしてはいない。(所属機関はクロウ=ブルーストにより壊滅されいる)
その経緯から、士官学校へ入るまでの間、彼から機動兵器の操縦技術、戦闘機動『ACP・ファイズ』に加えて銃器の扱い方等を伝授されている。
士官学校に入学するも、その生い立ちより周囲に疎まれ右往左往していた際にリョーヤ=アマミヤ(及び御風エリス)に世話を焼かれていた経緯を持つ
前述の訓練の甲斐あって射撃に対する能力は高いものの、説明が抽象的・擬音だらけで何を言っているか分からないとは隊長であるクレイルの発言。
銃の展示会に行く趣味もあるが、それに同伴してくれるのがクレイル・ウィンチェスター及びリョーヤ・アマミヤ程度しかいないことが悩み。



機体名称:ブラスタ
操 縦 者:エリナ=オレゴヴナ=アヴェーン
B G M:第二次SRWZ・クロウ=ブルースト専用BGM『CLOSE GAME LIFE』
H  P:4800
E  N:160
運 動 性:115
装  甲:1100
移 動 力:8
タ イ プ:空・陸
地形適応:空・A 陸・A 海・A 宇・A
Wゲージ:――
サ イ ズ:M
機体特性:射撃
ボーナス:移動力+1、EN回復・小追加
スロット:2
特殊能力:シールド防御可能

武装説明:
バンカー・ブレイク    (シールドの先端を射出し、敵を攻撃する。なお、射出せずにそのまま攻撃する事も可能)
EAGLEショット    (電磁加速式ガンランチャーによる射撃。非常に高い初速と威力の高い弾を発射可能)
ベイオネット・スパイカー (EAGLEより電磁ネットを射出し、スタンロッドを撃ち込んで高速。そしてビームランスを生成して突撃する)
クラッチ・スナイパー   (ロングバレルジャケットを装着したEAGLEによる狙撃を行う)
ACP・ファイズ     (とある男がエリナに教えた戦闘機動パターン。曰く『呆れるほど有効な戦術だぜ……』)
SPIGOT−VX    (四基のSPIGOTと共に連携攻撃を行い、最後にSPIGOTによって強化されたスパイカーで貫く)

機体説明:
 技術特区領アクアエデンにある機動兵器企業『シエン・インダストリアル』が開発した高機動型の機体であり、優れた機動性と単独飛行能力を持つ。
元々はアクシオン財団第13防衛研究所『スコート・ラボ』にて開発・建造された機動兵器だが、同財団が解体されてスコート・ラボが独立した際に
シエン・インダストリアルがスコート・ラボを買収した事により、同社にて製造・販売される経緯となり、アクアエデンに少数が卸された経緯を持つ。
索敵能力・情報分析能力に加えてステルス性能まで併せ持つ機体であり、あらゆる状況下において単独で敵と交戦し、その情報を持ち帰る情報戦闘機
としての側面を有する等、非常に高性能ではあるがその充実した装備故に一機あたりの製造コストが凄まじく、そして整備性も悪いと言う欠点もある。
新型の電磁加速式ガンランチャー『EAGLE』を装備しており、銃身や弾装を組み替える事で近距離から遠距離まで幅広く対応し、距離的な死角の
無い、安定した戦闘行動を行える機動兵器に仕上がっている(※そのお陰で更にコストが高くなったのは最早、冗談の領域に達している皮肉だろう)
過剰な出力を誇る機体ジェネレーターが生み出すエネルギーを生かすべく、SPIGOTと言うリング状の随伴機がセットとなっており、多彩な攻撃
が可能になっているが……言うまでも無く、この装備によるコストも当然の如く高価であり、開発元が如何に性能だけしか考えていないか窺い知れる。





氏  名:ニコラ=ケフェウス
出  展:DRA−CURIOT!
C  V:浅野 ゆず
B G M:SRW・SC2 ケイジ=タチバナ専用BGM『まだ見ぬ明日の歌』 
性  格:超強気
成  長:格闘系万能型
エ ー ス:格闘攻撃のダメージ+10%、最終被ダメージ−5%
精  神:努力、ひらめき、直感、友情、熱血、激励
ツ イ ン:魂
特殊能力:インファイト
――――:アタッカー
――――:リベンジ
――――:闘争心
――――:E−セーブ
――――:サイズ差補正無視
P  R:
 ATXチームに所属する少女、年齢は17、コールナンバーはアサルト6、漆黒のヴェールを纏いし夜の支配者を自称するも、誰も呼ばない。
子供のころから戦隊ものやロボットアニメに憧れたことをきっかけに軍関係の進路を希望し、努力を重ねて結果をたたき出してきた経緯を持つ。
そんな経緯を持っている故に重度の中二病という不治の病を患っているが、それ以外の部分に関してはいたって常識的な感性を持っている苦労人。
戦闘中に叫ぶ、機体の武装に妙な名前をつける、大出力の攻撃時に独自の必殺技の名前を声に出す(偶に噛む)といった悪癖があるが、直す気なし。
それでいてメンタルはあまり強くはなく、細かい突っ込みを入れられることで部屋の隅でいじけていたりする。なお立ち直りは超絶的に早い。
配属前には男装をしていたが、今回専用機を受理する際の条件として、しっかり女性士官服を着ることを提示され、苦渋の選択の上受諾した。
 


機体名称:ハバキリ
操 縦 者:ニコラ=ケフェウス
B G M:SRWSC2・ケイジ=タチバナ専用BGM『まだ見ぬ明日の歌』 
H  P:6000
E  N:180
運 動 性:100
装  甲:1600
移 動 力:6
タ イ プ:空・陸
地形適応:空・A 陸・A 海・A 宇・A
Wゲージ:――
サ イ ズ:M
機体特性:格闘
ボーナス:装甲・運動性+15%
スロット:2
特殊能力:剣装備

機体武装:
ブラスター・ショット  (腕部から発射されるマシンキャノン。牽制目的で使用される)
クレスト・レーザー   (頭部のクリスタルから放たれる長射程のレーザー)
屠竜之太刀       (手に握る実体剣。ハバキリのメイン武装である)
コア・スタナー     (腹部から大威力と高出力のビーム砲を放ち、攻撃する)
ソニック・スラッシャー (屠竜之太刀による連続攻撃を行い、最後に横一文字に薙ぎ払う)

機体説明:
 グルンガスト系列とは違う計画で生み出された特機型機動兵器であり、実体剣『屠竜之太刀』と高い機動性を生かした近接格闘戦を得意としている。
十分な本体出力に加え、激しい攻撃にも耐えうる堅牢な装甲を備えた特機のお手本とも言うべき機体であり、更に単独飛行すら可能な機動兵器だった。
ロールアウトされた試作機をテストを行っていた際、テストパイロットとして乗り込んだ人間全員が不調をきたし、それでも乗り続けた者が危篤状態
に陥ってしまい、この事実を重く受け止めた開発陣は機体に封印処分を施した後、破棄しようとするのだが、テスラ・ライヒ研究所の科学者達が原因
究明の協力を申し出て、当機のジェネレーターがパイロットに影響を与えている事をつきとめ、グルンガスト用の大出力型プラズマ・リアクターへと
換装を行う事でようやく『まともに扱える機体』へとなったが、曰く付きとなってしまった当機に乗ると言う人間は誰一人として居なくなってしまう。
長らく使用される事の無かった機体が巡り巡ってアクアエデンへと回され、そして今回、ニコラの機体として受領・配備される事になった経緯を持つ。





氏  名:稲叢 莉音
出  展:DRA−CURIOT!
C  V:鮎川 ひなた
B G M;SRWOGs・ヒュッケバインMK−2専用BGM『VANISHING TROOPER』
性  格:強気
成  長:格闘系射撃重視型
エ ー ス:最終命中+10%、最終回避+10%
精  神:熱血、信頼、祝福、直感、突撃、加速
ツ イ ン:連撃
特殊能力:インファイト
――――:ガンファイト
――――:アタッカー
――――:見切り
――――:E−セーブ
――――:B−セーブ
P  R:
 今回の引き抜きでATXチームに所属する事となった、元アクアエデン所属の少女。コールナンバーはアサルト7、搭乗機はエクスバイン・L。
エリナ=オレゴヴナ=アヴェーンと同様の機関に所属しており、同期。しかしながら射撃の適性は低かったため、代わりに合気道を習っていた。
世話を焼いてくれた先輩であるリョーヤ・アマミヤ及び御風エリスを慕っており、今回の異動においてリョーヤの名前が出たことから即座に受諾
を行い、その後に御風エリスが合流したことを心から喜んでいる。(リョーヤやその件を関知していなかったが、伏せておくことに決めている)
周囲のことをとても大切に思っており、面倒なことを自分から買ってでる部分をもつ、ただし書類仕事は苦手(エリナ、エリスも同様だが)
リョーヤ・アマミヤから教わっていた料理は趣味となっており、時間の暇を見つけては調理を行い、同部隊の面々に差し入れをしている。



機体名称:エクスバイン・L
操 縦 者:稲叢 莉音
B G M:SRWOGs・ヒュッケバインMK−2専用BGM『VANISHING TROOPER』
H  P:4100
E  N:160
運 動 性:120
装  甲:1300
移 動 力:6
タ イ プ:空・陸
地形適応:空・A 陸・A 海・B 宇・A
Wゲージ:130
サ イ ズ:M
機体特性:回避
ボーナス:装甲・EN+10%
スロット:2
特殊能力:G−テリトリー
    :換装

武装説明:
ツイン・バルカン      (頭部にあるバルカン砲。ミサイル迎撃、敵機への牽制に用いられるがほとんど空気)
ロシュセイバー       (高出力型プラズマソード。有効射程が長いが消費もそれなりに高い)
フォトンライフル・S    (改良型の専用フォトンライフル。速射性と射程の長さが優れている)
ファング・スラッシャー   (左腕に搭載された投擲武装。ZOの刃を展開して敵機を切り裂く)
グラビトンライフル・Bst (母艦より射出される重力波ライフル。広範囲に重力波を照射する)

機体説明:
 T−LINKシステム、そしてトロニウム・エンジン等の装備を取り除き、一般のパイロット用に調整が施された廉価版のヒュッケバインMK−3。
それ等の装備が排除された以外はヒュッケバインMK−3との差異は無く、機動兵器としての性能は極めて高い上、単体での飛行能力まで有している。
元々はデータ採取用に製造された物だったが、今回の戦いが始まったと同時に稼動データ採取の為にATXチームに配備される事になった経緯を持つ。
大気圏内、強いては重力下での稼動データとテスラ・ドライブ内蔵バックパックによる飛行試験、そして実戦データを採取するのが目的なのだろうが
非常に汎用性の高い当機は癖の強い機体ばかり集まるATXチーム内で重宝されており、カーク=ハミル博士の思惑通りに各データ採取は進んでいる。
現在、月面でAMボクサーやAMガンナー等、各種AMパーツを装備した状態でのテストが行われており、そのテストが終了した際に此方にそれ等を
手配して貰えるらしい(※無論、ただでは無くエクスバインの各データをカーク=ハミル博士に提供する事と引き換えではあるが、些細な問題だろう)





〜恒例の作者の質疑応答コーナー〜
Q:「ね、ねぇ!私の機体は!私の機体は無いの!?」  質問者:布良 梓
A:世に平穏のあらんことを

Q:三話投稿はいつだヴォケ
A:時間なさ過ぎワロタ……ワロタ……

Q:「そろそろ、私たちの機体の設定つくろうよ」  質問者:高町 なのは
A:orz

Q:作者は厨二病
A:何を今更
2012/07/28(Sat) 23:10:02 [ No.982 ]
◇ Re: バックレたとおもった?俺だよ!(謎 投稿者:シエン  引用する 
八神はやて どうも、シエン・インダストリアルの代表取締役社長(笑)です。
音沙汰がない間は開発主任(ユウMK=2)主導のもと、その他役員共々とある案件に取り組んでおりました。
そしてその作業は落ち着きを見せてきました、つまり……三話が近々投稿されるということです。
いつになるか、などは―― 知 り ま せ ん

お飾りの社長を舐めるなよ、すべては主任の望むがままに動くのですよ。フッフフフ

……にしても、本当にシエン・インダストリアルを組み込むとは思わなんだ。となると、あの案件も動き出すということか……永谷園、そしてマルコメ
2012/07/29(Sun) 20:52:55 [ No.983 ]
◇ Re: バックレたとおもった?俺だよ!(謎 投稿者:シリウス  引用する 
トーレ いつのまに更新されてた!?
いやあ、良き戦友や厨二な機体がたくさんですね。
こういう機体や設定があるって素晴らしい。
このメンツで幾千万の戦場を渡り歩くのがすごく楽しみ。
近々三話との事、これは待ち続けなければいけません。
その瞬間までひたすら待機します。
では、その日までまた会いましょう
2012/08/02(Thu) 00:42:39 [ No.984 ]

◆ とある管理局員達の劇場版対談 投稿者:DRAGONIC  引用する 
羽ピン
女性局員「どもども〜、魔法少女をこよなく愛する紳士の方々おはこんばちわ〜」
男性局員「はじめまして、だ。というか、挨拶ぐらい真面目にやれ、貴様」
女性局員「(スルー)もう皆は『魔法少女リリカルなのはTHE MOVIE 2nd A's』を見たかにゃ〜?」
男性局員「見てなかったらここからの会話は意味不明だろうに」
女性局員「(さらにスルー)私はあれを見て、心躍ったね。グッズが完売されて手に入らなかったのは悲しかったけど!」
男性局員「(諦めた)まぁ、三連休の時期に公開した所為で追加発注もままならないというのもあったがな」
女性局員「仕事が忙しい管理局員にとって、三連休はうれしい反面、このような悲劇を残してしまったのね……」
男性局員(映画見るためだけに有休申請したくせに……)
???「あの〜、いつ対談始めるんですか?」
二人「あ」

女性局員「前置き長くてごめんなさい、お兄ちゃん♪ これより、なのは劇場版対談を初めまーす」
男性局員「二十歳過ぎの女が妙な媚び方をするな、気持ち悪い。進行を勤めるのは本局上級執務官、カイン=ベルンハルトと」
女性局員「後でアンタシメル。地上本部教育官、カエデ=K=クローベルです♪」
カイン「俺の役職とコイツの苗字は今回スルーしてくれ。そしてゲストに元機動六課課長、八神はやてを呼んでいる」
カエデ「てなわけではやぴ…じゃなかった、八神部隊長どーぞー!」

はやて「やっと出番かいな。どーも皆さん八神はやてです。今回はよろしくお願いします」
カエデ「いや〜、今作のヒロインをゲストに呼べるなんて運がいいよ私ら」
はやて「え、そうですか?ちょっと照れますね〜」
カイン(高町とフェイトが忙しすぎて、消去法で選んだのは黙っていよう)

カエデ「さて、劇場版第二弾ですが、前作以上にTV版との変更点がおおいですね」
はやて「あ〜、そうですね。なのはちゃんとフェイトちゃんのバリアジャケットのデザインもそうですけど、リィンの騎士甲冑もディティールが変わっとりました」
カイン「八神とヴォルケンは殆ど変わってないのにな」
はやて「身も蓋もないこと言わんといて!?」
カエデ「もちろん内容も大幅変更されてスッキリしましたね〜」
カイン「上映時間の制限故に、降板されてしまったとも言うな」
カエデ「誰かとは、言いませんよ?誰か、とは」
はやて「何でネタバレ寸前の微妙なラインで発言するん?」
カエデ「そしてなのフェイは相変わらずの百合っぷりだね。はやぴーは出番が全体の半分以下だというのに」
はやて「いきなりひどいネタバレ!?てかめっちゃ失礼ですよね!?確かに少ないけど、ちゃんと重要なシーンで活躍してるやないですか!?」
カイン(二人の百合疑惑は否定しないのか……!?)
カエデ「いやだって、活躍っつても、TV同様ラストだけだし、後はヴォルケンとの出会いとリィンの別れぐらいしか見せ場ないじゃん」
カイン「待て、肝心要のシーンだろうに」
はやて「せや!私がヒロインであるという証明や!!」
カエデ「いや、それはわかってるって。何でそんなに必死?」
カイン「まぁ、個人的に言わせれば、フェイトの夢のシーンの方が印象的だったんだが」
はやて「裏切られた!?」
カエデ「落ち着け」

カエデ「さて、リリなの最大の見せ場ともいえる戦闘シーンも劇場版ならではパワーアップに大興奮でしたよ、私」
はやて「私の傷ついたハートはスルーかい」
カイン「?いつもの事だと聞いたが」
はやて「どこ情報!?苛められて喜ぶ趣味ないよ私!?」
カイン「(そこまで言ってねぇ)まぁ、地面バウンドしたりビルが貫通する位吹き飛ばされたりと、非殺傷設定とは何だったのかと疑いたくなるレベルだったな」
はやて「いやいや、非殺傷やなかったらなのはちゃん達何回死んでるの?」
カイン「魔法以外の部分で死ぬだろうに」
カエデ「小学生の女の子が耐えられる衝撃じゃないわねぇ」
はやて「お二人とも魔導師ですよね?バリアジャケットの事忘れてません?」
カエデ「李書文先生ならそんなの関係ないわ!!」
はやて「そんな話してへんやろ!?ホントにミッド人ですかアンタ!?」
カイン「ウェズリー家の春光拳はどうなる」
はやて「いや確かにそーですけど…て、何でリオの家の事を?」
カイン「遠縁の親戚だが」
はやて「世間狭っ!?」

カエデ「劇場版の様々な変更があったけど、幾つかのツッコミ所を除けば概ね無理がなくテンポのいいストーリー展開だったね」
カイン「展開の一瞬一瞬がまばゆい輝きを持っていることは認めよう」
はやて「そう思ってくれるのはうれしいですけど、さっきまでのコメントの所為で全然説得力ありませんよ?」
カエデ「まぁまぁ気にしない、気にしない。具体的に言えばVividみたいに安全なスポーツでもない、Forceみたいに血で血を洗うような殺し合いでもない、想いの強さが勝負を決める戦いって、本当にまぶしいもんだよ」
カイン「まぁ、戦い=日常の俺達特有の意見だがな」
はやて「………」
カエデ「ちょっと湿っぽくなったね、ゴメン。さて、想いの強さが奇跡を起こす、そんな魔法少女の物語」
カイン「『魔法少女リリカルなのはTHE MOVIE 2nd A's』」
はやて「また見てない方は是非劇場へ」
3人「お待ちしてます!」

カエデ「そういえば私、2回映画見に行ったけど、はやて色紙しかもらえなかった」
カイン「上映開始日2回連続にしないからそうなる」(フェイト色紙持ち)
はやて「どうせ私は不人気やぁあああ〜〜〜!!」


おまけ
良介「…………」
アリサ「どうしたのよ良介?珍しく神妙な顔して」
良介「珍しくは余計だ。少し疑問があってな」
アリサ「?」

良介「なんであいつらはやての保護者とかなのはとフェイトの特訓風景をツッコまないんだと思ってな」
アリサ「良識ある人間はそういうトコツッコまないのよ」
2012/07/18(Wed) 12:21:09 [ No.981 ]

◆ MIB MagicialGirls&Alien 投稿者:ハムカッタ  引用する 
PDR専用 世界には裏と言ったものがある。決して日の表に出ることはなく一部権力者を除いて一般人が知ることのできない情報が裏だ。これを聞けばまともな神経の人間なら一笑にふすだろう。
そんなものはない、馬鹿馬鹿しい陰謀論者のたわごとだと。それがまともな思考、常識の結果。
陰謀論者と呼ばれる人々でさえそれは趣味の一環でしかなく、本当の意味で信じているわけではない。
その人々はどれだけ幸運だろう。陰謀論者が言う炉図ウェル事件やアメリカ空軍基地グレームレイク空軍基地もといエリア51にまつわる噂が真実を紛らわすためや意図的にある程度の真実を含ませ、本当の真実から目をそらすため、秘匿のために垂れ流された偽情報だと言うことを知らないのだ。
現実に地球上にエイリアンが人間に混じって生活し、エイリアンが原因で惑星ごと抹殺されそうになったなど知らないほうが幸せかもしれないが。
そして狂も人知れず彼らは活動する―ブラックメンという都市伝説を生む原因となった対エイリアン専任機関MIB(メンインブラック)は。



あとがきどうもはじめまして。この作品はMIBとのある作品のクロスです。ヒントはエイリアンが魔法少女にだましてさせている作品。
独自設定がありますし、恐らく三話程度しか続いて書いても続かないと思いますが駄文に付き合っていただけたら最愛です。
2012/07/14(Sat) 17:56:13 [ No.976 ]

◆ リリカル? そんなものよりも修羅道を突き進もう 投稿者:シリウス  引用する 
トーレ


もしも始まりがあったとするならば、何処なのだろう。

この軍服を着た時か?

初めて操縦席に乗り、敵を殺した時か?

DCが現れて、戦争が発生した時か?

どれも違う気がする。

確かに今の自分を作る事となった出来事である。

だが、始まりはもっと単純だった筈だ。

そう―――ただ愛する人を護りたい。

家族、友人、恋人とただ身近にいる人を護りたいから軍人になった。

その選択に後悔はないし、する気もない。

それが今の自分には何の意味もない事でも変わりなかった。

ハヤト=アカミヤは愛機―――グルンガストを見上げながら自らの始まりを思い出していた。



「ハヤト少尉! こちらに居ましたか!」



しかし、そんなハヤトの思考を遮るように自分を呼ぶ声に気づく。

煩わしく思いながら、自分を呼ぶ声の下へと視線を向ける。



「大声で叫ぶな。で、用件は何だ?」

「ハッ。大佐がお呼びです。至急来てくれと」

「分かった。すぐに行くと伝えてくれ」



大方面倒事である事だろうと予想する。

それでもハヤトにとって何ら興味もなかった。

自分を疎ましく思われる事は知っているし、一々歯牙にもかけるつもりもない。

そんな下らない事をする位なら訓練や愛機の整備を行う方に遥かに有意義だ。

ハヤトはこれからの起こる事に一切の興味を持たずに大佐の元へ行くのだった。















大佐の元に着くと掛けられた言葉はある種、予想通りだった。



「転属命令ですか?」

「そうだ。お前にはこれから第13独立機動遊撃部隊に転属してもらいたい」

「第13独立機動遊撃部隊ですか」



ハヤトはその名前を思い出す。

第13独立機動遊撃部隊とは曰く軍内部の問題児や厄介払いされた人を集め、常に最前線に送られる部隊。

しかし、その実力は折り紙付きで生存率が高いとさえ言われている。

他にも新機体や新武装のテストパイロットも引き受けるという仕事も行っているという噂。

もっともハヤトは愛機一筋なのでそちらには興味がなかったが―――。



「それで何時準備すれば?」

「今すぐだ。どちらにせよ今のお前には、さほど悪くない話だと思うが?」

「そうですね。確かに話としては悪くないです」

「なら、先方にはそう伝えよう。転属の書類については先方側より渡される事になっている」

「分かりました。では、これより準備に入らせてもらいます」

「ああ、分かった……アカミヤ」



大佐の表情に険しさを増す。

その表情に思わずハヤトはビクッと一瞬肩を震わす。



「これは忠告だ。お前のその生き方を変えなければ、このままだと修羅道に堕ちる事になるぞ」

「……忠言感謝します」

「ふん。分かったならさっさと行け」

「ハッ! それでは失礼します」



ハヤトは用は無いと言わんばかりのその場を後にする。

その光景に大佐は今まで溜めこんでいたと言わんばかりの大きなため息を吐く。

彼は危う過ぎるのだと内心呟く。

大佐はハヤト=アカミヤという人物の資料を改めて見とおす。

軍人になった経歴については問題は無かった。

言うなればこのご時世においては当たり前のこと。


祖国や家族、親友や隣人達を護りたい。


DC戦争が始まる前に入隊したとはいえ、既に緊迫された状態が各国にあった。

その中で祖国や家族の為に立ちあがった若き兵士。

そんな話は何処にもあり、珍しくもなんともない話。


しかし、当時のハヤト=アカミヤはこの世の何処にも存在していない。


今自分に目の前に立っていた存在は修羅となんら変わりない。

戦場が無ければ生きてはいけない。

渇きや飢えを癒す為に戦火に身を投じる。

そこに快楽や愉悦は無くとも、もはや常人の思考とは言えない。

軍人などではなく、修羅であると断定していた。

それ故に大佐は忠告を告げた。

このまま行けば修羅道に堕ちると―――。

恐らく今の彼はその一歩もしくは二歩手前の状態。

それでも戦場の中より抜け出せなくなっているのは事実。

自ら戦場に投じなければ生きてはいけないほど、ハヤト・アカミヤは狂っている。


「国や家族を焼かれてはまともな思考も出来んのか」


大佐はもう一度ため息を吐き、今後の彼を気に掛けた。

このまま進めば、彼の人生は戦火と共に消えるだろう。

軍に入るうえでは覚悟はしており、彼もその覚悟が出来ているだろう。


しかし、ハヤト=アカミヤは修羅ではなく、軍人として生きてほしい。


修羅道に堕ちた末路は常に破滅が決まっている。

それがどういうものであれ、救いは何一つない。

だからこそ、軍人としての責務や在り方を思い出してほしい。

このまま行けば破滅しかないのなら、再び人に戻らなければならない。


「奴はそれを弱さと言うのだろうな」


それでも大佐は思う。

第13独立機動遊撃部隊の転属が彼を変える切っ掛けになれば良い事を―――。

















その頃、ハヤトは再び自らの愛機の下に進んで行く。

その表情は何処か明るく、楽しげだった。


「まさかあんな言葉を頂くなんてな」


ハヤトにとって大佐とはこの場に置いてくれている存在でしかない。

此処に来るまでに色々な問題を起こした。

試作機とはいえ、グルンガスト壱式を持つというだけで目の敵にもされた。

個人プレイに走った記憶もある。

仲間を救える場面で救わず、見捨てる事もした。


ただ生き残り、勝ち続ける為に―――。


まともな思考などいらない。

誇りや仲間、勲章が欲しい訳じゃない。

失ったモノを求めたりはしないし、それに縋って泣き続ける気もない。

その胸に開けた空虚を埋める気など最初からない。


何故なら欲しいのは温もりではなく、自分を燃やし続ける炎。


その為なら喜んでハヤト=アカミヤは修羅へと堕ちる。

どんな救いよりも地獄を求める。

どんな仲間よりも敵を求める。


その為だけに力を求め続けよう。


自分は家族や祖国を護る為に軍人になった。

しかし、それを護れなかった者には何が残る。

この手にあるのは銃器と身に纏う軍服、そして、我が愛機。


ならば、この力を持って全てを壊し続けよう。

愛する者を護れなかったこの力で敵の全てを奪い続ける。

それこそが護れなかった人達に対する自分なりの償い。


何処までもこの戦火を進み続けよう。

この身、燃やされる日まで駆け抜けよう。

この戦場が終える日まで力を求め続けよう。

他には何も知らないし、興味もない。


「だから、付き合ってもらうぞ」


自分の愛機を見上げて、次に来る戦場に胸を躍らせる。

この生き方しか知らない故に、この道を進み続ける。

他の道に興味も欠片も湧かない。


「だから、てめえ等も俺を楽しませてくれ」


この道を歩み続ければさまざまな敵がやってくる。

DC戦争に始まり、エアロゲイターや修羅や並行世界の存在などこの地球にやってきた。

この地球に何があるかは分からない。

しかし、敵を引き寄せる何かがあるとハヤトは思う。

それは単純に地球の持つエネルギーかそれとも人間の持つ何かが知らない。

それでもハヤトにとって好都合である。

戦場が向こうから大手を振ってやってくるのだから。

それこそが今の自分にとって全てである。


「今度の戦場も俺を楽しませて欲しいんだがな」


次に来る戦場は自分を満たしてくれるのだろうか。

その期待と興奮に笑みが止まらない。

端から見れば狂人の類と言われてもおかしくない。

だからこそ、この部隊に自分が選ばれたのだ。


第13独立機動遊撃部隊。


曰く付きの人間だけを揃えたような部隊。

この部隊に自分を入れるという事は要注意人物と判断したに違いない。

力があるだけでプラスであり、この状況下では尚更排除が出来ない。

未だテロ組織やDCなど地球圏での争いは絶えない。

他にも異星人や異世界との戦いの可能性がある以上、戦力の低下は妨げたい。

それでも仲間と協調が出来ない存在は必ず存在する。

だからこそ、臭いものに蓋をするようにこういう存在を一か所に集めるのだ。

協調できない存在ほど邪魔なものはない。

特に軍人である以上は上官の命令は絶対である。

だからこそ、この第13独立機動遊撃部隊のメンバーが集まったのだ。

これだけの経歴を持つ人間は地球連邦の中でもごくわずか。

その中でも有名なのはハガネやヒリュウに所属する軍人と言える。

しかし、ここに載っているメンバーは違う。

彼らは皆、何かしらの理由があってこの部隊に呼ばれたのだ。

この資料を見る限りでは自分との同族は数人程度


アキト=アイザワ

ベイル=シュノームベルト

クレイル=ウィンチェスター


同族はこの三人。

その中でもベイルは確実に自分と同じ存在だと確信する。

戦場が無ければ生きてはいけない存在。

戦場こそが自分を満たしてくれる場所。


「まあ、仲良くなれるかは別だがな」


そこは性格次第。

必ずしも仲良くなれるかは別。

クレイルとアキトの同族に関しても半々と予想。

資料見る限りでは、近しい存在というのがハヤトの見解だった。

もっとも会ってみればいいだけの話ではあるが―――。

その他の名前を見ても、経歴は珍しいが同族ではない。

王女や元政治家の息子、軍人や民間人らしき人物がいようが彼らは違う。


戦場を第一としてはいない。


人か国か組織か、それを護る事を第一としている人物なのだ。

その事に羨ましさや妬ましさがないと言えば嘘になる。

自分もかつてはそういう人間だったのだから。

その事に思わずハヤトは苦笑する。


「俺もまだマシな感情があるとはな」


しかし、それもこれまで。

こんな感情はこれからの自分には余分なものでしかない。

これより先は地獄の修羅道。

戦いによって自分を満たし、敵の屍を積み上げて悦に浸ろう。

だからこそ、期待する。

もしこの部隊の人間は自分を使いこなせるのか。

あるいは邪魔者として扱うか。

もし使いこなせるというのであるならば、この先にある幾千、幾万の戦場を共に駆け抜けてみせよう。

例え体が朽ち果て、この身が燃えようとも戦場の中で生き続けよう。

誰もが諦め救いを求めようとも、自分だけは戦い続けよう。

それこそがこの修羅になろうとする自分を使う礼儀であり、忠義。

未だ見ぬ戦場と仲間に思いを馳せるハヤト。

そして、来る戦場に期待と興奮を感じ、自分の愛機を見上げるのであった。

これより数日後、ハヤト=アカミヤはアキト=アイザワ及びベイル=シュノームベルトとの会合を果たすのであった。






あとがき
お久しぶりな方はお久しぶりです
初めましてな方は初めまして、シリウスです
ちなみに上で書かれている同族扱いされているキャラクターについては俺のイメージですので、ご注意ください。
それではご縁があったらまたお会いしましょう
2012/07/13(Fri) 01:23:43 [ No.975 ]

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投稿者 No. 削除キー

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